xckb的雑記帳

身の回りにあったことを雑多に語ります。

「宇宙よりも遠い場所」聖地巡礼・6年越しのシンガポール編

さて、超久々の「宇宙よりも遠い場所」関連記事。いや、今ちょうどNHKのEテレで再放送やっていていいタイミングなんだけど、あの伝説のシンガポール編である第6話の放送2週間前に家族旅行でシンガポールに行ってきたので、ついでに「よりもい」聖地巡礼をやってきた。

ということで、なんとか再放送での第6話放送前にブログにまとめてみたぞ。

ちなみに、館林の聖地巡礼はここら辺に以前書いたし(あと立川の極地研と新千歳空港も行った)…。

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よりもい自体の感想を書いた記事はこちら。ただし最終回までのネタバレを含むので、必ず全話を見てから読んでいただきたいかと。

xckb.hatenablog.com

ということで今回の目次はこちら。そういえばこちらのブログでの海外聖地巡礼ネタは初めてだったりするかな。いってみよう!

  • 成田空港:シンガポール航空で出発
  • シンガポールの街:オーチャードロード
  • 船から見たマリーナベイ:シンガポール・リバー・クルーズ
  • マーライオン観光:マーライオン公園
  • 夜の噴水ショー:マリーナベイ・サンズ「SPECTRA – 光と水のシンフォニー」
  • マリーナベイ・サンズ屋上:マリーナベイ・サンズ「スカイパーク展望デッキ」
  • シンガポール・チャンギ国際空港:チケット変更のあれこれ
  • 「何か隠してますよね?」:マクスウェル・フードセンター
  • おまけ

成田空港:シンガポール航空で出発

まあ、うちの少年(小学生)を初めて海外に連れて行こうかという話はだいぶ前からやっていたんだけど、コロナで延期に延期を重ね、やっとの実現となったのが今回のシンガポール旅行だ。

コロナ禍でたまりにたまったマイレージを昨年から結構なペースで消費してきたんだけど、その最後の搾りかすを使って、家族3人でシンガポールまでの特典無料航空券をゲット。航空券に燃油サーチャージが含まれているシンガポール航空だと特典航空券にもサーチャージ不要で、諸費用が格段に安く済んだんだけど、これが偶然「宇宙よりも遠い場所」での航空会社のモデルと一緒だったのでラッキーだった。


(朝の便のため、念のため前泊した成田のホテルの部屋から、新勝寺に沈む満月が綺麗だった)

で、流石に子供が小さいうちはちょっと海外には行きにくかったし、海外に行く仕事でもないので、なんやかんやいって国外に出るのは14年ぶりなのだ(ちなみに前回海外に行ったのは、2009年のフィンランドとエストニアとスウェーデンの北欧旅行)。

14年も経ってさらにコロナ禍も経ると、旅行の色々な事情も変わっているので、ネットで色々調べてキャッチアップして出かけたのであった(出入国の電子化、キャッシュレス化、携帯ローミング事情などが、14年前とは違いすぎる)。

そんなわけで、成田T1の出国カウンター、もうこんな有人カウンターはほぼ全廃となっている。機械にパスポートを読み込ませて写真撮るだけで終了だ。変わったなぁ(とはいえ多分出入国界隈は撮影禁止なので、写真は撮ってないぞ)。


出典:「宇宙よりも遠い場所」第6話

往路はSQ637。朝10:00発16:55着のA380便。とはいえA380自体は前回の海外の時にLHのNRT→FRAで体験しているので2度目だな。

「よりもい」でも4人が乗ったのはA380なんだけど、劇中と似たアングルで撮ろうと思ったら、カーテンに遮られてちゃんと撮れなかった。A380は総2階建てなので、2階まで届くボーディングブリッジが必要だったりするため、成田でも対応できるゲートが限られるんだよね。

ちゃんと2階席用のボーディングブリッジも描かれているな。ちなみに劇中だと「SHANTHI AIRLINE」なのね。


出典:「宇宙よりも遠い場所」第6話

CAさんの制服は本物の方が線が多くて素敵。まあアニメなので仕方がないか。機内ではあんまり写真撮ってない。まあ家族旅行だしね。

機内食はチキンを選択。炭水化物はマッシュポテト。蕎麦は日本便の定番メニューだよな(茶そばではなかった)。

うちの少年はCAさんにカタコト英語でのコミュニケーションを試みて成功し、人生初めての機内食を楽しんでいた模様。なんか「よりもい」での機内風景を思い出してほっこりした。


出典:「宇宙よりも遠い場所」第6話

窓の外の景色はフィリピン上空を通ることを除けば海の上ばっかりで、しかも曇っていたので見所もなし。でもまあ、チャンギ着陸直前に見えたシンガポール海峡を行き交う船たちはなかなか壮観だったな。

シンガポールの街:オーチャードロード

到着したチャンギ国際空港では、あまり写真を撮らずにそのまま市内に向かってしまったのだけれども、実は旅の期間中「よりもい」で4人の宿泊するホテルがある設定のオーチャードロードには、結局買い物とかに行かなかったんだよね。

ということで、オーチャードロード界隈に関しては、オープントップの観光バスで市内を巡ったときに、ちょこっと写真や動画を撮っていたので、それをベースにまとめてみる。

ION Orchardの建物(やはり買い物に行くべきだったか…)。ちなみに我々はオーチャード界隈ではなくブギス近辺に泊まっていたこともあり、本当にこっちには来なかったんだよね。



出典:「宇宙よりも遠い場所」第6話

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漫画「新しいきみへ」聖地巡礼(第6巻:皆・誼・転・新しいきみへ)

さて、俺がここしばらく一番気に入っている漫画と公言していた「新しいきみへ」(三都慎司)だが、ついに第6巻で完結。連載で追いかけていたものの、あらためて単行本で一気読みするとまたこれが最高だったりする。2巻が出たあたりで知って読み始めたのだけれども、本当に追いかけてきて良かったと思う。三都慎司先生ありがとう!

そしてなんと、第6巻の推薦帯コメントは新海誠監督。6巻でキッチリ完結する漫画は1クールのアニメ化にも最適な長さだし、是非とも誰か拾って映像化してほしい。サマータイムレンダみたいに、ラスト1話は8割方アニオリみたいな展開も実によく合うと思うよ。

ということで、最終巻である第6巻の聖地巡礼ブログ、いってみよう。前回の第5巻編はこちら。

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今回の目次。今回紹介する舞台はそのほとんどが小田原である(というか正直、今回は小田原以外はわからない場所が多い)。

  • 第21話 皆の回
    • 吉本先生が入院している病院(横浜市立みなと赤十字病院)
    • 新宿から小田原へ出発(首都高・初台南入口)
    • 東名高速封鎖ポイントを抜け神奈川県へ(東名多摩川橋)
    • そのころの新宿(新宿南口駅前)
    • 小田原に向かう(東名海老名JCT)
  • 第22話 誼の回
    • 浜辺で語る悟と濱名の回想(御幸の浜)
    • 夜明けの小田原城(小田原城天守閣)
    • 悟が相生亜希と別れる駐車場(ショウワパーク 小田原駅前)
    • 濱名を探しにいく悟(小田原駅・駅前)
    • 無人の繁華街(栄町交差点)
    • 海岸近くで濱名を探す(御幸の浜付近)
    • 濱名と歩く小田原市街(主にお堀端通り小田原城近く)
    • 携帯に聴き入る相生亜希がいる屋上駐車場(小田原アプリ駐車場、現存しない)[1/2]
  • 第23話 転の回
    • 携帯に聴き入る相生亜希がいる屋上駐車場(小田原アプリ駐車場、現存しない)[2/2]
    • 見開きタイトルページ(小田原城址公園)
  • 第24話 新しいきみへ
    • 堀端(小田原城南曲輪西二重櫓跡)
    • 相生亜希が走って渡る橋(小田原城址公園・学橋)
    • 濱名と相生亜希
    • エピローグ
  • おまけ(1):車載動画の撮影について
  • おまけ(2):今回の小田原でのお食事
    • 旨家maru松
    • 魚商 おむすび六左衛門 ミナカ小田原店
    • くまもとらーめんブッダガヤ
    • 海鮮茶屋魚國


なお、聖地巡礼ブログでネタバレを食らわせるのは不本意のため、未読の方はぜひこの記事を読む前に、漫画を読み終わってからあらためて再訪いただきたい。

紙書籍版

Kindle版


第21話 皆の回

吉本先生が入院している病院(横浜市立みなと赤十字病院)

吉本先生が入院している病院は、第2巻と同様に新山下の横浜市立みなと赤十字病院。このループではまだ亡くなっていないのか。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第6巻・第21話

新宿から小田原へ出発(首都高・初台南入口)

せっかくなので、作中に通ったと思われる新宿から小田原までのルートを実際に車で走ってみた。途中で作中に出て来た場所を示しつつ、1時間15分の旅程を3分40秒に縮めた以下の動画で見ていただけても良いかと。

www.youtube.com

まずは新宿南口から首都高に乗るために初台南の入口へ。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第6巻・第21話

ここから山手トンネルに入り、大橋JCT経由で東名高速へ。

東名高速封鎖ポイントを抜け神奈川県へ(東名多摩川橋)

東名高速封鎖ポイントは東名多摩川橋。フェンスが立っているためちょっと見づらいが、本当に階段がある。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第6巻・第21話

Googleストリートビューからも、多摩川サイクリングロードから見た階段を確認できる。


出典:Google マップ

実際にはこの「多摩川」の看板の方がちょっと手前にある(作中だとほぼ同じ場所にあるようにも見えるが)。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第6巻・第21話

そして橋の真ん中あたりで「神奈川県」のプレートがある。ここから川崎市に入る。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第6巻・第21話

そのころの新宿(新宿南口駅前)

もう少し右から撮るべきだったか。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第6巻・第21話

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2023年 俺が見たTVアニメ・劇場アニメ私的ランキング

さて、本当は年末までに書きたかった毎年恒例のアニメ年間私的ランキングだけれども、いろいろ忙しかった上に、正月には風邪をひいて寝込んでしまい、結局松の内も過ぎてしまった…。まあそれはともかく、今年も独断と偏見ランキング、いってみよう。ちなみに2022年のランキングはこちら。

xckb.hatenablog.com

それより以前の年のランキングはこちらからご参照いただきたい。最初が2014年だからちょうど今回で10回目となるのか。

今年はちょっとTVアニメよりも劇場アニメをよく観にいっていたこともあり、例年より見ていたTVアニメが少ないが、劇場アニメをたくさん観られたということは、まあそれはそれでコロナ初期の惨状を思い出すと、劇場に作品と観客が戻ってきたということの表れとも言えるんじゃないかな。

ということで、今回の目次。出し惜しみはしないので、全ての結果はこの目次でわかるぞ。

  • 対象作品
    • TVアニメ
    • 劇場アニメ
  • 2023年・TVアニメベスト10
    • 1位 葬送のフリーレン(秋)
    • 2位 機動戦士ガンダム 水星の魔女 Season2(春)
    • 3位 進撃の巨人 The Final Season 完結編(冬・秋)
    • 4位【推しの子】(春)
    • 5位 転生王女と天才令嬢の魔法革命(冬)
    • 6位 16bitセンセーション ANOTHER LAYER(秋)
    • 7位 ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~(夏)
    • 8位 Helck(夏・秋)
    • 9位 薬屋のひとりごと(秋)
    • 10位 無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~(夏)
    • 次点 お兄ちゃんはおしまい!(冬)
  • 2023年・劇場アニメベスト5
    • 1位 アリスとテレスのまぼろし工場
    • 2位 青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない
    • 3位 BLUE GIANT
    • 4位 君たちはどう生きるか
    • 5位 グリッドマン ユニバース
    • 次点 劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE
  • 2023年・TVアニメOPベスト5
    • 1位 YOASOBI「アイドル」(【推しの子】)
    • 2位 yama「slash」(機動戦士ガンダム 水星の魔女 Season2)
    • 3位 YOASOBI「勇者」(葬送のフリーレン)
    • 4位 中川 翔子「65535」(16bitセンセーション ANOTHER LAYER)
    • 5位 nonoc「灯火」(スパイ教室)
    • 次点 BiSH「innocent arrogance」(天国大魔境)
  • 2023年・TVアニメEDベスト5
    • 1位 アイナ・ジ・エンド「Red:birthmark」(機動戦士ガンダム 水星の魔女 Season2)
    • 2位 女王蜂「メフィスト」(【推しの子】)
    • 3位 milet「Anytime Anywhere」(葬送のフリーレン)
    • 4位 ONIMAI SISTERS(高野麻里佳・石原夏織・金元寿子・津田美波)「ひめごと*クライシスターズ」(お兄ちゃんはおしまい!)
    • 5位 Linked Horizon「二千年... 若しくは... 二万年後の君へ・・・」(進撃の巨人 The Final Season 完結編)
    • 次点 カノエラナ「ヒカリ」(Helck)
  • 2023年・劇場版アニメ主題歌ベスト3
    • 1位 中島みゆき「心音(しんおん)」(アリスとテレスのまぼろし工場)
    • 2位 梓川花楓(CV:久保ユリカ) & 梓川かえで(CV:久保ユリカ)「不可思議のカルテ (花楓&かえで Ver.)」(青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない)
    • 3位 米津玄師「地球儀」(君たちはどう生きるか)
    • 次点 オーイシマサヨシ「uni-verse」(グリッドマン ユニバース)
  • おまけ
    • 「さよならの朝に約束の花をかざろう」再上映
    • (今年も)俺がアニメ化してほしい作品
    • アイナ・ジ・エンドと「キリエのうた」
    • 新海誠監督大絶賛!
    • ということで2024年は…

対象作品

対象作品は2023年中に完走したTVアニメと劇場に観にいった劇場アニメ作品で、以下に全作品のリストを挙げる。

TVアニメ

    • 英雄王、武を極めるため転生す ~そして、世界最強の見習い騎士♀~
    • お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件
    • お兄ちゃんはおしまい!
    • 虚構推理 Season2
    • 進撃の巨人 The Final Season 完結編 前編
    • スパイ教室
    • ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん
    • 転生王女と天才令嬢の魔法革命
    • NieR:Automata Ver1.1a
    • 【推しの子】
    • 機動戦士ガンダム 水星の魔女 Season2
    • 君は放課後インソムニア
    • 天国大魔境
    • 女神のカフェテラス
    • AIの遺電子
    • スパイ教室 2nd season
    • ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~
    • 悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。
    • Helck
    • ホリミヤ -piece-
    • 無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~
    • 薬屋のひとりごと
    • 経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。
    • 16bitセンセーション ANOTHER LAYER
    • 進撃の巨人 The Final Season 完結編 後編
    • 葬送のフリーレン
    • はめつのおうこく

劇場アニメ

  • アリスとテレスのまぼろし工場
  • 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
  • 君たちはどう生きるか
  • グリッドマン ユニバース
  • 劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE
  • ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー
  • 青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない
  • 青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない
  • 特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~
  • BLUE GIANT
  • 北極百貨店のコンシェルジュさん
  • 窓ぎわのトットちゃん
  • 屋根裏のラジャー

…特にTVアニメに関してはあれも見てないこれも見てない(その割にあんなクソアニメを完走してる)とか言われそうだが、まあ基本、完走した作品はそれはそれで何かしら惹かれるものがあったから完走できたわけで、まあそんなこと言われても知らんがな、ということで。

あとは、単純に色々忙しかったのと、劇場アニメを観に行くのにも忙しかったものでな。10回以上観た劇場作品も今回はなんと2作品あるし(「アリスとテレスのまぼろし工場」14回、「おでかけシスター」10回)。

2023年・TVアニメベスト10

先述のように、今回は個人的にはTVアニメよりも劇場アニメが本番、という感じではあるのだけれども、それでもやっぱフリーレンは素晴らしかったし水星の魔女は最高だったし、進撃の巨人はついに完結するしで、意外に盛り沢山な年であった。

1位 葬送のフリーレン(秋)

ということで、2023年はあんまりTVアニメ見てないけど、まあ1位はもう全く迷わず「フリーレン」で決まりだな。(とか言いつつ、最初の金曜ロードショーでの4話分放送は録画を忘れて後で配信で見る羽目になったというヘマをしたんだけどね)

www.youtube.com

「勇者が魔王を倒した後の世界を、長寿のエルフの視点から描く」という構成をはじめとして、ストーリーよしアクションよしで自分的には最高なのだが、なんといっても日常回の良さが際立ってると思う。なんならそっちがメインと言ってもいい。


出典:「葬送のフリーレン」第10話

特にフェルンとシュタルクの関係性がかわいすぎて死ぬ。フェルンが超かわいいし、シュタルクがそれに輪をかけて究極にかわいい。この第14話のシュタルクが泣きながら出ていっちゃおうとする次の瞬間に、フェルンのぷんすか顔が一瞬で真顔に戻るところ(しかもシュタルクはもう見てない)とかもうね…。

出典:「葬送のフリーレン」第14話

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「アリスとテレスのまぼろし工場」聖地巡礼(4):奈良県・山口県編「鉄道の高架」

さて、もう2023年の終わりが目の前に見えてきているが、いまだに現時点で俺の2023年の劇場アニメ最大のお気に入り作品である「アリスとテレスのまぼろし工場」。なんと早くも1月15日からNetflixで配信されるらしい。円盤も出て欲しいんだけれども、配信で早速見られるのは嬉しいな。

ということでこの作品の聖地巡礼であるが、とりあえず今まで茨城県(と神奈川県)、岩手県、埼玉県と、舞台のモデルを巡ってきた記事を3回にわたって書いてきた。

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作品の内容自体に関してはこちらの記事でまとめてみた。

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そして現状、すでに撮影した写真が手元にある最後の場所は、奈良県と山口県である。いずれも劇中で出てくる鉄道の高架のモデルと思われる場所だ。これらをまとめていってみよう。

今回の目次。

  • 奈良県五條市
    • 見伏の街中の鉄道高架:国鉄五新線鉄道構造物群・新町高架橋
  • 山口県阿武郡阿武町
    • トンネルの先、見伏から出たところの鉄道高架:山陰本線・惣郷川橋梁
  • おまけ:アリスとテレスの昭和自販機グルメ
    • 自販機コーナー オアシス(島根県益田市)
    • 中古タイヤ市場 相模原店(神奈川県相模原市)

奈良県五條市

奈良県南西部、あと少しで和歌山県、という場所に位置する五條市には、「国鉄五新線鉄道構造物群」という未成線(結局列車が走ることのなかった鉄道跡)がある。五新線とは、奈良県の五條駅と和歌山県の新宮駅を結ぶ予定で計画され、1939年に工事が始まったものの、さまざまな事情で進まず、結局1979年に予算が凍結、1982年には工事も凍結された。この未成線の五条駅近くの遺構が「新町高架橋」である。

自分はまだ観たことがないのだが、河瀨直美監督の「萌の朱雀」がこの五新線をモデルにした映画だそうだ。ちょっと観たくなってきたが、配信がHuluにしかなさそうなので、契約していない自分としては気軽にサクッとは観られないんだよな…。

見伏の街中の鉄道高架:国鉄五新線鉄道構造物群・新町高架橋

この「新町高架橋」が「アリスとテレスのまぼろし工場」の見伏の街中での鉄道高架のモデルであるという説があるが、おそらくそれは正しそうだ。予告編など現在公開されている動画の中で街中の高架が出て来るのはこのシーンくらいだが…。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』ファイナル予告|maboroshi Final Trailer - YouTube

実際かなり似ている(全体を撮るのがかなり難しかったので、パノラマ撮影になってしまった)。ただしこのシーンでのスケールは、劇中の方が実際より少し大きい。

橋桁にある筋のような部分もほとんど同一である。とはいえアーチ橋にはこのような筋が入る傾向があるようだが、それでもたとえば先日の岩手県編で例に挙げた2つのアーチ橋よりもずっと類似性は高い。

この先は川に向かっている。おそらく川を渡る橋は建設されなかったのだろう。

劇中では様々なスケールで登場するこの形の橋だが、流石に実物はほぼ同じ大きさで続いている。

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「キリエのうた」聖地巡礼(2):大阪での再会と別れ、あの砂浜

さて、俺が最近とてもマイブームな映画「キリエのうた」(岩井俊二監督)の聖地巡礼記事、第2弾をいってみよう。まあ実写作品だと「ロケ地めぐり」の方がよく使われる用語だろうか。

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第2弾は11月中に巡った各舞台を、物語における出現順に紹介していく後半となる。前半に当たる第1弾はこちら。

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今回の目次はこちら。新宿・渋谷などの、キリエの(路上)ライブ会場がほとんどまだちゃんと回れていないので、その辺りは第3弾以降に回そうと思う。

  • 路花がストリートミュージシャンとライブする場所:天王寺公園(大阪府大阪市天王寺区)
  • 路花が出入りする教会:川口基督教会(大阪府大阪市西区)
  • 夏彦が路花と再会する駅:道明寺駅(大阪府藤井寺市)
  • 路花と引き離されてしまった夏彦と風美が話す喫茶店:珈琲館チェリー(大阪府藤井寺市)
  • キリエとイッコが「旅」でやってくる海岸:JR松尾駅・蓮沼海岸(千葉県山武市)
  • 続く

路花がストリートミュージシャンとライブする場所:天王寺公園(大阪府大阪市天王寺区)

2011年の大阪で、小学生だった路花(矢山花)が謎のストリートミュージシャン(七尾旅人)と即興路上ライブする場所は、天王寺公園にある大阪市立美術館の前である。

そうそう、この風景だ。

この椅子も後でたしか出てきたよね?

この風景もなんか記憶にある。

警察官に職務質問されるところはこの辺だったかな。そういえばこちらを見ると普通にあべのハルカスがあるのだが、撮影アングルで見えないようにしていたな。2011年だとまだあべのハルカスは完成してないよね。

路花が逃げていったのはこっちの方だったかな?


路花が出入りする教会:川口基督教会(大阪府大阪市西区)

大阪の街を放浪する路花が出入りしていた教会は、大阪市西区の川口基督教会。実際は古墳からは電車を乗り継いで1時間強、天王寺公園からも30分強かかるので、どうやって移動していたのかは謎である。

大阪の都会の中ではあるが、美しいチャペルである。


出典:映画『キリエのうた』本予告ディレクターズカットver【10月13日(金)公開】 - YouTube

ここの表情、すごくいいよね。


出典:映画『キリエのうた』本予告ディレクターズカットver【10月13日(金)公開】 - YouTube

こちらの教会、予約すればチャペルを見ることはできるらしいのだけれども、流石に日曜日の教会に行ってそんな我儘なことを言うほどアレではないので、外から見せていただいたのみで。

おそらくこちらの奥にあると思われる庭も、劇中に出てきていたよね。

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「キリエのうた」聖地巡礼(1):2011年の古墳、新宿駅前でキリエに声をかけるイッコ、台湾料理食堂など

今年はアニメ方面も「アリスとテレスのまぼろし工場」のように、あまり興行的には一般受けしなかったが俺には大ヒット、という作品が割とあったわけだが、実写映画でもまさにそのパターンだな、という感じで俺には大ヒットしているのが「キリエのうた」(岩井俊二監督)だ。上映時間約3時間という長い映画だが、何度観ても未だ長いとは思ったことはないなぁ。

BiSHやら「水星の魔女」EDやらでヲタ方面にも認知度の高いアイナ・ジ・エンドが、石巻に住んでいた少女「希(きりえ)」と、その妹であり東京近辺で活動している路上ミュージシャン「キリエ」の姉妹2役を主演女優として演じているのだが、もうこの人の歌も演技も最高すぎるのだよ。

www.youtube.com

俺はBiSH方面には詳しくなかったので、この映画でやっと、アイナ・ジ・エンドってこんなすごいアーティストさんだったんだ、と認識を新たにした。そして妹役のキャラクターの親友を演じる広瀬すずが、またなんかとんでもない役になっていて素晴らしすぎる。で、全く事前知識がなかったのが申し訳ないのだが、姉の方の「婚約者」を演じていた松村北斗(SixTONES)も、実にいい味というか役の人生観を醸し出している感じでとてもよかった。

そんなわけで、舞台は日本国内であることだし、可能な範囲で聖地巡礼してこよう、と思いたったのだった。とはいえ、この映画は主な舞台だけで首都圏(確認できたものだけで東京都、千葉県、神奈川県)、大阪、宮城、北海道(主に帯広付近)と広く散らばっており、なかなか全てを回ることが難しいのだが、とりあえず11月が終わった時点で回れたところまでをまとめてみようかと思う。まあいわゆる「ロケ地めぐり」だな。

まだ宮城・北海道の舞台には行けていないし、何気に家から一番アクセスが良さそうな新宿渋谷がちゃんと回れていないので、まあ今後にご期待あれということで。

というわけでいってみよう! どういう順番で並べようか悩んだけど、まだどうせ増えることだし、劇中で最初に出た順番に近い感じで並べていくこととした(順番を間違える可能性は高いのでその点はご容赦あれ)。

  • 謎の少女がいる古墳:津堂城山古墳(大阪府藤井寺市)
  • キリエが歩く夜の道:議事堂通り(東京都新宿区)
  • イッコがキリエに声をかける路上:新宿駅南口・バスタ前(東京都渋谷区)
  • イッコがキリエを誘った台湾料理屋:台南担仔麺 新宿店(新宿区)
  • 続く

謎の少女がいる古墳:津堂城山古墳(大阪府藤井寺市)

2011年の大阪で、謎の少女イワンがいた古墳は、大阪府藤井寺市の「津堂城山古墳」。多くの古墳が点在する地域であり、その多くは立入が制限されているが、この古墳は公園となっており、自由に出入りすることが可能となっている。

この映画、ドローンでの撮影がごく普通の撮影技術の一つになっていて実にいいよね。特に北海道での使い方が素晴らしかった。このタイトルバックでの古墳のローキーなドローン撮影も素晴らしい。周囲の街が古墳に向かっているような不思議な風景を、実に印象的にタイトルバックにしている。


出典:映画『キリエのうた』 徹底ガイド 夏彦編【絶賛上映中】 - YouTube

多分子供達がザリガニ釣りをしていたのはこの辺りだったかな。古墳のお堀のようになっていた部分の大部分が干上がっているこの古墳だけど、一部が湿地のように残っている。

この道は古墳南東部で、住宅地の中に古墳が自然に佇んでいる感じが良い。



出典:映画『キリエのうた』 徹底ガイド 風美編【絶賛上映中】 - YouTube

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「アリスとテレスのまぼろし工場」聖地巡礼(3):埼玉県編「上坐利山」「24オートレストランミフセ」

さて、アリスとテレスのまぼろし工場の聖地巡礼記事、今まで茨城県編(おまけに神奈川県)と岩手県編を書いてきたが、次はいよいよ岡田麿里監督といえば秩父、の秩父を含む埼玉県編だ。今までの記事はこちら。

xckb.hatenablog.com
xckb.hatenablog.com

あと、聖地巡礼には直接関係しないけど、映画の内容に関して書いた記事はこちら。

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埼玉県では、おそらくモデルになったであろうという場所に関して、見伏の鉱山「上坐利山」のモデルである秩父の武甲山と、あの超長いキスシーンの舞台である「24オートレストランミフセ」のモデルとなったと思われる、行田の「鉄剣タロー」(現在はすでに閉店している)が知られている。これらに先日訪問してきた。

  • 秩父市
    • 武甲山:上坐利山
  • 行田市
    • 24オートレストランミフセ:鉄剣タロー跡
  • 続く

秩父市

まずはやはり秩父市だ。

武甲山:上坐利山

見伏の背後にある鉄鉱山「上坐利山」は、秩父の武甲山がモデルだ(ちなみに武甲山は鉄ではなく石灰の鉱山)。まあこの辺りには岡田麿里監督の並々ならぬこだわりがあるものと思われる。

実際はこの工場から見たアングルと近い視点が取れる場所というと、結構登らないと撮れない気がするし、そもそもそんな場所が実際にあるのかはわからないのだが。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

とりあえず、景色が開けていてアクセスしやすそうな羊山公園から、観望、撮影してみた(秩父の街並みからは見えるところは多いので、自分の好きなところで観望、撮影するのが良いだろう)。上のアングルとは異なるが、中学の校庭からみたアングルには結構近いかも(中学校庭はキャプチャできる画面がない…)。

実際に秩父に行ってみると、「まぼろし工場」において、外部世界との境界がトンネルだったり、何かあると山が崩れてくるのではという潜在的な恐怖感というものが存在していそうなところとかが、なんか理解できるような気がしたな。まあこの辺りは岡田麿里監督の原風景が反映されているのだろう。

ちなみに、「あの花」であまりに有名になったこの秩父橋にも(実は初めて)やってきたのだが…

ここからもしっかりと武甲山は見えているぞ。

ちなみにお土産にはやはり武甲正宗を買ってきた。まあ「正宗」は全国津々浦々で日本酒の名前になっている単語だが、あえて主人公の名前の「まさむね」が「政宗」ではなく「正宗」なのだから、やはりここは日本酒でOKだろう。

ところで岡田麿里監督と秩父の関わりについては、やはりこちらがおすすめかな…。

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「アリスとテレスのまぼろし工場」聖地巡礼(2):岩手県編「見伏駅」「製鉄所前の鉄橋」等と、高炉のモデルに関する考察

さて、残念ながら先日終映となってしまった「アリスとテレスのまぼろし工場」、結局試写会1回に通常上映12回の合計13回劇場に通ってしまった。文句なしに今年の劇場アニメで俺的ベストムービーだったわけではあるが、作品の内容についてはこちらに書き殴ったので…、

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この記事では先日岩手に聖地巡礼に行った件をまとめてみたい。この作品は、舞台に関して特別にモデルにした街はなく、写真レイアウトも使っていない、ということはスタッフからも語られてているが、それでもモデルになったと思われる風景は存在し、全国に散らばっている。前回、茨城県(とおまけに神奈川県)の風景をまとめてみた記事はこちら。

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今回は岩手県である。岩手県での舞台は岩泉町と釜石市に判明している。また、劇中の高炉のモデルが、かつて釜石に存在した高炉ではないかという説には議論があるところだ。その辺りも考察していきたい。

ということで、本記事の目次はこちら。

  • 下閉伊郡岩泉町
    • 見伏駅:旧岩泉駅舎(岩泉観光センター)
  • 釜石市
    • 製鉄所前の赤い鉄橋:第1大渡川橋梁
    • 港湾施設:釜石港
    • 見伏製鐵所の高炉:かつての新日本製鐵釜石製鐵所の高炉?
    • その他釜石の風景
  • (おまけ)鉄道の橋各種
    • 甲子川橋梁(釜石市)
    • JR釜石線のアーチ橋:めがね橋と岩根橋(遠野市)
  • 旅の感想など
  • 参考文献

下閉伊郡岩泉町

日本三大鍾乳洞の1つとされる龍泉洞のある岩泉町には、見伏駅のモデルとなった旧岩泉駅舎がある。この駅舎は龍泉洞にも非常に近いので、時間に余裕があれば龍泉洞も観光してくるのがお勧めだろう(残念ながら自分は時間がなかった…)。


見伏駅:旧岩泉駅舎(岩泉観光センター)

見伏駅のモデルとなったのはJR岩泉線の旧岩泉駅舎(岩泉観光センター)。2010年7月の土砂崩れで利用できなくなり、2014年に岩泉線ごと廃線となっているという意味でも、劇中の見伏駅を連想させられる経緯である。

ja.wikipedia.org


公共交通機関でのアクセスは、盛岡からバスで2時間、もしくは三陸鉄道リアス線岩泉小本駅からバスで45分といったところだが、本数も少ないので、可能であれば車でのアクセスがおすすめ(盛岡駅から1時間40分)。なお、駅舎の中に入れるのは平日のみなので、土日祝日に訪問した場合は駅舎には入れないことに注意。その辺りを考え、自分は金曜日に訪問した。

残念ながら見伏駅のイメージは現状公開されている動画などには見当たらないので、記憶に参照していただきたいのだが、実に見伏駅である。

この辺りも再現度はとても高かった。岩手から帰った後で映画館で再確認したので、いろいろとアングルを合わせられなくて申し訳ない。

この「岩泉驛」の碑も「見伏驛」になってちゃんと存在していたぞ。

駅舎内で劇中に出てくるのはこのきっぷ売り場か。肝試しの時にこの前を通ってホームに向かう。多分ここもそこそこ再現度高かったはず。

劇中の見伏駅は、駅舎と同じ高さに複数のホームがあったが、岩泉駅はホームが1つしかなく、しかも階段を登った先にあるので、ホームの部分は別の駅をモデルにしていると思われる。

とはいえ、レールの跡にホームから飛び降りて、肝試しの日の雰囲気を出すくらいは楽しんでもいいだろう。

劇中のトンネルのある方向は、おそらく別の建物の駐車場のようになっているので、こちらには入り込まなかった。

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