xckb的雑記帳

身の回りにあったことを雑多に語ります。

そろそろ「アリスとテレスのまぼろし工場」についてちゃんと語ろう

書こう書こうと思っていながら更新をサボっている間に、俺にとっての今年の劇場アニメ暫定1位である「アリストテレスのまぼろし工場」の上映が終わってしまいそうなので、今更慌ててこの作品に思ったことなどを書きなぐってみることとした。しかし遅いよ、遅すぎる(申し訳ない…)。

今回の目次:

「アリストテレスのまぼろし工場」はいいぞ

今年は実に劇場版アニメの当たり年だ。8月時点までに、劇場に複数回観に行ってしまった作品だけでも「BLUE GIANT」「グリッドマン ユニバース」「劇場版 PSYCHO-PASS PROVIDENCE」「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」「特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~」の5作品があり、これだけでも当たり年だったのだが、そこに9月になって「アリスとテレスのまぼろし工場」が加わった。まさに超大豊作だ。

というか、今年の俺の好きな劇場アニメ暫定1位は、この大豊作状態の中でも、この「まぼろし工場」だと思っているので、今回はこちらの作品について思ったことを色々と書き綴ってみよう。

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ちなみに、今まで試写会で1回、劇場の上映で7回の合計8回観ているが、正直なところ最初の1回を試写会で観た時は、まだ混乱して消化不良だった。まあ、今にして思えば、予想していったのと全然違う作品でぶん殴られた感じだったからな。でもなんか「これはもう一度絶対に観なければいけない映画だ」と思って、通常公開の初日に観にいき、そしてどっぷりとはまった。さらに劇場に通う回を重ねるごとに、どんどん好きになっていったという感じだ。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』ファイナル予告|maboroshi Final Trailer - YouTube

まあそんなスルメ映画であることもあってか、残念ながら興行成績的には振るっていないようだが、ハマる人には超ハマる映画なので、俺と趣味の合いそうな人はぜひ観たほうがいいと思う。もう今週の木曜で上映が終わるところも多いし、その他のところも来週の木曜までのところが多い。これはぜひ映画館で観たい作品だと思うし、映画館で観たいのなら、将来あるかどうかもわからない再上映に期待するのでなければ、チャンスは今しかない。

次の章からは遠慮なくネタバレも含めて書いていくので、未見の方はまずは劇場に観にいってから、この先を読んでいただきたい。

先日のアニメシ記事の方にも書いたけれども、友人とワイワイと観にいくよりも、一人で何度も観にいって欲しい映画だ。一度観て、イマイチ同調出来なかったと感じた場合でも、もし何か引っ掛かるところがあったなら、是非もう一度観ていただきたいと思う。

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ちなみに「俺と趣味が合いそうか」を判断するための参考までに、去年(2022年)のアニメに関する私的ランキングと、2018年に書いたアニメオールタイムベスト10の記事を並べて置いとくぞ。

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さて、いってみようか。

スワンプマンたちが閉じ込められた繰り返す世界

なんかX (ex-Twitter)とかで、ちょこちょこ他の人の感想とかを読んだけれども、まあ当然共感できるものもそうでないものもたくさんあったな。自分としては、その中でも一番違和感を感じたのは、睦実をネグレクト母扱いするものだった。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

少なくとも五実の母親じゃないよね睦実は…。と考えた時に、もしかして自分が「サクラダリセット」や「サマータイムレンダ」とかでスワンプマン的な概念をとりあえず別人として認識することに慣れすぎているから、その辺りのずれを感じてしまうだけなのかも、とも思ったが、まあしかしだ。


(「沼男」はスワンプマンの直訳)
出典:「サマータイムレンダ」第2話


ある人間が沼の隣で雷に打たれて突然死んで、そして沼の中から現れたオリジナルと区別のつかない別の人間という、本来の意味のスワンプマンが現れたのであったとしても、それがもし実在して自分が生まれてきた経緯の事実を知ったら、自己同一性の認識に関しては、おそらく危うい存在となると思うのだ(この辺りをストーリーの中心として描いた名作はやはり「サクラダリセット」だろう)。


春崎美空「能力でそっくりに作られたクラカワマリは、本物と同じ存在ではないために、母親は悩み、苦しみました」

相麻菫「そうね…。あなたはどちらであってほしい? ……あなたが選んだほうが、きっと正解よ」
出典:「サクラダリセット」第10話

しかしさらに「まぼろし工場」では、沼の中から現れたスワンプマンの少女は成長も変化も止められて(おそらく)15年近くが経過し、その間にオリジナルの少女は普通に生きて成長して恋をして結婚して出産までしている、その全く異なる2つの人生が流れた後で、スワンプマンの少女はオリジナルの女が産んだ娘と出会ってしまい、なおかつ他者からその娘の世話をすることを強いられるのだ。実にグロテスクである。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

睦美だって世界にずっと閉じ込められている。園部と「逃げたい気持ちを誤魔化すための遊び」をしたりしてなんとか心を保っているが、その中で本来自分のものであったはずの奪われた人生を送った「別の女」の娘を、閉じ込めて世話することを強制されるわけだ。しかもおそらく、自分が心を動かすと自分が終わる、娘の心を動かすとこの世界が終わる、と脅された上で。

俺はこの状況で睦実を単純にネグレクト母とか、とてもじゃないが言えないよ。それではあまりに睦美が可哀想だ。睦実は五実のことに関して露悪的なことも言うけれども、基本は大嘘つきの狼少女なんだよ。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』 本予告|maboroshi Main Trailer - YouTube

正宗があっさり五実を自分の娘だと認識するが、睦美はそうではないように見える、というのはやはり、出産に関する直接的な身体性の有無の差異というのを描こうとしてるのかも知れないが、それでも、睦美は五実のことを、感情から娘と感じていたし、それゆえにそれを論理で否定しようと意識していたのだ、と考えることもできると思う。

この物語の序盤で、睦美がおそらく何かの変化を期待して、「父親」である正宗を五実に会わせたことで、止まっていた時間が動き出す。その結果として五実は正宗に恋してしまうが、一方で睦実と正宗は本来あるはずだった人生を少し、取り戻すことになるのだ。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

最終的に、睦実と正宗が導く形で、真っ暗なトンネルを抜けて「生まれたばかりの赤ちゃんのような声」を上げて、新しい世界に五実が出ていくという、「出産のメタファー」というにはあまりに直接的な表現で、やっと睦実と正宗が五実の「両親」となったということも示唆されているのだと思う。そしてその過程の最後に直接五実を送り出すのは、睦実一人なのだ。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

睦実は母であるより女を取ったわけではなくて、五実と別れることでやっと、本当に母となったのだと思うよ。そして元の世界に戻った五実は、その愛情を理解してその後も育ったのだと思う。この辺りは、岡田麿里監督の前作「さよならの朝に約束の花をかざろう」におけるレイリアとメドメルのエピソードを思い出すな。睦実も「私は、飛べる!」をやっていたし。


レイリア「私は、飛べる!」
出典:「さよならの朝に約束の花をかざろう」

こうして考えると、第一印象がかなり異なる、本作と前作の「さよ朝」であるが、「偽物の母」が「母なるもの」になっていく過程を描いてるという点では、実は共通しているのかもな、と思ったりする。

4年後に見伏に戻ってきた沙希の周りには、まだあの世界は残っていたのだろうか。あの世界の正宗と睦実はひび割れの中から、戻ってきた沙希を見ることができただろうか。沙希も、そうだったらいいな、と思いながら第5高炉跡を歩いていたんじゃないかな。そんな気がする。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

繰り返す世界の始まりと終わり

もう一つ、かなり気になったのがこのまぼろし世界の「都合良さ」だ。

例の「生姜焼き」について「見た目がおんなじようなら、本物と大して変わんないよ」という美里のセリフがあり、これが自分たちの置かれた状況そのものになっているという象徴性があるわけだが、あの生姜焼きを見たときに思ったのは、それらの材料はどこからきてるんだ? ということだ。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』 超特報|maboroshi 1st Trailer - YouTube

自販機ホットサンドにしても同じだ。ほぼ鉄工業しか存在しないとされている街の中で、そのハムとチーズと食パンなどはどこから来ているんだ。その辺りが気になってしまうのだが、物語中では特に語られない。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』 本予告|maboroshi Main Trailer - YouTube

閉鎖された空間のはずなのに、食料や電気ガス水道はどこからか湧いてくる世界、というので真っ先に思い出すのは、俺がアニメオールタイムベスト1にも選んだ「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」(押井守監督、1984年)の廃墟世界だな。主人公たち以外が存在しない完全な廃墟であるにも関わらず、コンビニには潤沢に食料が補充され、なぜか牛丼屋まで存在する、あのあまりに都合の良い夢の世界だ。


パーマ「しめて一万とんで八百二十三円と!」
出典:「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」

「まぼろし工場」からこの作品を連想している人は、割とX (ex-Twitter)にも多いようで自分としては結構嬉しかったりするのだが、だからと言って「まぼろし工場」が岡田麿里版「ビューティフル・ドリーマー」だとは全然思わないんだよな。匂わせっぽい部分も多いので、多分モチーフとして意識しているのは確実だと思うんだけど。

(たとえば「ビューティフル・ドリーマー」で一番あの世界をエンジョイしていたキャラであろうメガネのCVの千葉繁さんに対して、 「まぼろし工場」であの世界を一番エンジョイしていたキャラである佐上衛役には、千葉繁さんに声質がそっくりにできる佐藤せつじさんを起用しており、しかも佐藤せつじさんは2022年版「うる星やつら」でメガネ役をやっているとか…)


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』 本予告|maboroshi Main Trailer - YouTube


メガネ「かつていかなる先達たちも実現しえなかった地上の楽園を、あの永遠のシャングリラを実現するだろう」
出典:「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」

「ビューティフル・ドリーマー」のあの世界は、アニメ「うる星やつら」の作品世界の象徴という性質が強いけれども、「まぼろし工場」の世界はそういう象徴性はないと思う。

「まぼろし工場」のあの世界は、本当にただの虚構の世界なのだけれども、その中で人間たちが限界まで生きていくことに対して、とても肯定的な描かれ方をしている。劇中でアリストテレスの言葉「希望とは、目覚めている人間が見る夢である」が出てくるが、あの世界にあるのは「ビューティフル・ドリーマー」の夢ではなく、あの世界に実際に存在する人々の「希望」なのではないかな。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

だから、これからも「菊入正宗は、佐上睦実と生きていく」のだよね、あの世界では。

やはり、4年後に沙希が見伏に帰ってくるまで、あの世界が存続していてほしいと思う。「受動的に生かされる」世界から「能動的に生きていく」世界に変化し、さらに「痛さ」を思い出したように思われるあの世界は、彼ら自身が思ったより長く、続いていけるのではないかな。

個人的萌えポイント

この作品には個人的に自分がグッとくるポイントがいくつかあるので、ちょっと告白しておきたいな。

まずは園部が消える時に、一番本気で助けようと頑張ったのが睦実であるところ。単に「逃げたい気持ちを誤魔化すための遊び」をしていた仲間だけだったのかも知れないけれども、でも彼女にとって本当に必要としていた仲間だった、という歪な関係を強く感じられて良い。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』ファイナル予告|maboroshi Final Trailer - YouTube

後に「人が告白するのを初めて見た」とか言って園部のことを(頑張って忘れようとしたのかもしれないけれども)本当に忘れちゃったかのような正宗との対比でさらにそれが際立つ。で、あの時睦実は園部のことを思い出しつつ、そこは指摘しなかったんじゃないかな、いう感じに勝手に妄想している。

(っていうか、そもそも園部のキャラが最高にいいよね。あのトコトコした走り方とか本当に可愛くて好きだ)

もう一つ。睦実が五実に、戻った先の世界についてネガティブなことも話すこと。「挫折するかもね」とか。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

なんかこの部分を「毒親の呪い」のようにネガティブ評価している感想とかも見かけたのだけれども、自分の考えとは正反対だな。まさにこの時に、睦実は本当に五美の母親となったんだと思うよ。仮に人生にうまくいかないことがあっても、というか、まず元の世界に戻ったら間違いなく何らかの問題が発生するわけだけれども、何があってもこの先の人生は生きるに値するものだ、と言ってるわけじゃないか。最高だろ。

あとはやっぱり、本当に中島みゆきさんによるテーマソング「心音」がいいよね。「未来へ君だけで行け」。本当にいい。これがアニメのテーマソングが初めてだというのに、本当に米津玄師やYOASOBIもかくやという作品への寄り添いっぷり。素晴らしすぎる。

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(しかし、深夜ラジオのDJ番組がストーリー上重要なモチーフの一つとなっているのに、「中島みゆきのオールナイトニッポン」に触れる人をほとんど見ていない気がするのはいかがなものであろうか…)

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(まあ岡田麿里監督はギリギリ世代から外れているかな…)

まああとは音楽といえば、横山克さんの劇伴が最高すぎる件かな。横山克さんといえば俺にとって一番印象に残っているのは「四月は君の嘘」での最高の劇伴だったけれども、なんかそれを思い出してしまう素晴らしい劇伴だった。ぜひともこれはこれで単体で聴いていただきたい(各種サブスクにも入っている)。

最後に、これを何度も何度も観るまで気が付かなかった自分の目の節穴さ加減に呆れているんだけれども、見伏に戻ってきた時に紗希が見つける窓の絵がある場所についてだ。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

これ、劇中何度も出てきたこの場所から、ソファやその他のガラクタを取り除いた背後にある窓なんだよね。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVワンコーラスver.|maboroshi Music Video Short - YouTube

下の背景と2つ上の背景を見比べてみると、一緒の場所であることは明らかだと思う(特に左上の暗い部分)。あと、公開されている動画には出ていないけれども、上の分電盤的な雰囲気の色々なスイッチの類も、絵が描かれた窓の上にそのまま残っている。絵に目がいってしまうから気が付きにくいけれどもね。そりゃ沙希もあの表情になるよね、と思ってしまいエモさが増し増しである。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVワンコーラスver.|maboroshi Music Video Short - YouTube

あの絵を、戻ってきた紗季の話を元に正宗が描いたものだとすれば、どんな気持ちでここに絵を描いたのかな、とか、あるいはそうでないなら…とか。

本当に、最初の方で気がついていれば、毎回の上映でここを見るたびに激萌えポイントが追加されていたというのに、本当に勿体無いことをした。

他にも紗希がまぼろし世界で最後に見た風景が「5号高炉」(5)と「6号高炉」(6)が並んだ姿だったとか…、きっとまだ気がついていない細かいポイントがあるんだろうけれども、円盤待ちかね。ぜひとも早くリリースして欲しいぞ。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

(そしてあの絵のタイトル、きっと「アリスとテレスのまぼろし工場」だよね)

おまけ:「アリスとテレスのまぼろし工場」年表(推測)

上の方で勝手に「何年間」、という数字を入れていたけど、これは何度も映画を見た上で原作を読んで、ストーリーは概ね以下のようなタイムラインであると推測しているのだ。

年代 現実世界での出来事 まぼろし世界での出来事
1991年1月下旬 製鉄所の爆発事故発生・昭宗が亡くなる まぼろし世界の誕生(正宗14歳)
1995〜1999年のどこか 正宗と睦実が結婚  
2000年6月15日 沙希の誕生(正宗24歳)  
2005年8月15日 沙希が盆祭りで失踪(正宗29歳、沙紀5歳) 沙希がまぼろし世界にやってくる
この間のどこか 正宗の祖父(昭宗の父)が亡くなる まぼろし世界の昭宗が消失
2016年7月10日 菊入家で正宗と睦実が花火大会の開催を知る 現実世界の菊入家がまぼろし世界から見える
2016年8月15日 沙希が突然戻ってくる(正宗40歳、沙紀16歳) まぼろし世界が崩壊しかける・睦実と正宗が沙希を現実世界に戻す
2016年8月15日以降のおそらく早い時期 菊入家、見伏からどこかに引っ越す  
2020年6月15日以降 沙希が見伏に戻ってくる(正宗44歳、沙紀20歳)  

爆発のタイミングは正宗の部屋にあった「少年ゾンターク」(つまり日曜日 → サンデー)の最新号と思われるのが1991年の第7号であるところからの推定だったが、現実世界での見伏製鐡所跡の解説にも、事故があったのは平成3年(つまり1991年)であると明記されているので、少なくとも年代に関しては間違いない。ちなみに正宗の誕生日は自分確認票の記入欄から2月26日であることがわかるので、爆発時にはまだ誕生日を迎えていない。そこから14歳で計算すると生まれた年は1976年だ。そして盆祭りの8月15日は原作に明記されている。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

沙希の誕生日が6月15日説の根拠が、他に比べて非常に薄いことは認識しているが、名札裏のあれはやっぱり誕生日に撮ったプリクラの類じゃないかな、とこれまた勝手に考えている。紗希が再び見伏を訪問するのは成人がきっかけであったと原作に書かれているし、2020年ではまだ成人年齢は20歳であった。睦実の誕生日は不明だが、何となく沙希の誕生日に近いのではないかと勝手に思っている。

(2024年1月19日更新)配信が始まったのことで、現実世界の菊入家がまぼろし世界から見える時の新聞の日付が「2016年(平成28年)7月10日 土曜日」と読めるという情報が(@koryu_nさんありがとうございました)! そこから考えると沙希が戻ってくるのは2016年8月15日であり、沙紀は16歳でなんとまぼろし世界の睦実(おそらく15歳)よりも年上になっている!


出典:「アリスとテレスのまぼろし工場」

最初はそこは2015年だと考えていたのだが、2016年だったか。そうすると紗希がまぼろし世界に迷い込んでから10年ではなく11年ということになるけど、一方でまぼろし世界ができた1991年からちょうど25年ということになって、四半世紀的にキリがいいといえばキリがいいんだよな。そして正宗は40歳か。沙紀が失踪して時点で29歳、そこから11年で40歳、長かっただろうな。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

あと、沙希が戻ってきた時にすぐに家に帰れるように、そしていつか戻ってくると信じていたから、菊入家は見伏にずっと住んでいたんだろうなとか、戻ってきたら、失踪していた期間を絶えず思い出さなくても済むように、沙希を全く違う場所で育てるために引っ越したんだろうな、とか、色々想像できる。愛されているよね、沙希。



まあ書きたいことはまだまだたくさんあるんだけれども、書いているうちに上映が終わってしまいそうなので、とりあえずここで一旦本稿は終わりだ。本当に、未見の人はこのチャンスにぜひ劇場に観に行ってくれ! 俺もまだまだ観にいくぞ。

(追記)聖地巡礼の記事も始めたぞ。まずは茨城から。
xckb.hatenablog.com
そして岩手に。
xckb.hatenablog.com
埼玉。
xckb.hatenablog.com
奈良・山口。
xckb.hatenablog.com
あとは三重と長崎が残っているらしい。

(追記)2023年のアニメ私的ランキング記事では、やはりこの作品を劇場版1位ということにしたぞ。
xckb.hatenablog.com