さてそろそろ、2021年冬アニメで俺が圧倒的に気に入っていて、でも特別編が先月末に公開されたばかりの「ワンエグ」こと「ワンダーエッグ・プライオリティ」の話をしようじゃないか。
出典:「ワンダーエッグ・プライオリティ」OP
…と思いつつ、この作品を自分の中で落ち着けるのに時間がかかってしまい、放送からはや2週間が経ってしまった。さすがに間が空きすぎたので、そろそろ公開しようかと思う。タイトルは以前「よりもい」の完結後に書いた、この記事のフォーマットに合わせる形でいってみようか。
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というわけでこの「ワンダーエッグ・プライオリティ」、あまりの高クオリティ作画のためかどうかは分からないが、ギリギリの制作体制がついに力尽きたのか、第8回が総集編化して玉突きで最終話が落ちてしまい、3ヶ月後の6月29日深夜に特別編として、総集編と本来の最終話の内容とのミックスで1時間枠として放送された。
が、世間の反応をつらつらと眺めると、この終わり方には割と不評が多いようだ。まあ、結構な伏線を回収せずに放り出した感があるので、一般的評価としては残当としか言いようがない。
あと、せっかく特別編として1時間枠を取ったのに、結局30分は総集編をやってしまったというのも、1時間あればワンチャン色々回収できるのでは的な期待をしてしまうから、そのせいで余計落胆してしまう気持ちもとてもよくわかる。
まあ、結果的には普通に本放送時に落とした最終回を3ヶ月後に放送した、という体なので、それならそうと最初からそう言ってくれた方が良かった気もするんだけどな。
だが、世間の評価はさておき、特別編を何回か繰り返し見てみた感想としては「まあみんなの言うことも分からんではないが、やっぱ俺こういうの大好物だぞ」ということだ。そしてその後も以前の回を含めて何度も見てるけど、やっぱり好きだ(おかげで夏アニメをまだあんまりチェックできてないぞ)。
ちなみに第5回まで放送された時点の感想はこちら。
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早速、この「ワンダーエッグ・プライオリティ」について、終盤を中心にがっつりと語っていこうと思う。とはいえ、あまり広く浅く語っても退屈になると思うので、要点を絞って、そこから話を進めていこうか。
そんなわけで、どこに要点を絞ろうか。…そうだな、今回の章立てはこんな感じでいってみよう!
- はじめに:パラレルワールドの狭間の泡、リンボとしてのエッグ世界
- もう1人のアイ
- もう1人の小糸
- もう1人のねいる
- おわりに:新しい世界、アイの復活、そしてねいるは?
あと、あまり過剰な深読み(妄想ともいう)は抑えて、できるだけ描かれていることを素直に読み取っていく、というポリシーでやっていくことにしようかね。
はじめに:パラレルワールドの狭間の泡、リンボとしてのエッグ世界
そもそもエッグ世界って何だろう、という重要な設定の根本も、最後まで結論がぶん投げられたという印象もあるが、実は意外にヒントは随所に散りばめられていたかのも知れない、と思っている。
自殺した死者の魂が、復活に向けて彫像という形で凍結されて待つ場所、という意味では、エッグ世界はリンボ(辺獄)的だ。そしてそこでは、他の自殺した魂たちの死の原因となったトラウマを浄化するための戦いも行われている。
第1回のラストで話された通り、浄化された魂は新たな彫像となり、おそらく別のリンボが作られる。そしてそのリンボにある彫像の人物を復活させたいと願い、彫像とは別の魂たち、つまりエッグを浄化する役目を担っているのが、アイたちエッグ戦士である。
出典:「ワンダーエッグ・プライオリティ」第1回「子供の領分」
彫像から生き返った後の彼女たちの変化に関しては、パラレルワールドで自殺せずに生きている別の彼女たちが移動してきた、という解釈もネットで散見されたように思うが、おそらく彼女たちはパラレルワールドからやってきたわけではなく、本当に彫像が復活したものなのだろう、と、俺は考えている。
おそらく、ハルカやちえみが彫像から復活したときの桃恵やリカに対する態度とその後の経緯のギャップから、このパラレルワールド説が出てきたのだと思うが、思い込みを排除してあらためてこの2人の復活シーンを見なおしてみると、単なる友人に対する反応や、アイドルの普通の握手会のような関係性である、と思ってもそうおかしくない。
たしかに彫像から復活した時、桃恵に対するハルカ、リカに対するちえみは、少なくともある程度の好意を持っているように見えるが、一方小糸は復活直後からアイに無関心だったように思えるし、アイルに至ってはねいるに対する敵意を隠していない。
出典:「ワンダーエッグ・プライオリティ」第12回「負けざる戦士」
つまり、エッグ世界で彫像から復活した直後の彼女たちと、実際の世界に復活した彼女たちは別人物と考える根拠はない、と思う。
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