xckb的雑記帳

身の回りにあったことを雑多に語ります。

「キリエのうた」聖地巡礼(1):2011年の古墳、新宿駅前でキリエに声をかけるイッコ、台湾料理食堂など

今年はアニメ方面も「アリスとテレスのまぼろし工場」のように、あまり興行的には一般受けしなかったが俺には大ヒット、という作品が割とあったわけだが、実写映画でもまさにそのパターンだな、という感じで俺には大ヒットしているのが「キリエのうた」(岩井俊二監督)だ。上映時間約3時間という長い映画だが、何度観ても未だ長いとは思ったことはないなぁ。

BiSHやら「水星の魔女」EDやらでヲタ方面にも認知度の高いアイナ・ジ・エンドが、石巻に住んでいた少女「希(きりえ)」と、その妹であり東京近辺で活動している路上ミュージシャン「キリエ」の姉妹2役を主演女優として演じているのだが、もうこの人の歌も演技も最高すぎるのだよ。

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俺はBiSH方面には詳しくなかったので、この映画でやっと、アイナ・ジ・エンドってこんなすごいアーティストさんだったんだ、と認識を新たにした。そして妹役のキャラクターの親友を演じる広瀬すずが、またなんかとんでもない役になっていて素晴らしすぎる。で、全く事前知識がなかったのが申し訳ないのだが、姉の方の「婚約者」を演じていた松村北斗(SixTONES)も、実にいい味というか役の人生観を醸し出している感じでとてもよかった。

そんなわけで、舞台は日本国内であることだし、可能な範囲で聖地巡礼してこよう、と思いたったのだった。とはいえ、この映画は主な舞台だけで首都圏(確認できたものだけで東京都、千葉県、神奈川県)、大阪、宮城、北海道(主に帯広付近)と広く散らばっており、なかなか全てを回ることが難しいのだが、とりあえず11月が終わった時点で回れたところまでをまとめてみようかと思う。まあいわゆる「ロケ地めぐり」だな。

まだ宮城・北海道の舞台には行けていないし、何気に家から一番アクセスが良さそうな新宿渋谷がちゃんと回れていないので、まあ今後にご期待あれということで。

というわけでいってみよう! どういう順番で並べようか悩んだけど、まだどうせ増えることだし、劇中で最初に出た順番に近い感じで並べていくこととした(順番を間違える可能性は高いのでその点はご容赦あれ)。

  • 謎の少女がいる古墳:津堂城山古墳(大阪府藤井寺市)
  • キリエが歩く夜の道:議事堂通り(東京都新宿区)
  • イッコがキリエに声をかける路上:新宿駅南口・バスタ前(東京都渋谷区)
  • イッコがキリエを誘った台湾料理屋:台南担仔麺 新宿店(新宿区)
  • 続く

謎の少女がいる古墳:津堂城山古墳(大阪府藤井寺市)

2011年の大阪で、謎の少女イワンがいた古墳は、大阪府藤井寺市の「津堂城山古墳」。多くの古墳が点在する地域であり、その多くは立入が制限されているが、この古墳は公園となっており、自由に出入りすることが可能となっている。

この映画、ドローンでの撮影がごく普通の撮影技術の一つになっていて実にいいよね。特に北海道での使い方が素晴らしかった。このタイトルバックでの古墳のローキーなドローン撮影も素晴らしい。周囲の街が古墳に向かっているような不思議な風景を、実に印象的にタイトルバックにしている。


出典:映画『キリエのうた』 徹底ガイド 夏彦編【絶賛上映中】 - YouTube

多分子供達がザリガニ釣りをしていたのはこの辺りだったかな。古墳のお堀のようになっていた部分の大部分が干上がっているこの古墳だけど、一部が湿地のように残っている。

この道は古墳南東部で、住宅地の中に古墳が自然に佇んでいる感じが良い。



出典:映画『キリエのうた』 徹底ガイド 風美編【絶賛上映中】 - YouTube

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「アリスとテレスのまぼろし工場」聖地巡礼(3):埼玉県編「上坐利山」「24オートレストランミフセ」

さて、アリスとテレスのまぼろし工場の聖地巡礼記事、今まで茨城県編(おまけに神奈川県)と岩手県編を書いてきたが、次はいよいよ岡田麿里監督といえば秩父、の秩父を含む埼玉県編だ。今までの記事はこちら。

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あと、聖地巡礼には直接関係しないけど、映画の内容に関して書いた記事はこちら。

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埼玉県では、おそらくモデルになったであろうという場所に関して、見伏の鉱山「上坐利山」のモデルである秩父の武甲山と、あの超長いキスシーンの舞台である「24オートレストランミフセ」のモデルとなったと思われる、行田の「鉄剣タロー」(現在はすでに閉店している)が知られている。これらに先日訪問してきた。

  • 秩父市
    • 武甲山:上坐利山
  • 行田市
    • 24オートレストランミフセ:鉄剣タロー跡
  • 続く

秩父市

まずはやはり秩父市だ。

武甲山:上坐利山

見伏の背後にある鉄鉱山「上坐利山」は、秩父の武甲山がモデルだ(ちなみに武甲山は鉄ではなく石灰の鉱山)。まあこの辺りには岡田麿里監督の並々ならぬこだわりがあるものと思われる。

実際はこの工場から見たアングルと近い視点が取れる場所というと、結構登らないと撮れない気がするし、そもそもそんな場所が実際にあるのかはわからないのだが。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

とりあえず、景色が開けていてアクセスしやすそうな羊山公園から、観望、撮影してみた(秩父の街並みからは見えるところは多いので、自分の好きなところで観望、撮影するのが良いだろう)。上のアングルとは異なるが、中学の校庭からみたアングルには結構近いかも(中学校庭はキャプチャできる画面がない…)。

実際に秩父に行ってみると、「まぼろし工場」において、外部世界との境界がトンネルだったり、何かあると山が崩れてくるのではという潜在的な恐怖感というものが存在していそうなところとかが、なんか理解できるような気がしたな。まあこの辺りは岡田麿里監督の原風景が反映されているのだろう。

ちなみに、「あの花」であまりに有名になったこの秩父橋にも(実は初めて)やってきたのだが…

ここからもしっかりと武甲山は見えているぞ。

ちなみにお土産にはやはり武甲正宗を買ってきた。まあ「正宗」は全国津々浦々で日本酒の名前になっている単語だが、あえて主人公の名前の「まさむね」が「政宗」ではなく「正宗」なのだから、やはりここは日本酒でOKだろう。

ところで岡田麿里監督と秩父の関わりについては、やはりこちらがおすすめかな…。

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「アリスとテレスのまぼろし工場」聖地巡礼(2):岩手県編「見伏駅」「製鉄所前の鉄橋」等と、高炉のモデルに関する考察

さて、残念ながら先日終映となってしまった「アリスとテレスのまぼろし工場」、結局試写会1回に通常上映12回の合計13回劇場に通ってしまった。文句なしに今年の劇場アニメで俺的ベストムービーだったわけではあるが、作品の内容についてはこちらに書き殴ったので…、

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この記事では先日岩手に聖地巡礼に行った件をまとめてみたい。この作品は、舞台に関して特別にモデルにした街はなく、写真レイアウトも使っていない、ということはスタッフからも語られてているが、それでもモデルになったと思われる風景は存在し、全国に散らばっている。前回、茨城県(とおまけに神奈川県)の風景をまとめてみた記事はこちら。

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今回は岩手県である。岩手県での舞台は岩泉町と釜石市に判明している。また、劇中の高炉のモデルが、かつて釜石に存在した高炉ではないかという説には議論があるところだ。その辺りも考察していきたい。

ということで、本記事の目次はこちら。

  • 下閉伊郡岩泉町
    • 見伏駅:旧岩泉駅舎(岩泉観光センター)
  • 釜石市
    • 製鉄所前の赤い鉄橋:第1大渡川橋梁
    • 港湾施設:釜石港
    • 見伏製鐵所の高炉:かつての新日本製鐵釜石製鐵所の高炉?
    • その他釜石の風景
  • (おまけ)鉄道の橋各種
    • 甲子川橋梁(釜石市)
    • JR釜石線のアーチ橋:めがね橋と岩根橋(遠野市)
  • 旅の感想など
  • 参考文献

下閉伊郡岩泉町

日本三大鍾乳洞の1つとされる龍泉洞のある岩泉町には、見伏駅のモデルとなった旧岩泉駅舎がある。この駅舎は龍泉洞にも非常に近いので、時間に余裕があれば龍泉洞も観光してくるのがお勧めだろう(残念ながら自分は時間がなかった…)。


見伏駅:旧岩泉駅舎(岩泉観光センター)

見伏駅のモデルとなったのはJR岩泉線の旧岩泉駅舎(岩泉観光センター)。2010年7月の土砂崩れで利用できなくなり、2014年に岩泉線ごと廃線となっているという意味でも、劇中の見伏駅を連想させられる経緯である。

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公共交通機関でのアクセスは、盛岡からバスで2時間、もしくは三陸鉄道リアス線岩泉小本駅からバスで45分といったところだが、本数も少ないので、可能であれば車でのアクセスがおすすめ(盛岡駅から1時間40分)。なお、駅舎の中に入れるのは平日のみなので、土日祝日に訪問した場合は駅舎には入れないことに注意。その辺りを考え、自分は金曜日に訪問した。

残念ながら見伏駅のイメージは現状公開されている動画などには見当たらないので、記憶に参照していただきたいのだが、実に見伏駅である。

この辺りも再現度はとても高かった。岩手から帰った後で映画館で再確認したので、いろいろとアングルを合わせられなくて申し訳ない。

この「岩泉驛」の碑も「見伏驛」になってちゃんと存在していたぞ。

駅舎内で劇中に出てくるのはこのきっぷ売り場か。肝試しの時にこの前を通ってホームに向かう。多分ここもそこそこ再現度高かったはず。

劇中の見伏駅は、駅舎と同じ高さに複数のホームがあったが、岩泉駅はホームが1つしかなく、しかも階段を登った先にあるので、ホームの部分は別の駅をモデルにしていると思われる。

とはいえ、レールの跡にホームから飛び降りて、肝試しの日の雰囲気を出すくらいは楽しんでもいいだろう。

劇中のトンネルのある方向は、おそらく別の建物の駐車場のようになっているので、こちらには入り込まなかった。

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「アリスとテレスのまぼろし工場」聖地巡礼(1):茨城県編「第5高炉横の鳥居」

さて、俺の独断と偏見で現状今年ナンバー1の劇場版アニメは、現在も上映中の「アリスとテレスのまぼろし工場」である。先日こちらに感想記事も書いた。

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こうなると、聖地巡礼もしたくなるのが自分の性なわけだが、「まぼろし工場」はスタッフのインタビューなどで明言されている通り、「この街がモデル」という明確なモデルの街があるわけではない。とはいえ全くモデルがないかというと、なんとなくベースとなった感じの街はないこともなく(釜石とか)、なおかつ舞台は全国に散らばっている、というパターンのようだ。

つまり今までこのブログで聖地巡礼をした作品でいうと、サクラダリセット(北海道編本州編)に一番近い気がする。

とはいえ現状で明らかとなっている限りで、北海道、岩手、埼玉、茨城、三重、奈良、山口、熊本、長崎(おまけのように神奈川)に散らばっており、全部巡るのはサクラダリセットの時(北海道、東京、茨城、岡山)よりもさらにハードルが高い。悩んだのだが、とりあえず行ってない場所は他の識者にお任せするとして、自分は行った場所を県別にまとめて、現地で撮った写真と現地でわかる情報を中心に書いておこうと思う。

ということで今回は、まず近場なので訪問してみた茨城県だ。

見伏製鉄所第5高炉横の鉄の鳥居:ひたちなか開運鐵道神社・弍ノ鳥居

印象的な見伏製鉄所第5高炉横の鳥居のモデルは、茨城県ひたちなか市の、ひたちなか海浜鉄道阿字ヶ浦駅横にある、ひたちなか開運鐵道神社の鳥居である。

「まぼろし工場」では、貨物列車サイズに合わせたのか、実物の鳥居のサイズよりも大きめになっているし、柱の部分がより垂直に近いフォルムにはなっているが…。



出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

鉄道のレールが素材となっていることといい、この柱の部分のレールの継ぎ目(左下)とかはほぼそっくり劇中の鳥居にも残されていることといい、たしかにこちらがモデルということでおそらく間違いはないだろう。



出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

この神社の御神体は、鳥居奥のこちらの車体「キハ222」である「キハニニニ命」となっている。かつて何十年も、この地で人を運び続けた列車そのものだ。



出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

由緒を読むと、こちらの「キハ222」は、1962年から北海道の羽幌炭鉱で運行、1971年に茨城交通那珂湊線に移って運行を始め、それから43年後の2014年まで、この地において無事故で人々を運び続けたようだ。ネタじゃなくて、普通に立派に神様として扱われても良い存在だと思う。これこそまさにリアル「神機」ではないか。

こちらの神社が開かれたのは2021年とわずか2年前。「まぼろし工場」における大事なモチーフの一つである鳥居のモデルとして、この新しい神社の鳥居を使うこととしたのは、いろいろな意味でなかなかに絶妙なセンスだと思う。好きだよそういうの。

ちなみに阿字ヶ浦駅から少し離れた那珂湊駅のホームには「拝殿」があり、こちらに「壱ノ鳥居」がある。そして阿字ヶ浦駅の鳥居はおそらく「弍ノ鳥居」であるようだ。さらにその間6.3kmのひたちなか海浜鉄道の線路は「参道」であるらしい。なんか突然、古代出雲大社のような壮大なスケールになったぞひたちなか開運鐵道神社。

那珂湊駅ではお札やお守りも授かることができる。こちらの初穂料は「キハ222」の維持などに利用されるようである。ご参拝の折にはぜひ。

ちなみに那珂湊駅近くには、先ほど触れたサクラダリセットの重要な舞台があるので、ついでにこちらも数年ぶりに訪問してみた。那珂川の河口である。いつも自分がここに来ると天気が曇ってしまうため、晴れた状態の写真が全くない。今回も曇った写真となってしまい、残念である。

先日の「まぼろし工場」の感想記事でもサクラダリセットとの共通点についても少し触れたが、イマイチ商業的には振るわなかった隠れた大傑作アニメという共通点もあるので、機会があればぜひ見ていただければと思う。

(おまけ)「全てを知りたいんだ!」ドラマのワンシーン:大黒ふ頭西緑地

おまけとして、神奈川県の舞台を一つ。冒頭に出てくるドラマのワンシーンで「全てを知りたいんだ!」と誰かが叫んでいる場所は、横浜の大黒ふ頭西緑地だ。ベイブリッジが綺麗に見える場所。

つい先日「新しいきみへ」(今の俺のイチオシ漫画だ)第2巻の聖地巡礼記事で撮ってきた写真の再掲で申し訳ない。茨城県ではないが、同じ関東地方のよしみということで、おまけとして…。

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ちなみに、次回は岩手県編。いよいよ「まぼろし工場」本体の世界へ。続く。

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(なお「アリスとテレスのまぼろし工場」に関しては、全く自分で舞台の特定をする必要がないくらい調べている方々がいらっしゃるため、感謝しながら単に巡らせていただくことにします。今回はこちらのブログ「アリスとテレスのまぼろし工場 聖地・舞台情報(2023/10/22更新) - kai881と愉快な仲間たち」を参考にさせていただきました。ありがとうございます)

そろそろ「アリスとテレスのまぼろし工場」についてちゃんと語ろう

書こう書こうと思っていながら更新をサボっている間に、俺にとっての今年の劇場アニメ暫定1位である「アリストテレスのまぼろし工場」の上映が終わってしまいそうなので、今更慌ててこの作品に思ったことなどを書きなぐってみることとした。しかし遅いよ、遅すぎる(申し訳ない…)。

今回の目次:

  • 「アリストテレスのまぼろし工場」はいいぞ
  • スワンプマンたちが閉じ込められた繰り返す世界
  • 繰り返す世界の始まりと終わり
  • 個人的萌えポイント
  • おまけ:「アリスとテレスのまぼろし工場」年表(推測)

「アリストテレスのまぼろし工場」はいいぞ

今年は実に劇場版アニメの当たり年だ。8月時点までに、劇場に複数回観に行ってしまった作品だけでも「BLUE GIANT」「グリッドマン ユニバース」「劇場版 PSYCHO-PASS PROVIDENCE」「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」「特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~」の5作品があり、これだけでも当たり年だったのだが、そこに9月になって「アリスとテレスのまぼろし工場」が加わった。まさに超大豊作だ。

というか、今年の俺の好きな劇場アニメ暫定1位は、この大豊作状態の中でも、この「まぼろし工場」だと思っているので、今回はこちらの作品について思ったことを色々と書き綴ってみよう。

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ちなみに、今まで試写会で1回、劇場の上映で7回の合計8回観ているが、正直なところ最初の1回を試写会で観た時は、まだ混乱して消化不良だった。まあ、今にして思えば、予想していったのと全然違う作品でぶん殴られた感じだったからな。でもなんか「これはもう一度絶対に観なければいけない映画だ」と思って、通常公開の初日に観にいき、そしてどっぷりとはまった。さらに劇場に通う回を重ねるごとに、どんどん好きになっていったという感じだ。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』ファイナル予告|maboroshi Final Trailer - YouTube

まあそんなスルメ映画であることもあってか、残念ながら興行成績的には振るっていないようだが、ハマる人には超ハマる映画なので、俺と趣味の合いそうな人はぜひ観たほうがいいと思う。もう今週の木曜で上映が終わるところも多いし、その他のところも来週の木曜までのところが多い。これはぜひ映画館で観たい作品だと思うし、映画館で観たいのなら、将来あるかどうかもわからない再上映に期待するのでなければ、チャンスは今しかない。

次の章からは遠慮なくネタバレも含めて書いていくので、未見の方はまずは劇場に観にいってから、この先を読んでいただきたい。

先日のアニメシ記事の方にも書いたけれども、友人とワイワイと観にいくよりも、一人で何度も観にいって欲しい映画だ。一度観て、イマイチ同調出来なかったと感じた場合でも、もし何か引っ掛かるところがあったなら、是非もう一度観ていただきたいと思う。

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ちなみに「俺と趣味が合いそうか」を判断するための参考までに、去年(2022年)のアニメに関する私的ランキングと、2018年に書いたアニメオールタイムベスト10の記事を並べて置いとくぞ。

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さて、いってみようか。

スワンプマンたちが閉じ込められた繰り返す世界

なんかX (ex-Twitter)とかで、ちょこちょこ他の人の感想とかを読んだけれども、まあ当然共感できるものもそうでないものもたくさんあったな。自分としては、その中でも一番違和感を感じたのは、睦実をネグレクト母扱いするものだった。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

少なくとも五実の母親じゃないよね睦実は…。と考えた時に、もしかして自分が「サクラダリセット」や「サマータイムレンダ」とかでスワンプマン的な概念をとりあえず別人として認識することに慣れすぎているから、その辺りのずれを感じてしまうだけなのかも、とも思ったが、まあしかしだ。

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アニメシ:「アリスとテレスのまぼろし工場」の生姜焼き・ホットサンド(おまけ:謎コラボの吉野家とぼてぢゅう)

さて、今年は個人的には劇場アニメの大豊作年なのだが、その中で暫定1位と俺が考えているのが現在上映中の「アリスとテレスのまぼろし工場」だ。まあ興行成績的には今一つ奮っていないようだが、万人にお勧めできる作品というよりは、ツボに入る人と入らない人が極端に分かれそうという作品ではあるので、仕方がないかな、と思わないでもない。

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まああまり好みの合わない友人と行くよりは、一人で複数回観にいって欲しいタイプの映画かな。俺も2回目以降にどんどんハマった感じで既に7回観てる。

そんな「アリスとテレスのまぼろし工場」から、アニメシを2品、作ってみようか。そう「生姜焼き」と「自販機風ホットサンド」だ。あとおまけで、飲食店系謎コラボの吉野家とぼてぢゅうのコラボキャンペーンのレポートもつけておきたい。

今回の目次はこちら。

  • 「生姜焼き」(生姜なし、ニンニク入り)
  • 自販機風ホットサンド
  • おまけ1:吉野家コラボ
  • おまけ2:ぼてぢゅうコラボ

「生姜焼き」(生姜なし、ニンニク入り)

まずはドラマ序盤に出てくる菊入家の「生姜焼き」だ。ただし生姜は入っておらずニンニクが入っている。とはいえ「見た目がおんなじようなら、本物と大して変わらんよ」というセリフが自分たちへの自己言及となっているという構造には、さすがに初見で気がつくのは無理だったぞ。

パンフや動画で公開されている映像には詳細な生姜焼きのイメージはなかったのだけれども、半月切りの玉ねぎは入っていたよな、という記憶を元に作ってみたのだが。…作ってからもう一度映画館で確認したらプチトマトが2個盛られていた…。まあいいか。生姜の代わりにニンニクだが、匂いを置いとけばこれはこれで結構美味しかったぞ。

まあ、そこでニンニクにしても人が「匂い」を気にしていないというところも、もしかしたら物語の重要な構造を示唆していたとも言えるかもな。

一応、映像中には制作途中のフライパンも出てきたので撮影してみた。

簡単にレシピをメモするとこんな感じ(二人前)。

  • 豚ロース生姜焼き用 250〜300g
  • ニンニク 大きめ2かけ
  • 玉ねぎ(小) 1個
  • ☆ 醤油 大さじ2
  • ☆ みりん 大さじ2
  • ☆ 料理酒 大さじ2
  • ☆ 砂糖 小さじ2
  • ☆ ごま油 小さじ 1
  • 炒め油 適量
  1. 玉ねぎは半月切りにしておく。
  2. ニンニクはすりおろしておく。
  3. ☆の材料とすりおろしたニンニクを混ぜておく。
  4. フライパンに油を敷いて玉ねぎに火が通るまで軽く焼いて取り出しておく
  5. 必要なら油を足し、肉を広げて両面軽く焼く。
  6. 玉ねぎを戻して炒め合わせる。
  7. 3.の調味料を入れて混ぜ合わせながら炒める(上のフライパンの写真はこの段階)

自販機風ホットサンド

ホットサンドの自販機、という存在はもう知らない人も多いのではないか。昭和のドライブイン的な店にあったイメージかな。この映画の舞台である(停止した)1991年には、すでにレトロな存在だった気がする。まあ、劇中のあんな感じの店に置かれていたイメージだ。

予告編にこれを食べる五実の映像があったので拡大してみると、…中身はたっぷりチーズにハムと見た。



出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』本予告 2023年9月15日(金)公開

自販機風のホットサンド、色々ググってみるとこんな感じで作れば良さげ。

  • バターとかはいらないけどマスタード推しだ(粒入り説もある)
  • アルミホイルで包んで焼く
  • プレスする

というわけで、早速作ってみたぞ!

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切り絵作家・大橋忍個展「花なく庭 蠟涙の耀」(上野・ROUTE GALLERY)

さて、上野のROUTE GALLERYで開催されている、切り絵作家・大橋忍さんの個展「花なく庭 蠟涙の耀」の初日に行ってきました。開催期間は2023年10月6日(金)〜10月9日(月・祝)です。昨年の個展は諸事情で行けなかったので、2年ぶりに個展にお邪魔します。

かれこれ(多分)10年ほどファンをさせていただいているのですが、このブログにいらっしゃることの多いであろうヲタク成分の強い方には、「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」の切り絵のリアル作者、というのが一番わかりやすい気もします。この映画を見た時の自分の興奮はこちらの記事に書いたのでまあそれは別途。

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最近は正確に反復されるパターンの作品や、それらを背景としてその前にモチーフを表現する作品が多いのですが、自分もとても気に入っています。

こちらは今回の個展タイトルの作品となる「花なく庭 蠟涙の耀」(はななくにわ、ろうるいのひかり)。

忍さんの作品によく使われるモチーフが1枚に収まっている作品なのですが、様々な作品を展示している個展のセンターとしてとても素敵な作品となってます。近寄って見ても綺麗。

反復パターン作品。いいですよね。

個人的に金魚のモチーフって大好きなんだけれども、それがこんな風に完璧な反復パターンとして作品となっていると、なんとも見入ってしまうな。

実は近日中に岩手に行こうと計画中なのですが、宮沢賢治の作品をモチーフとした切り絵が2点あって、頃合いもよくなんと!と思ってしまった。こちらは「銀河鉄道の夜」。

そして「よだかの星」。この反復される背景の中の露草などのモチーフと、よだかの羽の色の表現とかがとにかくツボで、今回こちらの原画をお迎えすることとしました。楽しみ。

というわけで、他にも連続模様の素敵な作品がいろいろあったのですが…。

一方でこのような不規則に配置された植物が長方形の枠できちっとカットされている作品とか…。

文章を表現するこうした作品(原稿用紙を背景に配置するのはとても良いアイデアですね)もあったりして、あ、こういう昨日もまた作ってくださっているのね、と思いながら、美しい作品に囲まれて、良い午後のひと時を過ごしました。

ところで乗り鉄的なご趣味もあるような忍さん、この四季島モチーフの作品を見て、なんでこれが公式じゃないんだ、とか思ってしまったのでJR東日本さんもよろしくお願いしますよ(笑)。

やっぱり個展はいいですね。

今回の写真は、すべてFUJIFILM X-T30にXF23mm F1.4Rで、絞り開放+マニュアルフォーカスで撮影しました。色んな意味で良い組み合わせです。絞りリングを回し、次にピントリングを回す。MFのフィルムカメラで撮っていた頃の感覚がそのまま使える感じで楽しい。

JR東日本の新幹線ガチャ「どこかにビューーン!」は最高すぎてマイナポイントの消化に最適だった!(ついでに攻略参考資料も作ってみた)

6,000円相当でJR東日本の新幹線往復チケットが手に入るガチャ企画「どこかにビューーン!」はとてもお得で面白いキャンペーンだよ、首都圏在住でJREポイント6000ポイント以上持ってたらぜひ参加してみよう、というお話。目次はこちら。

  • 「どこかにビューーン!」とは?
    • 駅レンタカーとのキャンペーン
  • キャンペーン対象駅のまとめ
    • 対象駅一覧
    • 始発・終電時刻に注意
      • 平日始発
      • 土曜休日始発
      • 平日終電
      • 土曜休日終電
  • 実際にこのキャンペーンで親子で山形旅行してきた
    • 申し込みと事前準備
    • 実際の山形旅行

「どこかにビューーン!」とは?

先日新潟に行った時に、ふとした拍子にJR東日本の新幹線ガチャ企画「どこかにビューーン!」を知ったのだった。

dokokani-eki-net.com

実は昨年12月からこのキャンペーンは始まっていたらしいので、もっと早く知るべきだったと後悔(こんなことならしばらく前にJREポイントカードやVIEWカードで貯まったJREポイントをSuicaにチャージするんじゃなかったぜ)。

簡単にいうとこんな感じの企画だ。

  • JREポイント6,000ポイント(6,000円相当)で東京・上野・大宮発、JR東日本圏内のランダムな新幹線駅着の、新幹線往復指定席のチケットが手に入る。
  • まず、往復の日程と時刻(5つの時間帯から選ぶ)を選択する(時刻は指定しないことも可能だが、そうすると行きは終電、帰りは始発、などとなる可能性もあるのでお勧めできない)。
  • ガチャを回すと行き先となる4つのJR東日本の新幹線駅が表示される(ガチャは1日一定回数回すことが可能)。
  • 満足のいく4つの駅の組み合わせが出てきたら、それで注文すると、3日以内に最終的な行き先駅1つと日時が決定する。
  • その旅程の指定席チケットは、新幹線eチケットとして入手できる。

4つの駅を選ぶところまでのガチャは、申し込むことなしに何度でも体験できるようになっている(結果として表示される駅の簡単な観光ガイド付き)ので、試してみると面白いだろう。サンプルはこんな感じだ。

まとまった額に対応するJREポイントがないと利用できないのは玉に瑕だが、たとえばマイナポイントのキャッシュレスサービスにJREポイントを選択した場合(SuicaへのチャージはJREポイントを経由する)は最大27,000ポイントが入っているはずだ。4往復使ってまだ余る。マイナポイントがなくても、たとえばVIEWカードを持っていたりすると結構JREポイントは貯まるので、一度残ポイント数のチェックをしてみると良いだろう。

さらにこのキャンペーンがすごいところは、土日であろうが連休であろうが取れるし、普通に新青森や秋田までのチケットも取れる場合があることだ(実際ネットを検索すると取れている人がいる)。6,000円で東京・新青森往復は安いよ!

ただし、子供だからと言って半分の3,000ポイントになるわけではなく6,000ポイントのままなので、子連れの場合のお得度は下がるのだが、それでも数駅の例外を除いて通常料金よりお得であり、遠方の駅が当たると、子ども通常料金と比較しても半額以下となる。

駅レンタカーとのキャンペーン

さらにJR系列の駅レンタカーを併用する場合は、「どこかにビューーン!」キャンペーンプランがあって、それは以下の通りだ。かなりお得度が高い。

  • 「どこかにビューーン」利用ポイント数からJREポイントに10%還元(つまり実質5,400ポイントとなる?)
  • 駅レンタカー料金が10%引き(免責保証・NOCチャージ込み)
  • 駅レンタカー利用分のJREポイントが10倍付与

www.jrerl.co.jp

ただし、新幹線駅と駅レンタカーの営業所には一定の紐付けがあるので、それを満たす形の利用をする必要がある。さらに数駅、駅レンタカーが利用できない(もしくは利用が困難な)新幹線駅があるため、レンタカーを利用する際は、最初の4駅を選ぶガチャの際に、それらの特定駅を避けることが望ましい。

注意: なお、キャンペーンでレンタカーを利用する際は、予約メールにも書かれている以下の手続きをきちんと実行しないと基本料金10%引き以外の特典はつかないようだ(実は今回これを見逃していたので多分つかない…)。キャンペーンによる割引率がでかいので、次回からは気をつけよう。

(2023年11月30日追記)上のように思っていたのだけれども、2ヶ月後無事に1200ポイント(2人分)戻ってきた。少なくとも大丈夫な場合もあるらしい。それにしてもポイント還元まで時間がかかるんだな。そういえばレンタカーでのJREポイント10倍付与は1ヶ月後くらいにきていたな。いつもより10倍くらいの付与率だった。

キャンペーンや割引商品にてご予約のお客さまにつきましては、ご利用条件に合致するきっぷ・きっぷ購入画面・カード・会員証等のご提示が必要となります。いずれのご提示もない場合は、基本料金10%引の料金となりますので、予めご了承ください。

「えきねっと+駅レンタカープラン」利用時にご提示いただく列車の申込履歴詳細ページの表示方法について:https://www.jrerl.co.jp/eki-net/kakunin

(駅レンタカーの予約メールより抜粋)

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