xckb的雑記帳

15年ほどWeb日記をつけ続けていたのですが2012年で一旦休止、1年半ほど休んで新天地でぼちぼちのんびりまた始めてみることにしました。

俺も「オールタイム・ベスト・アニメーション」を挙げてみよう:90年代00年代抜きで

映画秘宝の別冊「アニメ秘宝発進準備号 オールタイム・ベスト・アニメーション」をパラパラと読み始めているんだけれども、みんな色んな作品を挙げていて面白いな。先日とある映画雑誌が、年間ベスト10の候補からアニメを外す決定をしたことが話題になり、そのきっかけで出たっぽい本だけれども、あえて全体の集計を放棄して、各方面のライターたちに、それぞれの俺ルールに基づいた「自分のベスト10」を、好き放題書いてもらっている感じが実にいい。

というわけで、これを読んでいたら、やはり自分のオールタイムベストの10作品を挙げてみたくなったので、早速やってみた。公平である必要も、公正である必要もないからな…。ちなみに、同じ監督のものをずらずら並べても今ひとつバラエティに欠ける感じがするので、原則同じ監督の作品は1つに限ることにし、必要なら適宜そこで他作品に言及することとした(という事で、これが今回の俺ルール)。

ちなみに、自分は1987年から2010年までの長きにわたってアニメからはずっと距離を持っていたので、その頃の作品については「エヴァ」などの一部の超大ヒット作を除きまったく見ていない。また、後年「一般教養」的にキャッチアップして見た作品も多数あるが、結局ランキングには入れなかった。同時代的な思い入れ補正ってのは、私的なランキングではとても重要だと思うので、まあ仕方がないな。

そういう意味では、90年代と00年代の作品が全く入ってないという、少し珍しいオールタイムベストの選出になったかも知れない。

とりあえず、個人が見た範囲のアニメの中から独断と偏見で決めたベスト10なので、異論は受け付けないし、アレが入っていないのはなぜか、コレが入ってないからやり直し、とか言われても、俺は見ていないのかもしれないし単に合わなかったのかもしれない。そもそも異論があるならば自分のベスト10を書いてみたらどうだろう。その方が話が広がるので、読んでずっと楽しい。

というわけで、毎回年末にやっている私的ランキング同様、ケチらずに1位から順番に並べてみることにしよう。

1. うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

(劇場作品・押井守 監督・1984年)

俺が間違いなく人生の中で一番繰り返し見た作品。この映画は、緻密に計算されたメタファとその背後の作家性あふれるストーリーが「今まで見たことのないタイプの映像作品」を作り出したと言えるだろう。「うる星やつら」シリーズ中ではダントツの異色作である。

先程、映画誌によるアニメのランキングの話を出したが、1984年のキネマ旬報ベストでは、アニメーション映画「風の谷のナウシカ」が、読者選出の邦画ランキングで1位を取った(アニメ枠などない同誌のベストでこれは多分初の快挙であり、評論家ランキングでも邦画7位となった)記念すべき年である。

しかしその事実よりも、このどう見てもオタク向けのわけわからんアニメ「うる星やつら2」が、読者選出とは言え7位を取ったことの方が、いかにも一般層ウケも狙った超大作であった「ナウシカ」が読者投票1位を取った事よりも、当時の俺としては「すげえ」と思った(ちなみに評論家選出でも17位と健闘した)。

まあそういう意味では、相米慎二監督の実写作品と二本立ての公開にしたのは正解だったのかも知れないな。あ、今の人は二本立てとかいう言葉ももう知らないか…。

そもそも、TV版「うる星やつら」は、いわゆる「萌えアニメ」的なスタイルの基礎を拓いた最初期の作品の一つとなったいう点や、押井守に好き放題させたことでその後の多くの傑作の基礎を築いた点などなど、現在のアニメに与えた影響は凄まじく大きい。それが一つの映画として結集した作品と言えるのがこの劇場版「うる星やつら2」であると思う。

前にも紹介したが、押井守

  • 原作者サイドなどに横槍を入れられないように、締め切り直前で脚本家をクビにし、自分でコンテと脚本を同時進行で内密に進めた上で、もう公開に間に合わないから仕方がないという状態まで持っていく
  • 劇中に監督を模したキャラを出した上で、そのキャラが好き放題に世界を作る夢を阻む「©マークを首輪と尻に付けた豚」として原作者サイドをメタファーするという神をも恐れぬ所業を行う

などと、もうありとあらゆる悪行のかぎりを尽くしてこの作品を作り上げており(参考資料:日本アニメーション特集 月刊ニュータイプ Selections Animation Odyssey 2003 ~検証! 監督たちの劇場デビュー作~@野良犬の塒)、そのために原作者との確執の噂が近年に至っても時々蒸し返される原因となっている(具体的にはBlu-rayが一旦発売中止になった件などで。ただし、後日無事発売された)。

テン「この間、へんなおっちゃんにもろたんやー」
ラム「テンちゃん!」

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(出典:「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」)

SHIROBAKO」で、瀬川さんがアニメ界に入ったきっかけの作品としてこれっぽい作品名を挙げていたが、仮に「SHIROBAKO」世界にこんな監督がいたら、さすがの宮森も心身の健康を保てるのかどうか心配になるわ。

そんな酷い経緯から生まれたこの作品は、それでも押井守のその後の傑作たちの原点と言っていいだろう。文句無しの傑作。それゆえの1位だ。

2. ルパン三世 カリオストロの城

(劇場作品・宮崎駿 監督・1979年)

これは流石にリアルタイムで観てない。でも宮崎駿で何を選ぶか考えた時、結局これになった。これも果てしなく繰り返し観た作品。

純然としたエンタテインメント作品としての出来はもちろん素晴らしいのだが、その後も宮崎駿が多用することになる神話的なアーキタイプが、小林七郎の美しい美術で描かれていることで、ストーリーに深みを与えている(小林七郎の美術を神話的モチーフに適用して成功している点では、1位に挙げた「うる星やつら2」も同様だ)。

塔に囚われた姫君、地下洞穴の墓場、死と再生、水の底の古い記憶…、ちょっと思い出すだけでも神話的アーキタイプが満載である。この映画の少し前に第1作が公開された「スターウォーズ」シリーズとかもそうだけれども、やっぱ人間、そういう普遍的なモチーフが大好きなんだよ。

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(出典:「ルパン三世 カリオストロの城」)

うちの5歳児がもう、「トトロ」のセリフを全て諳んじるほど食い入るように繰り返し見てるけど、その様子を見ながら、宮崎駿はやっぱそういうアーキタイプの使い方がとても上手いんだよな、と思う。

というわけで、宮崎駿の作品の魅力の原点が詰まってると思う、この素晴らしいエンタテインメント作品を2位としようと思う。

3. 魔法少女まどか☆マギカ

TVシリーズ新房昭之 監督・2011年)

長らくアニメを見ていなかった俺を再びアニメの世界に引きずり込んだきっかけとなった作品の一つがこれだ。まあこの作品に今更解説は不要と思うけど、魔法少女の皮を被ったタイムリープSF+ダークファンタジー

このランキングでは初めての割と最近の作品だが、最近の作品らしい1クールという短い枠をみっちりと巧みに使って、完璧な展開を見せてくれた。一見魔法少女テンプレートに沿った作品に見せかけつつ、そこかしこに不穏な要素を散りばめた序盤2話、そして衝撃の3話。この先どうなるんだ…というハラハラドキドキ感に満ちた中盤、そしてラスト3話の凄まじい盛り上がり。まさに完璧だった。

暁美ほむら「今度こそ理解できたわね、あなたが憧れていたものの正体を」

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(出典:「魔法少女まどか☆マギカ」第9話「そんなの、あたしが許さない」)

ということで、俺をアニメの世界に再び呼び戻してくれた作品としての感謝も込めての3位だ。

ところで、本当に続編まだやる気なのかな? そういえば、劇場版「叛逆の物語」ではここで1位に挙げた「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」へのオマージュが実にいい味を出していたのが個人的にはかなり嬉しかった。

4. 四月は君の嘘

TVシリーズイシグロキョウヘイ 監督・2014〜2015年)

音楽を巡る中学生の少年少女たちの、果てしなく美しいストーリー。これが初監督作品だったイシグロキョウヘイ監督の情熱が最初から最後まで溢れている作品。登場人物たちがピアノとヴァイオリンで語り合っていると言っていい作品だが、それを支える音楽表現も本当に素晴らしい。「響け!ユーフォニアム」と並んで語り継がれるべきアニメの音楽表現だろう。

あまりに王道のストーリーではあるのだが、そこで奇をてらわず、臆面もなく王道であリ続けたところが本当に素晴らしい。特に終盤は毎回涙なしには見られないし、音楽に乗せて語られる主人公の2人のみずみずしい感情表現が感動を残す。そして最終回まで一旦見てからもう一度第1話から見直すと、全く別のストーリーが見えてくる構成。最高だ。

そしてライバルキャラクターたちの熱さは実にスポ根的でもあるし、彼らとの対決を、音楽表現から逃げずにがっつり時間をかけて描くのも素晴らしい。第8話なんて、何度繰り返し見たことか。

原作付き作品ではあるが、いかにして良い原作を魅力的な映像にするか、ということに情熱を注力した感が強く、また原作漫画とほぼ同時にTV放送でも最終話を迎えるというマジックまで見せてくれた。監督、プロデューサー、原作者サイドがそれぞれの仕事を見事に行い、優秀なスタッフ・キャストを使いこなして完璧な映像化をした作品。

特に第19話から最終話の第22話まではもう、何も言うことはない。何度見ても感情を激しく揺さぶられる大傑作だ。

宮園かをり「私を、一人にしないで!」

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(出典:「四月は君の嘘」第21話「雪」)

この作品に関しては何度か過去に書いているので、詳しくはこのあたりから参照していただきたい。今でも毎年桜の季節になると、練馬に聖地巡礼に行きたくなる作品。

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ただし、実写版はなかったことにしていい…。

5. 宇宙よりも遠い場所

TVシリーズ・いしづかあつこ 監督・2018年)

非常に記憶に新しい作品をこういうランキングに入れるときには、慎重にしなければならないと思う。ということで、これでも少し控えめな順位にしたつもりなのだ。それ故に、もしかすると本当はもっと上位に入れてもいい作品かもしれないと思っている。

まあアニメ秘宝の方では、ぬまがさワタリさんがこの作品を1位に入れていて、流石と思ったのではあるけれども、まあそれはそれということで。

端的に言えば「女子高生が南極観測隊について南極に行き、帰ってくる」という割と荒唐無稽なストーリーなのだけれども、この無茶なネタを原作なしのオリジナル作品として、こうまで的確に膨らませて完璧な作品に仕上げたスタッフは本当に凄いと思う。

この作品はもう、全13話すべて神回と言うか、毎回最終回というべきか、実にそういう点で無茶苦茶な作品であって、その中でも5話、11話、12話は特に素晴らしい。特に12話は、真面目にアニメ史に残すべき傑作だと思っている。

一見よくある女子高生わちゃわちゃモノに見えるが、その実恋愛要素ほぼゼロの熱い友情物語。俺は正直、本放送時、毎回感動して泣いていた。というか何度繰り返して見ても、その度に涙腺を刺激されるのが凄い。

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(出典:「宇宙よりも遠い場所」第1話「青春しゃくまんえん」)

まあ、色々と細かい感想は以前こちらの記事にがっつり書いたので、詳しくはそちらを参照していただいたほうがいいかと思うけれども、1クールという短さを最大限に活かした構成力、毎回涙を誘う脚本・演出・劇伴・挿入歌、キャストの好演など、どこを取っても素晴らしかった。

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そんなわけだけれども、前述の理由でとりあえず5位に置いた。もしかしたら1年後、あるいは2年後、もう少し高く評価しているかも知れない。というか、そうあって欲しいと思っている。

6. 新世界より

TVシリーズ石浜真史 監督・2012〜2013年)

小説が原作で、もともとその原作が大好きだった作品。そんな作品だと映像化には一言文句を言いたくなりそうなものだが、この作品に関してはそんな文句は全くない(コミカライズには不満タラタラだけどな)。

超能力が発見されたことで崩壊した現代文明の後、血で血を洗うような歴史の後に生まれた美しい世界、1000年後の日本。それが小さなきっかけから再び崩壊の危機に直面する…、というSF作品。

まあ、キャラデザがもう少しオタク受けするデザインだったらもっと売れただろうにとは思うが、この陰影を意図的に排除した平面的なキャラクターデザインは実に面白く、世界観に合っていると思う。味わい深い。また、各話であえて絵柄の調整をせずにそれぞれの作画監督に絵柄を任せたのも意図的だと思うのだが、これも「作画崩壊」だのと散々言われたのが残念でならない。

瞬「早紀、ずっと好きだった。さようなら」

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(出典:「新世界より」第10話「闇よりも」)

そしてなんといっても、「偽りの神に抗え」というアニメ版のキャッチコピーが素晴らしかった。小説版が出た時の、妙な政治性を持ったようにも読めるキャッチコピーよりもずっと、作品を理解していると思う。最終回まで見ればこの言葉の、血の滲むような悲しい本当の意味がわかる。

なぜか海外受けは悪くなかったようで、外国人によるアニメランキングの類の記事で、今でも時々顔をだすのがちょっと嬉しい。国内でももっと再評価されてほしいと思う。

多分、石浜真史さんの初監督作品。こんなに素晴らしい作品を作ったのに、残念ながら全くヒットしなかったためか、それ以降監督やってないのね…、と思ったら今期「Persona5 the Animation」の監督をやってるのか。見てみたいんだが、ペルソナシリーズには今まで全く縁がないので二の足を踏んでしまう。

この「新世界より」や「僕だけがいない街」などのEDの、実に石浜真史なスタイル、とても好きなんだけどな。

あと、「新世界より」のEDと言えば、歌っていたのはこれが主演デビュー作でもあった種田梨沙。まだ本当にまっさらの新人だったはずだが、とても印象に残る演技を見せてくれた。この2年後に「四月は君の嘘」の宮園かをりを演じることになるのだな。

また、OPがインストルメンタルなのも実に良かったし、それを含めた小森茂生の劇伴も素晴らしかったな(円盤一巻と四巻の特典として、サントラが付属していた)。

「新世界より」 一 [Blu-ray]

「新世界より」 一 [Blu-ray]

残念ながら円盤は全く売れなかったのでBoxもなく、放送当時の円盤も既に入手困難な巻がある。dアニメストアでは定額配信対象に入っているようだ。

(とりあえず原作の貴志祐介先生は、前日譚「新世界ゼロ年」を仕上げてください。何年も何年も待ちくたびれております)

7. 魔法のスター・マジカルエミ

TVシリーズ安濃高志 監督・1985〜1986年)

今でも有名な「魔法の天使 クリィミーマミ」に始まるぴえろ魔法少女シリーズの第3作だが、全く有名ではない「マジカルエミ」。派手な出来事はほとんど起きず、毎回割と淡々とストーリーを紡いでいくことが多い、当時としては実に不思議な魔法少女アニメだった。

というより、主人公が魔法を使えることがストーリーに直接関係ないエピソードが非常に多いんだよね。バンクの変身シーンの後に、変身後の主人公が少し仕事するカットが1、2カット入って後は元のストーリーに戻るルーチンワーク的な。

とは言ってもシリーズ全体としてその設定が意味がないという事ではなく、むしろ最終回に至る道筋で「魔法」がそこまでぞんざいな扱いを受けるようになること自体がテーマの一つになっているとも言える。

この作品では魔法少女モノの終盤によくあるパターンのように、魔法の世界に戻らなくてはいけなくなったり、何らかの有効期限やエネルギーが切れたり、事故が起こったりして魔法少女という存在が消えるのではない。この物語の主人公は、魔法を自ら返却するのだ。

一般的に、この「マジカルエミ」のように大人に変身するタイプの魔法少女の物語が象徴するのは、少女の大人への憧れと自分の夢のシミュレーションだ。これは最終回のセリフでも明確に語られている。

香月舞「トポ、マジカルエミって何?」
トポ「俺は鏡の妖精だからな、舞の夢を映し出すんだ。だからマジカルエミってのは…舞の夢だな」

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(出典:「魔法のスター・マジカルエミ」第38話「さよなら夢色マジシャン」

他愛もないストーリーの繰り返しの中で、何度も自分の夢が魔法で叶えられる主人公の少女は、自分の周りにいる、夢に向かって努力する年上の男の子や、大人になった自分が関わる仲間たちの姿を見て、いかにその「魔法による夢の実現」が安易でつまらないものであったのか気がつく。そして些細なことから、自分で努力して一歩一歩夢に近づくことの素晴らしさを体験していくことで、悩んだ末に魔法を返すのだ。

この「魔法で夢が叶う世界」を封印して新しい世界に向かっていくシーンの演出が本当に素晴らしい。

そして、そのTVシリーズを踏まえた上で、OVAとして「蝉時雨」という、本当に何も起こらない、ただの夏の日の回想を描いた美しいサイドストーリー作品を出してきたことも特筆できるだろう。しかも魔法少女モノのスタイルを借りながら、純粋な日常を描いた作品を、OVAという安くもない単体の「商品」として出してきたことは、当時としては画期的だった。

まあ、ところどころに、ラストに向かっていく「気配」が見られるところがまた実に良いのだが、やはり何も起こらない。この作品も2011年に出たDVD BOXに収録されている。最近はこういう懐かしい知る人ぞ知る作品も、きちんとDVDなりBlu-ray化されて嬉しいな。

8. STEINS;GATE

TVシリーズ佐藤卓哉浜崎博嗣小林智樹 監督・2011年)

先述の「魔法少女まどか☆マギカ」と共に、俺を長いアニメ空白期間から引き戻してくれた作品。あえて言えば、「まどか」が引っ張り込み、この作品が捕まえて離さなくしたと言ってもいい。

アキバに根城を持つ大学生が、偶然発見してしまった謎の現象から、機能は限定的されるが、タイムマシンを開発してしまうことから始まるタイムリープSF作品。

随所で科学考証は無茶苦茶なのだが、そもそも現代のアキバの街角からタイムマシンが出てくるにはそのくらいの無理が必要だろう。その上で確保された一定のリアリティと、それに乗ったストーリーの勢いで、特に中盤以降は片時も目を離せない傑作になっている。

まあ、あえて文句を言うならば、原作ゲームの方がずっと面白い事と、ミスターブラウンの例のエピソードが改変された事くらいかな。やっぱあの「萎えちゃん」エピソードは、一般向けアニメとしてはエグすぎたのだろうか。

ちなみに、以前もどこかで書いたが俺は助手派である。

岡部倫太郎「β世界線に戻るということは、あのDメールを消せば、お前が死ぬ」

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(出典:「STEINS;GATE」第21話「因果律のメルト」)

今、ちょうどTVシリーズで正統続編の「シュタインズ・ゲート・ゼロ」をやってるがあれも面白いな。適当にゲームの記憶が薄れたころにやってくれた点もちょうど良い。

ゲーム版ゼロにはネガティブな意見が結構あるみたいだけど俺は結構好きだったよ。前作がゲームも含めて傑作過ぎたために、ハードルが上がり過ぎだったんじゃないかな。アニメ版ゼロはかなり好評のようでなにより。

9. 響け!ユーフォニアム

TVシリーズ石原立也監督・2015年)

なんか花田十輝関連作品が3作目となり(「宇宙よりも遠い場所」「STEINS;GATE」とこの作品)、俺ルールが別の意味で破綻しそうだけれども、まあ脚本やシリーズ構成であり監督ではない、という事でご勘弁を。

2015年は先述の「四月は君の嘘」の後半で始まった年で、もう音楽アニメはしばらく十分と思っていたら、その年のうちにまた物凄い音楽アニメ作品がもう一つやってきた感が。

最初は、「またとんでもない作画クオリティの音楽アニメがやってきたな、流石の京アニ」程度の印象だったのだけれども、そんなところにいきなり殴りかかってきたのが第8話「おまつりトライアングル」だ。なんだこの得体の知れないパワーは。

高坂麗奈「私、特別になりたいの。他のやつらと同じになりたくない」

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(出典:「響け!ユーフォニアム」第8話「おまつりトライアングル」)

1エピソード単独の衝撃という意味では、自分の中でオールタイムベストの頂点近くに位置するだろう。お祭りの日に近所の山に2人で登って楽器を演奏するだけのストーリーだけれども。

そんな第8話を見てしまった後は凄まじい勢いで、最終回まで一気に持っていかれた感があったな。

まあブラック部活といえばブラック部活の物語なわけではあるけれども、そういう点を含めての人間関係のドラマだったりするわけで…。俺はこの第1期で皆様のヘイトを集めていたデカリボン先輩とかも大好きだよ。さすがは2期でデカリボン株が暴騰するだけのことはある。

そういえば、「宇宙よりも遠い場所」の日向のサイドストーリーは、この「ユーフォ」終盤のストーリーを悪い方に振りまくって、その中での別の決着を模索したのかな、花田先生、とか思ってしまうよな。

それにしてもこのアニメの音楽表現は凄いよな。何といっても吹奏楽部だから楽器の数と種類が並大抵ないし、金管楽器はさらに線が多すぎるわけだけれども、それをTVアニメでここまで動かしきって、なおかつ音もしっかり入れてくるとは。

あと、やはり主人公の黄前久美子役の黒沢ともよ(実はこの作品で知った)の、あまりにナチュラル感溢れる演技が最高に良い(最近だと「宝石の国」のフォスフォフィライト役も素晴らしかったな)。

まだ忙しくて「リズと青い鳥」を観ていないという事態はなんとかしたい。

10. ポールのミラクル大作戦

TVシリーズ笹川ひろし総監督・1976〜1977年)

この作品をベスト10に入れるべきか悩んだのではあるが、やはりこれを入れずに俺のランキングは終われない、という結論となった。作品としての出来はあまり関係ない(ただ、今見てもいい作品だとは思うぞ)。この作品は、俺が子供の頃にボロ泣きしたことを明確に覚えている、最初のアニメなのだ。

まだ、ビデオデッキなどの録画機器が家庭に降りてくる前、テレビアニメとの出会いが一期一会だった時代、夕方の放送時にテレビにかぶりついて見ていた。今あらためてDVDで見ても、全体のストーリーやキャラクター、声優の声や主題歌にとどまらず、劇伴まで結構覚えていたりする。

ベルトサタン「女の子はよこせー!」

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出典:「ポールのミラクル大作戦」第1話「よみがえったベルトサタン」

自分にとって、このランキングで9位までに挙げたような「ドラマ」としてのアニメの原体験だったのかもしれないし、もしかしたら人格形成の一部になっているのかもしれない。そういう、人生において出会うべき時に最初に出会ったアニメとして、このランキングのシメである10位にこの作品を入れたいと思う。ありがとう。

惜しくも選外の作品について

新世紀エヴァンゲリオン

TVシリーズ庵野秀明 監督・1995〜1996年)

俺がほとんどアニメを見てなかった期間の作品であるが故に、エヴァへの直接の思い入れは薄いんだよね。でも、実は少し遅れて見てた。俺より少し上のあの世代のオタクたちの衒学趣味をチラつかせつつ、14歳の少年を媒介にして精神世界の具現化的なドラマが展開される様は実に見事だった。

そして、広げた風呂敷の柄が見事で、散らかり方も美しければ、別に畳まなくてもいい、という事を示した作品としても貴重だったと言えるだろう。で、次の劇場版どう〆るのかね。

SHIROBAKO

TVシリーズ水島努 監督・2014〜2015年)

最初、とにかく色々と抵抗があって見るのをやめていた作品。

正直、あの現場で作ってるアニメがきつかったんだよね。まあ、あれは「こんなクソアニメに見える作品でも、その裏には様々な人間模様があるんだよ」という表現と考えられるようになるまでが大変だった。なのでコテコテの萌えアニメに耐性ない人にこの作品を勧める時は、少し気を付けた方がいい。

結局「見るの苦痛なんだけれども何話まで見れば判断できる?」とtwitterで訊いたら「12話まで」と言われたので我慢して見始めたら、おっさん世代としては第6話の「イデポン宮森」で全部持ってかれたのでまあ良かった。

笑いあり涙ありブラック労働ありの、やたらと登場人物の多い大群像劇。こんな事言ってるけど大好きだよ。

さよならの朝に約束の花をかざろう

(劇場作品・岡田麿里 監督・2018年)

これも「よりもい」同様、最近過ぎて評価に迷った作品。まあ、まだ円盤も出ていないし、なかなか忙しいので劇場も2度しか行ってないため、ある程度評価を保留してる感があるんだけど、事実として言うならば、これほど映画を観ながら劇場で始終ボロ泣きしてしまった経験は他にない。

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だが、たとえは仮に10年前にこれを観ていて今ほどハマったかどうかと言えば、それは未知数だ。まあ「ポールのミラクル大作戦」のところでも書いたように、これも人生の節目節目での出会いというものかも知れない。もう一度劇場で観たいけれども難しいかな。

サクラダリセット

TVシリーズ川面真也監督・2017年)

これも色々と評価に困る作品。序盤で大抵の視聴者を振り落としてしまったというのは、商業作品としては何らかの致命的な欠陥があるということを示唆しているのだが、自分が見返した回数としてはかなり上位に入る。しかも2クールものだ。無茶苦茶面白い。気分次第ではベストテンに入れてしまう作品だろう。

まあ、昨年の作品でこれも新しすぎるので悩んだ点もある。この辺りを読んで気になるならオススメだ。

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そしてサブヒロインを演じた悠木碧の凄さを認識させてくれた作品でもある。10話ラストのセリフはベストオブベスト悠木碧と言っても良いだろう。まったく、なんで円盤売上初動が200枚台なんて数字になったのか、理解はできるがまったく納得できない。

その他

ガンダムシリーズは入れるべきなのかもしれないけれども、正直そこまで俺の中でガンダムの占める位置は大きくないのだと自問自答する。