xckb的雑記帳

身の回りにあったことを雑多に語ります。

漫画「新しいきみへ」聖地巡礼(第5巻:碧・険・人・鉄)

前回の第4巻聖地巡礼記事はこちら。

xckb.hatenablog.com

俺の今イチオシ漫画「新しいきみへ」の聖地巡礼記事の続きを書いてみよう。今回のパート5は2023年8月18日(今日!)発売の最新刊である第5巻だ。

というわけで、今回の目次はこちら。今回の舞台は小田原(第17話) → 横浜(第18話前半) → 新宿(第18話後半、第19話、第20話)の順で移行する。ちなみに今回もまた、すでに失われた風景がいくつか存在している(主に、小田原城址公園の2023年2月の工事関連)。


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ちなみに第5巻のカバーイラストは拳銃に手を伸ばす相生亜希。だが少なくとも現時点では相生亜希が拳銃を握るシーンは本編にはなく、発砲しているのは同じ亜希でも佐久間亜希さんの方である。これは何を暗示しているのか。謎だ。

紙書籍版:

Kindle版:

聖地巡礼記事でネタバレをするというのも非常に心苦しいので、可能な限りの対策はするものの、まずは未読の方は漫画を読んでから戻ってきていただきたい。

なお、比較用に漫画からのコマを引用するが、比較することが可能な限りの小さなサイズで、なおかつセリフやモノローグは可能な限り消しておくこととする。

では第17話から順番にいってみよう。

第17話 碧の回

いよいよ明らかになってくる悟の過去。その反応で宇宙相生さんになる相生亜希が超かわいい回。

www.village-v.co.jp

悟のかつての通学路(報徳二宮神社)

最初に出てくる神社のような通学路のような風景は、おそらく小田原城址公園に隣接する報徳二宮神社がベースになっていると思われる(とはいえ細部が少し違うのだが)。二宮尊徳を祀る神社。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第17話

猫のいた場所(小田原城・二の丸隅櫓)

猫のいた場所は悟と相生亜希の出会いの場所でもある小田原城の二の丸隅櫓だ。この辺りは今までも何度も出てきたので省略する。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第17話


駅前のマルイ(小田原駅前ビル)

一瞬挟まれる「駅前のマルイ」。現在の小田原駅前ビルだ(小田原駅東口駅前にある)。ほんの少しだが、マルイ時代の「OIOI」のロゴの跡が屋上看板に残っている。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第17話


悟から過去の話を聞く相生亜希(小田原城址公園・多目的広場)

話は現在に戻って、宇宙相生さんになる相生亜希。二人が語り合うこのベンチは、残念ながら2023年2月の工事で失われている。そしてこの写真はそれ以前に撮影したものだが、17話がウルトラジャンプに出る以前の撮影だったので、こういうアングルがあるとは思わずにベンチを入れずに撮影してしまった。残念である。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第17話

すでに失われてしまったこのベンチは2023年1月時点ではこのような形になっていた(漫画と比較すると、右半分が失われているように見える)。さらに、後ろの壁も2023年2月の工事で失われており、現在では柵があるのみとなっている。この写真でわかる通り壁はコンクリートブロック製だったので、耐震性などの問題で撤去されるのは仕方がない。また、もともと城の壁を再現したものでもなく、旧城内小学校の塀として作られたものだ。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第17話

実は2012年のストリートビューでは、このベンチは右側に完全な形のもの1つ、その左に何故か左半分となったベンチも存在している。ベンチと背後の木の位置関係から判断すると、おそらく2023年1月まで残っていた左半分のみのベンチと思われるものは、古い写真にある右側のベンチの左半分であり、かつて左にあった半分のベンチと、右にあったベンチの右半分が、2023年1月までの間に共に失われたようだ。


出典:Googleマップ(2012年4月)https://goo.gl/maps/5qqfMr259E4xanPeA

というわけでややこしい話ではあるが、漫画にあったベンチの左半分が1月まで残っていた、という認識は正しいようだ。


高校に行くときに出てくる案内板(小田原城址公園・学橋前の案内板)

記憶を辿って高校に行く二人。その時に出てくる案内板は学橋前にある案内板だ。マナップさんが盗撮していた場所や、その時悟と相生亜希が歩いていた道などは色々と具体的な判断材料に欠ける。文脈的にはお堀端通りなんだろうけれども、一致する場所がない。

現実の「二の丸広場」が「神奈川県立○○高校」になっているのがわかる。その方向はかつて城内小学校があった場所だな。


出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第17話

城内小学校に関しては、第2巻の聖地巡礼記事に細かいことを書いたので、そちらを参照していただきたい。

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案内板の実際の場所はこんな感じだ。学橋を渡る手前の左側にある。


悟を見送る相生亜希(JR小田原駅東海道線上りホーム・6番線)

悟を見送る相生亜希のシーンは、JR小田原駅東海道線上りホームの6番線だ。漫画では駅名標の駅名が「おだわら」になっているが、現在は「小田原」と漢字になっている。JRの駅名標における駅名表示は、近年次第にひらがなから漢字に変えているようだ。

trafficnews.jp

2014年時点で実際に小田原駅の表記がどちらだったかは確認できなかったが、少なくとも2010年にはひらがなであったことがこちらで確認できる。


出典:小田原駅 | JR東日本・東海道本線

悟は(長い放浪の果てに)横浜方面に戻るはずなのでこの方向で合っている。シーンとしてはもう暗くなって夜の模様。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第17話

電車のドアが開いた状態。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第17話

電車が行った後の決意のシーン。1アングルにこのホームの屋根と背景を合わせ撮るのは難しい(屋根のこのトラス構造的なやつは、たしか背景になっている風景のところには存在しない)。最初の写真はもう少し右から撮るべきだったかもしれない。




出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第17話

第18話 険の回

喜色満面で悟に会いにいくのに、いきなり佐久間亜希に尋問されることになる相生亜希がかわいい回。そして時は少し飛び、新宿の決戦が始まる。

悟に会うのが待ち遠しい相生亜希(新港橋梁、ブルーブルー横浜前、象の鼻パーク)

山下臨港線プロムナードの、赤レンガから象の鼻パークにつながる橋である新港橋梁。

ところでこの制服を着ていくということは、悟に自分の高校の生徒だということがわかるということを狙っていったのですかね相生さん。


出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

ブルーブルー横浜を象の鼻パーク側から見た場所。実際はここに立っていると例の尋問ベンチの場所はよく見える。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

山下臨港線プロムナードの上から象の鼻パークにあるドミノ倒しのような形のオブジェ「スクリーンパネル」を望むアングル。よく見ると漫画でも上に鳩がとまっているのが表現されているな。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

この直後にどん底に落とされるとも知らずに超かわいい相生さん。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

佐久間亜希の尋問を受ける相生亜希(象の鼻パーク)

ということで、本職の佐久間亜希さんから尋問を受ける相生さんのシーンの場所は象の鼻パーク。左のベンチは若干形が違っている。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

佐久間亜希の背景は、まさにこの場所から見たみなとみらいの景色。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

山下臨港線プロムナード。国鉄山下臨港線の跡地だ。1989年の横浜博の時まで列車が走っていたぞ(とはいえ普通に列車が運行されていたのは1987年までらしい)。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

参考までに。

kuromarukuromaru.blog.fc2.com

この辺りの再現度はかなり高い。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

佐久間亜希の圧の強さに押される相生亜希。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

橋桁の間隔などは少しいじっているな。実際は少し狭い。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

山下臨港線プロムナードの下から大さん橋の客船を望む。もう少し右から撮るべきだったかな。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

山下臨港線プロムナードの下を山下公園方面に望む。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

これはちょっとアングルが右に寄りすぎていて、瑞穂埠頭の風力発電が写っていない。撮り直ししたいんだが、客船(飛鳥Ⅱ)が大さん橋にいるかという問題もあるんだよなぁ(飛鳥Ⅱのスケジュールを確認しなければ)。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

警察の待機(東京都庁都民広場)

そして時は流れ、再び2014年4月23日、決戦の日に。場所は新宿。最初に集合したのは東京都庁都民広場。これは都庁展望台南側から撮影している。漫画のように真正面にはなっていない。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

都庁都民広場から三井ビルと住友ビルを望む。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

流星群(新宿駅東南口広場・東京都庁都民広場・新宿大ガード西交差点)

流星群に気がつく一般人のシーンは少し場所が飛んで新宿駅の東南口広場だ。2巻でもたくさん出てきた場所だな。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

東京都庁都民広場から見た都庁。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

そして新宿大ガード西交差点に佇むガスマスク。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

参考:悟と相生亜希の待機場所(建設中のJR新宿ミライナタワー屋上)

悟と相生亜希が待機しているのは建設中のJR新宿ミライナタワー屋上と思われるが、完成後の現在も一般人の立ち入りはできない。


出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第18話

現在の状態を都庁展望台から望遠で狙うとこんな感じ。ヘリポート周りの構造物とかの雰囲気は出ているかもね。

とはいえ、実際のミライナタワーは2014年4月時点ではここまで完成していなかったという事実はあるようだ(2014年7月のストリートビュー)。


出典:Googleマップ(2014年7月) https://goo.gl/maps/p3rXo6dvbsgJZs34A

第19話 人の回

いよいよ警察とガスマスク氏の勝負が始まる。舞台は新宿駅南口の甲州街道。

新宿封鎖開始1(新宿大ガード)

ガード下の酔っ払いは靖国通りの新宿大ガードの一番南側(駅側)の通り。

とはいえ、現在のガード下の様子(照明など)は全く漫画と異なる。これは2018年から2019年の間に、一番北側のガード下のデザインに似せる形で置き換えられたようで、2010年3月のストリートビューでは漫画と同じ構造となっていることがわかる。


出典:Googleマップ(2010年3月) https://goo.gl/maps/nuGBLuSsvEYU8q1j7

ここはなかなか考証が細かいな。


出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第19話


新宿封鎖開始2(新宿大ガード西交差点)

酔っ払いの方に向かってくる機動隊の背景は、第18話のガスマスク氏のシーンと同じ新宿大ガード西交差点(写真も再利用)。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第19話

新宿封鎖開始3(西新宿一丁目交差点)

警察車両で道路が塞がれているのは西新宿一丁目交差点から北側を見たアングル。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第19話


新宿封鎖開始4(ルミネエスト左の線路沿いの道)

ここは少々わかりにくいが、新宿駅東口側からルミネエストを見て、左側の線路沿いの小道である(シネマカリテの裏側)。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第19話


新宿封鎖開始5(新宿駅甲州街道改札前)

ここから次回の第20話にかけての舞台はほとんどがこの周り。悟と相生亜希の待機場所となっているJR新宿ミライナタワー(建設中)が後ろに見えている。先述のように、実際の2014年4月にはまだここまで完成していない。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第19話


新宿封鎖開始6(歌舞伎町シネシティ広場)

次のシーンは歌舞伎町シネシティ広場。ただし2014年当時では現在歌舞伎町タワーとなっている場所は、新宿ミラノだった。

2014年3月のストリートビュー。新宿ミラノ懐かしい。というより最近新宿に行く頻度が少ないので、こちらの方がずっと見慣れた風景だ。


出典:Googleマップ(2014年3月)https://goo.gl/maps/sqFCZXdjQE1Sdue28

漫画の方にもミラノボウルのボーリングのピン型の看板が見えてるな。


出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第19話

佐久間亜希対ガスマスク氏(新宿駅甲州街道改札前)

佐久間亜希とガスマスク氏との戦いが始まる。新宿駅甲州街道改札前から、東側に向かって望むアングル。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第19話

そしてこちらは西側。望遠レンズのアングルだ。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第19話

もう少し後方から撮るべきだったかも。ともあれ再現度がとても高い。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第19話

三都慎司先生は「ダレカノセカイ」(2017〜2018年)でも新宿的な街並みの中の危機を描いていたけれども、本作ではさらにリアルな新宿になっているな。「ダレカノセカイ」は第2巻が電子書籍でしか出ていないのが残念である。

Kindle版:

JR新宿駅南口方面を望むアングル。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第19話

中央下側のJR新宿ビルは現在解体中でもうすぐなくなる。奥はJR東日本本社ビルと小田急ホテルセンチュリーサザンタワー。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第19話

第20話 鉄の回

第20話のほとんどの舞台は第19話後半に引き続き新宿駅甲州街道改札前である。かなり第19話で出てくる風景が多いので、この回に特化した写真は少な目となっている。

やはり散布されるエフ(新宿駅甲州街道改札前)

散布されたエフのスモーク越しの西新宿のビル群。意識したことはなかったけど、甲州街道改札前からコクーンタワーって見えてたのね。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第19話

このアングルだと、スモークが発生した現場の位置がよりリアルに体験できる感じ。もうすぐなくなるJR新宿ビルがこちらにも写っている。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第19話

いや、このシーンさ…。うう…。



出典:三都慎司「新しいきみへ」第5巻・第19話


(追記)最終巻である第6巻の分も公開した。

xckb.hatenablog.com


Photoshopの生成塗りつぶしを用いた画像の加工について

本記事においては、人が写り込んだ画像を無人にするために、Photoshop(ベータ版)の生成塗りつぶし機能を利用している。一部の写真では車も消している。っていうか、普通に考えて昼間の新宿の大通りで写真を撮って、人が写り込んでいないはずがないのだ。

加工後の写真

加工前の写真(ただし人混み等にぼかしを加えてある)

従来のPhotoshopのテクニックではとてもではないが1ブログ記事にそこまでの手間はかけられないということで、この2つの写真でいうと下のような写真をブログでは掲載していたが、今回は大部分の写真でこの生成塗りつぶしを用いて写真を加工している。最も大変だったカットの一つである上の例でも、15〜20分程度で修正が完了しているので、非常に多くの写真でこのような加工をすることがコストに見合うようになってきた。

生成AIについて色々いう人はいるが、まずはこういう効率面、コスト面から以前はできなかった作業が、生成AIを使うとできてしまう、というところから大きな変化が起こるのではないかと思っている。

Photoshopの生成塗りつぶしに関して以前まとめた記事はこちら。

xckb.hatenablog.com