xckb的雑記帳

身の回りにあったことを雑多に語ります。

「アリスとテレスのまぼろし工場」聖地巡礼(2):岩手県編「見伏駅」「製鉄所前の鉄橋」等と、高炉のモデルに関する考察

さて、残念ながら先日終映となってしまった「アリスとテレスのまぼろし工場」、結局試写会1回に通常上映12回の合計13回劇場に通ってしまった。文句なしに今年の劇場アニメで俺的ベストムービーだったわけではあるが、作品の内容についてはこちらに書き殴ったので…、

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この記事では先日岩手に聖地巡礼に行った件をまとめてみたい。この作品は、舞台に関して特別にモデルにした街はなく、写真レイアウトも使っていない、ということはスタッフからも語られてているが、それでもモデルになったと思われる風景は存在し、全国に散らばっている。前回、茨城県(とおまけに神奈川県)の風景をまとめてみた記事はこちら。

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今回は岩手県である。岩手県での舞台は岩泉町と釜石市に判明している。また、劇中の高炉のモデルが、かつて釜石に存在した高炉ではないかという説には議論があるところだ。その辺りも考察していきたい。

ということで、本記事の目次はこちら。

  • 下閉伊郡岩泉町
    • 見伏駅:旧岩泉駅舎(岩泉観光センター)
  • 釜石市
    • 製鉄所前の赤い鉄橋:第1大渡川橋梁
    • 港湾施設:釜石港
    • 見伏製鐵所の高炉:かつての新日本製鐵釜石製鐵所の高炉?
    • その他釜石の風景
  • (おまけ)鉄道の橋各種
    • 甲子川橋梁(釜石市)
    • JR釜石線のアーチ橋:めがね橋と岩根橋(遠野市)
  • 旅の感想など
  • 参考文献

下閉伊郡岩泉町

日本三大鍾乳洞の1つとされる龍泉洞のある岩泉町には、見伏駅のモデルとなった旧岩泉駅舎がある。この駅舎は龍泉洞にも非常に近いので、時間に余裕があれば龍泉洞も観光してくるのがお勧めだろう(残念ながら自分は時間がなかった…)。


見伏駅:旧岩泉駅舎(岩泉観光センター)

見伏駅のモデルとなったのはJR岩泉線の旧岩泉駅舎(岩泉観光センター)。2010年7月の土砂崩れで利用できなくなり、2014年に岩泉線ごと廃線となっているという意味でも、劇中の見伏駅を連想させられる経緯である。

ja.wikipedia.org


公共交通機関でのアクセスは、盛岡からバスで2時間、もしくは三陸鉄道リアス線岩泉小本駅からバスで45分といったところだが、本数も少ないので、可能であれば車でのアクセスがおすすめ(盛岡駅から1時間40分)。なお、駅舎の中に入れるのは平日のみなので、土日祝日に訪問した場合は駅舎には入れないことに注意。その辺りを考え、自分は金曜日に訪問した。

残念ながら見伏駅のイメージは現状公開されている動画などには見当たらないので、記憶に参照していただきたいのだが、実に見伏駅である。

この辺りも再現度はとても高かった。岩手から帰った後で映画館で再確認したので、いろいろとアングルを合わせられなくて申し訳ない。

この「岩泉驛」の碑も「見伏驛」になってちゃんと存在していたぞ。

駅舎内で劇中に出てくるのはこのきっぷ売り場か。肝試しの時にこの前を通ってホームに向かう。多分ここもそこそこ再現度高かったはず。

劇中の見伏駅は、駅舎と同じ高さに複数のホームがあったが、岩泉駅はホームが1つしかなく、しかも階段を登った先にあるので、ホームの部分は別の駅をモデルにしていると思われる。

とはいえ、レールの跡にホームから飛び降りて、肝試しの日の雰囲気を出すくらいは楽しんでもいいだろう。

劇中のトンネルのある方向は、おそらく別の建物の駐車場のようになっているので、こちらには入り込まなかった。

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「アリスとテレスのまぼろし工場」聖地巡礼(1):茨城県編「第5高炉横の鳥居」

さて、俺の独断と偏見で現状今年ナンバー1の劇場版アニメは、現在も上映中の「アリスとテレスのまぼろし工場」である。先日こちらに感想記事も書いた。

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こうなると、聖地巡礼もしたくなるのが自分の性なわけだが、「まぼろし工場」はスタッフのインタビューなどで明言されている通り、「この街がモデル」という明確なモデルの街があるわけではない。とはいえ全くモデルがないかというと、なんとなくベースとなった感じの街はないこともなく(釜石とか)、なおかつ舞台は全国に散らばっている、というパターンのようだ。

つまり今までこのブログで聖地巡礼をした作品でいうと、サクラダリセット(北海道編本州編)に一番近い気がする。

とはいえ現状で明らかとなっている限りで、北海道、岩手、埼玉、茨城、三重、奈良、山口、熊本、長崎(おまけのように神奈川)に散らばっており、全部巡るのはサクラダリセットの時(北海道、東京、茨城、岡山)よりもさらにハードルが高い。悩んだのだが、とりあえず行ってない場所は他の識者にお任せするとして、自分は行った場所を県別にまとめて、現地で撮った写真と現地でわかる情報を中心に書いておこうと思う。

ということで今回は、まず近場なので訪問してみた茨城県だ。

見伏製鉄所第5高炉横の鉄の鳥居:ひたちなか開運鐵道神社・弍ノ鳥居

印象的な見伏製鉄所第5高炉横の鳥居のモデルは、茨城県ひたちなか市の、ひたちなか海浜鉄道阿字ヶ浦駅横にある、ひたちなか開運鐵道神社の鳥居である。

「まぼろし工場」では、貨物列車サイズに合わせたのか、実物の鳥居のサイズよりも大きめになっているし、柱の部分がより垂直に近いフォルムにはなっているが…。



出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

鉄道のレールが素材となっていることといい、この柱の部分のレールの継ぎ目(左下)とかはほぼそっくり劇中の鳥居にも残されていることといい、たしかにこちらがモデルということでおそらく間違いはないだろう。



出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

この神社の御神体は、鳥居奥のこちらの車体「キハ222」である「キハニニニ命」となっている。かつて何十年も、この地で人を運び続けた列車そのものだ。



出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

由緒を読むと、こちらの「キハ222」は、1962年から北海道の羽幌炭鉱で運行、1971年に茨城交通那珂湊線に移って運行を始め、それから43年後の2014年まで、この地において無事故で人々を運び続けたようだ。ネタじゃなくて、普通に立派に神様として扱われても良い存在だと思う。これこそまさにリアル「神機」ではないか。

こちらの神社が開かれたのは2021年とわずか2年前。「まぼろし工場」における大事なモチーフの一つである鳥居のモデルとして、この新しい神社の鳥居を使うこととしたのは、いろいろな意味でなかなかに絶妙なセンスだと思う。好きだよそういうの。

ちなみに阿字ヶ浦駅から少し離れた那珂湊駅のホームには「拝殿」があり、こちらに「壱ノ鳥居」がある。そして阿字ヶ浦駅の鳥居はおそらく「弍ノ鳥居」であるようだ。さらにその間6.3kmのひたちなか海浜鉄道の線路は「参道」であるらしい。なんか突然、古代出雲大社のような壮大なスケールになったぞひたちなか開運鐵道神社。

那珂湊駅ではお札やお守りも授かることができる。こちらの初穂料は「キハ222」の維持などに利用されるようである。ご参拝の折にはぜひ。

ちなみに那珂湊駅近くには、先ほど触れたサクラダリセットの重要な舞台があるので、ついでにこちらも数年ぶりに訪問してみた。那珂川の河口である。いつも自分がここに来ると天気が曇ってしまうため、晴れた状態の写真が全くない。今回も曇った写真となってしまい、残念である。

先日の「まぼろし工場」の感想記事でもサクラダリセットとの共通点についても少し触れたが、イマイチ商業的には振るわなかった隠れた大傑作アニメという共通点もあるので、機会があればぜひ見ていただければと思う。

(おまけ)「全てを知りたいんだ!」ドラマのワンシーン:大黒ふ頭西緑地

おまけとして、神奈川県の舞台を一つ。冒頭に出てくるドラマのワンシーンで「全てを知りたいんだ!」と誰かが叫んでいる場所は、横浜の大黒ふ頭西緑地だ。ベイブリッジが綺麗に見える場所。

つい先日「新しいきみへ」(今の俺のイチオシ漫画だ)第2巻の聖地巡礼記事で撮ってきた写真の再掲で申し訳ない。茨城県ではないが、同じ関東地方のよしみということで、おまけとして…。

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ちなみに、次回は岩手県編。いよいよ「まぼろし工場」本体の世界へ。続く。

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(なお「アリスとテレスのまぼろし工場」に関しては、全く自分で舞台の特定をする必要がないくらい調べている方々がいらっしゃるため、感謝しながら単に巡らせていただくことにします。今回はこちらのブログ「アリスとテレスのまぼろし工場 聖地・舞台情報(2023/10/22更新) - kai881と愉快な仲間たち」を参考にさせていただきました。ありがとうございます)

そろそろ「アリスとテレスのまぼろし工場」についてちゃんと語ろう

書こう書こうと思っていながら更新をサボっている間に、俺にとっての今年の劇場アニメ暫定1位である「アリストテレスのまぼろし工場」の上映が終わってしまいそうなので、今更慌ててこの作品に思ったことなどを書きなぐってみることとした。しかし遅いよ、遅すぎる(申し訳ない…)。

今回の目次:

  • 「アリストテレスのまぼろし工場」はいいぞ
  • スワンプマンたちが閉じ込められた繰り返す世界
  • 繰り返す世界の始まりと終わり
  • 個人的萌えポイント
  • おまけ:「アリスとテレスのまぼろし工場」年表(推測)

「アリストテレスのまぼろし工場」はいいぞ

今年は実に劇場版アニメの当たり年だ。8月時点までに、劇場に複数回観に行ってしまった作品だけでも「BLUE GIANT」「グリッドマン ユニバース」「劇場版 PSYCHO-PASS PROVIDENCE」「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」「特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~」の5作品があり、これだけでも当たり年だったのだが、そこに9月になって「アリスとテレスのまぼろし工場」が加わった。まさに超大豊作だ。

というか、今年の俺の好きな劇場アニメ暫定1位は、この大豊作状態の中でも、この「まぼろし工場」だと思っているので、今回はこちらの作品について思ったことを色々と書き綴ってみよう。

www.youtube.com


ちなみに、今まで試写会で1回、劇場の上映で7回の合計8回観ているが、正直なところ最初の1回を試写会で観た時は、まだ混乱して消化不良だった。まあ、今にして思えば、予想していったのと全然違う作品でぶん殴られた感じだったからな。でもなんか「これはもう一度絶対に観なければいけない映画だ」と思って、通常公開の初日に観にいき、そしてどっぷりとはまった。さらに劇場に通う回を重ねるごとに、どんどん好きになっていったという感じだ。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』ファイナル予告|maboroshi Final Trailer - YouTube

まあそんなスルメ映画であることもあってか、残念ながら興行成績的には振るっていないようだが、ハマる人には超ハマる映画なので、俺と趣味の合いそうな人はぜひ観たほうがいいと思う。もう今週の木曜で上映が終わるところも多いし、その他のところも来週の木曜までのところが多い。これはぜひ映画館で観たい作品だと思うし、映画館で観たいのなら、将来あるかどうかもわからない再上映に期待するのでなければ、チャンスは今しかない。

次の章からは遠慮なくネタバレも含めて書いていくので、未見の方はまずは劇場に観にいってから、この先を読んでいただきたい。

先日のアニメシ記事の方にも書いたけれども、友人とワイワイと観にいくよりも、一人で何度も観にいって欲しい映画だ。一度観て、イマイチ同調出来なかったと感じた場合でも、もし何か引っ掛かるところがあったなら、是非もう一度観ていただきたいと思う。

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ちなみに「俺と趣味が合いそうか」を判断するための参考までに、去年(2022年)のアニメに関する私的ランキングと、2018年に書いたアニメオールタイムベスト10の記事を並べて置いとくぞ。

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さて、いってみようか。

スワンプマンたちが閉じ込められた繰り返す世界

なんかX (ex-Twitter)とかで、ちょこちょこ他の人の感想とかを読んだけれども、まあ当然共感できるものもそうでないものもたくさんあったな。自分としては、その中でも一番違和感を感じたのは、睦実をネグレクト母扱いするものだった。


出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』主題歌「心音(しんおん)」中島みゆき|MVフルver.|maboroshi Music Video Long - YouTube

少なくとも五実の母親じゃないよね睦実は…。と考えた時に、もしかして自分が「サクラダリセット」や「サマータイムレンダ」とかでスワンプマン的な概念をとりあえず別人として認識することに慣れすぎているから、その辺りのずれを感じてしまうだけなのかも、とも思ったが、まあしかしだ。

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アニメシ:「アリスとテレスのまぼろし工場」の生姜焼き・ホットサンド(おまけ:謎コラボの吉野家とぼてぢゅう)

さて、今年は個人的には劇場アニメの大豊作年なのだが、その中で暫定1位と俺が考えているのが現在上映中の「アリスとテレスのまぼろし工場」だ。まあ興行成績的には今一つ奮っていないようだが、万人にお勧めできる作品というよりは、ツボに入る人と入らない人が極端に分かれそうという作品ではあるので、仕方がないかな、と思わないでもない。

maboroshi.movie

まああまり好みの合わない友人と行くよりは、一人で複数回観にいって欲しいタイプの映画かな。俺も2回目以降にどんどんハマった感じで既に7回観てる。

そんな「アリスとテレスのまぼろし工場」から、アニメシを2品、作ってみようか。そう「生姜焼き」と「自販機風ホットサンド」だ。あとおまけで、飲食店系謎コラボの吉野家とぼてぢゅうのコラボキャンペーンのレポートもつけておきたい。

今回の目次はこちら。

  • 「生姜焼き」(生姜なし、ニンニク入り)
  • 自販機風ホットサンド
  • おまけ1:吉野家コラボ
  • おまけ2:ぼてぢゅうコラボ

「生姜焼き」(生姜なし、ニンニク入り)

まずはドラマ序盤に出てくる菊入家の「生姜焼き」だ。ただし生姜は入っておらずニンニクが入っている。とはいえ「見た目がおんなじようなら、本物と大して変わらんよ」というセリフが自分たちへの自己言及となっているという構造には、さすがに初見で気がつくのは無理だったぞ。

パンフや動画で公開されている映像には詳細な生姜焼きのイメージはなかったのだけれども、半月切りの玉ねぎは入っていたよな、という記憶を元に作ってみたのだが。…作ってからもう一度映画館で確認したらプチトマトが2個盛られていた…。まあいいか。生姜の代わりにニンニクだが、匂いを置いとけばこれはこれで結構美味しかったぞ。

まあ、そこでニンニクにしても人が「匂い」を気にしていないというところも、もしかしたら物語の重要な構造を示唆していたとも言えるかもな。

一応、映像中には制作途中のフライパンも出てきたので撮影してみた。

簡単にレシピをメモするとこんな感じ(二人前)。

  • 豚ロース生姜焼き用 250〜300g
  • ニンニク 大きめ2かけ
  • 玉ねぎ(小) 1個
  • ☆ 醤油 大さじ2
  • ☆ みりん 大さじ2
  • ☆ 料理酒 大さじ2
  • ☆ 砂糖 小さじ2
  • ☆ ごま油 小さじ 1
  • 炒め油 適量
  1. 玉ねぎは半月切りにしておく。
  2. ニンニクはすりおろしておく。
  3. ☆の材料とすりおろしたニンニクを混ぜておく。
  4. フライパンに油を敷いて玉ねぎに火が通るまで軽く焼いて取り出しておく
  5. 必要なら油を足し、肉を広げて両面軽く焼く。
  6. 玉ねぎを戻して炒め合わせる。
  7. 3.の調味料を入れて混ぜ合わせながら炒める(上のフライパンの写真はこの段階)

自販機風ホットサンド

ホットサンドの自販機、という存在はもう知らない人も多いのではないか。昭和のドライブイン的な店にあったイメージかな。この映画の舞台である(停止した)1991年には、すでにレトロな存在だった気がする。まあ、劇中のあんな感じの店に置かれていたイメージだ。

予告編にこれを食べる五実の映像があったので拡大してみると、…中身はたっぷりチーズにハムと見た。



出典:映画『アリスとテレスのまぼろし工場』本予告 2023年9月15日(金)公開

自販機風のホットサンド、色々ググってみるとこんな感じで作れば良さげ。

  • バターとかはいらないけどマスタード推しだ(粒入り説もある)
  • アルミホイルで包んで焼く
  • プレスする

というわけで、早速作ってみたぞ!

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切り絵作家・大橋忍個展「花なく庭 蠟涙の耀」(上野・ROUTE GALLERY)

さて、上野のROUTE GALLERYで開催されている、切り絵作家・大橋忍さんの個展「花なく庭 蠟涙の耀」の初日に行ってきました。開催期間は2023年10月6日(金)〜10月9日(月・祝)です。昨年の個展は諸事情で行けなかったので、2年ぶりに個展にお邪魔します。

かれこれ(多分)10年ほどファンをさせていただいているのですが、このブログにいらっしゃることの多いであろうヲタク成分の強い方には、「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」の切り絵のリアル作者、というのが一番わかりやすい気もします。この映画を見た時の自分の興奮はこちらの記事に書いたのでまあそれは別途。

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最近は正確に反復されるパターンの作品や、それらを背景としてその前にモチーフを表現する作品が多いのですが、自分もとても気に入っています。

こちらは今回の個展タイトルの作品となる「花なく庭 蠟涙の耀」(はななくにわ、ろうるいのひかり)。

忍さんの作品によく使われるモチーフが1枚に収まっている作品なのですが、様々な作品を展示している個展のセンターとしてとても素敵な作品となってます。近寄って見ても綺麗。

反復パターン作品。いいですよね。

個人的に金魚のモチーフって大好きなんだけれども、それがこんな風に完璧な反復パターンとして作品となっていると、なんとも見入ってしまうな。

実は近日中に岩手に行こうと計画中なのですが、宮沢賢治の作品をモチーフとした切り絵が2点あって、頃合いもよくなんと!と思ってしまった。こちらは「銀河鉄道の夜」。

そして「よだかの星」。この反復される背景の中の露草などのモチーフと、よだかの羽の色の表現とかがとにかくツボで、今回こちらの原画をお迎えすることとしました。楽しみ。

というわけで、他にも連続模様の素敵な作品がいろいろあったのですが…。

一方でこのような不規則に配置された植物が長方形の枠できちっとカットされている作品とか…。

文章を表現するこうした作品(原稿用紙を背景に配置するのはとても良いアイデアですね)もあったりして、あ、こういう昨日もまた作ってくださっているのね、と思いながら、美しい作品に囲まれて、良い午後のひと時を過ごしました。

ところで乗り鉄的なご趣味もあるような忍さん、この四季島モチーフの作品を見て、なんでこれが公式じゃないんだ、とか思ってしまったのでJR東日本さんもよろしくお願いしますよ(笑)。

やっぱり個展はいいですね。

今回の写真は、すべてFUJIFILM X-T30にXF23mm F1.4Rで、絞り開放+マニュアルフォーカスで撮影しました。色んな意味で良い組み合わせです。絞りリングを回し、次にピントリングを回す。MFのフィルムカメラで撮っていた頃の感覚がそのまま使える感じで楽しい。

JR東日本の新幹線ガチャ「どこかにビューーン!」は最高すぎてマイナポイントの消化に最適だった!(ついでに攻略参考資料も作ってみた)

6,000円相当でJR東日本の新幹線往復チケットが手に入るガチャ企画「どこかにビューーン!」はとてもお得で面白いキャンペーンだよ、首都圏在住でJREポイント6000ポイント以上持ってたらぜひ参加してみよう、というお話。目次はこちら。

  • 「どこかにビューーン!」とは?
    • 駅レンタカーとのキャンペーン
  • キャンペーン対象駅のまとめ
    • 対象駅一覧
    • 始発・終電時刻に注意
      • 平日始発
      • 土曜休日始発
      • 平日終電
      • 土曜休日終電
  • 実際にこのキャンペーンで親子で山形旅行してきた
    • 申し込みと事前準備
    • 実際の山形旅行

「どこかにビューーン!」とは?

先日新潟に行った時に、ふとした拍子にJR東日本の新幹線ガチャ企画「どこかにビューーン!」を知ったのだった。

dokokani-eki-net.com

実は昨年12月からこのキャンペーンは始まっていたらしいので、もっと早く知るべきだったと後悔(こんなことならしばらく前にJREポイントカードやVIEWカードで貯まったJREポイントをSuicaにチャージするんじゃなかったぜ)。

簡単にいうとこんな感じの企画だ。

  • JREポイント6,000ポイント(6,000円相当)で東京・上野・大宮発、JR東日本圏内のランダムな新幹線駅着の、新幹線往復指定席のチケットが手に入る。
  • まず、往復の日程と時刻(5つの時間帯から選ぶ)を選択する(時刻は指定しないことも可能だが、そうすると行きは終電、帰りは始発、などとなる可能性もあるのでお勧めできない)。
  • ガチャを回すと行き先となる4つのJR東日本の新幹線駅が表示される(ガチャは1日一定回数回すことが可能)。
  • 満足のいく4つの駅の組み合わせが出てきたら、それで注文すると、3日以内に最終的な行き先駅1つと日時が決定する。
  • その旅程の指定席チケットは、新幹線eチケットとして入手できる。

4つの駅を選ぶところまでのガチャは、申し込むことなしに何度でも体験できるようになっている(結果として表示される駅の簡単な観光ガイド付き)ので、試してみると面白いだろう。サンプルはこんな感じだ。

まとまった額に対応するJREポイントがないと利用できないのは玉に瑕だが、たとえばマイナポイントのキャッシュレスサービスにJREポイントを選択した場合(SuicaへのチャージはJREポイントを経由する)は最大27,000ポイントが入っているはずだ。4往復使ってまだ余る。マイナポイントがなくても、たとえばVIEWカードを持っていたりすると結構JREポイントは貯まるので、一度残ポイント数のチェックをしてみると良いだろう。

さらにこのキャンペーンがすごいところは、土日であろうが連休であろうが取れるし、普通に新青森や秋田までのチケットも取れる場合があることだ(実際ネットを検索すると取れている人がいる)。6,000円で東京・新青森往復は安いよ!

ただし、子供だからと言って半分の3,000ポイントになるわけではなく6,000ポイントのままなので、子連れの場合のお得度は下がるのだが、それでも数駅の例外を除いて通常料金よりお得であり、遠方の駅が当たると、子ども通常料金と比較しても半額以下となる。

駅レンタカーとのキャンペーン

さらにJR系列の駅レンタカーを併用する場合は、「どこかにビューーン!」キャンペーンプランがあって、それは以下の通りだ。かなりお得度が高い。

  • 「どこかにビューーン」利用ポイント数からJREポイントに10%還元(つまり実質5,400ポイントとなる?)
  • 駅レンタカー料金が10%引き(免責保証・NOCチャージ込み)
  • 駅レンタカー利用分のJREポイントが10倍付与

www.jrerl.co.jp

ただし、新幹線駅と駅レンタカーの営業所には一定の紐付けがあるので、それを満たす形の利用をする必要がある。さらに数駅、駅レンタカーが利用できない(もしくは利用が困難な)新幹線駅があるため、レンタカーを利用する際は、最初の4駅を選ぶガチャの際に、それらの特定駅を避けることが望ましい。

注意: なお、キャンペーンでレンタカーを利用する際は、予約メールにも書かれている以下の手続きをきちんと実行しないと基本料金10%引き以外の特典はつかないようだ(実は今回これを見逃していたので多分つかない…)。キャンペーンによる割引率がでかいので、次回からは気をつけよう。

(2023年11月30日追記)上のように思っていたのだけれども、2ヶ月後無事に1200ポイント(2人分)戻ってきた。少なくとも大丈夫な場合もあるらしい。それにしてもポイント還元まで時間がかかるんだな。そういえばレンタカーでのJREポイント10倍付与は1ヶ月後くらいにきていたな。いつもより10倍くらいの付与率だった。

キャンペーンや割引商品にてご予約のお客さまにつきましては、ご利用条件に合致するきっぷ・きっぷ購入画面・カード・会員証等のご提示が必要となります。いずれのご提示もない場合は、基本料金10%引の料金となりますので、予めご了承ください。

「えきねっと+駅レンタカープラン」利用時にご提示いただく列車の申込履歴詳細ページの表示方法について:https://www.jrerl.co.jp/eki-net/kakunin

(駅レンタカーの予約メールより抜粋)

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タイ料理が好きなら、ホーリーバジルを育てようぜ!

ホーリーバジルを育てる理由

タイ料理が好きだ。家にパクチーが常備されていると便利だ。プランターで育てよう、という発想になるのは非常に自然なことだと思うし、かつて自分もやったことがある。

でも意外に「買ったほうが美味いんじゃない?」とか思うこともあって、結局食べたくなったらスーパーでパクチー買ってくるというパターンに落ち着いてしまっている。そもそも10年とか20年前ならともかく、最近は普通にスーパーの野菜売り場でパクチー売っているしね。

そんな自分だが、今年はホーリーバジルの栽培をプランターではじめて、大いに満足している。ホーリーバジルをプランターで育てるのは、以下の点で満足度が高いし有用である。

  • 普通のスーパーではフレッシュなホーリーバジルは売ってないことが多い
  • 生命力旺盛なので育てるのが簡単でどんどん収穫できる
  • スイートバジルでは出せないあの香りが家で楽しめる

そんなわけで、まだ収穫時期の真っ最中ではあるのだけれども、とりあえず今年のあれこれについてまとめてみよう。

ホーリーバジルが家にあると美味しい

まあ、今年は最初の年でホーリーバジルがどんなものかもわかっておらず、手探り状態で始めたので、実際はガパオではなくトゥルシーの方を育ててしまった…。

というのは、ホーリーバジルはタイではガパオと呼ばれ、インドだとトゥルシー、台湾だと九層塔と呼ばれるのだけれども、まあこれらは基本的に同じホーリーバジルではあるが品種が違い、若干香りも異なる、ということっぽい。

でも実際料理に使ってみると、少なくとも自分には違いがあんまりわからないよ。スイートバジルとは全然違うことはわかるけど。あとトゥルシーの方がハーブティの材料としては有名の模様なのでその点は良かったかも。

まあ、今年はトゥルシーの経験を積んだことだし、来年はガパオと九層塔を育ててみようかな。

とりあえずインド料理でのホーリーバジル活用法はよく知らないんだけど、タイ料理だと日本でもメジャーなガイパットガパオ(鶏のガパオ炒め)の重要なハーブだし、激辛焼きビーフンのパッキーマオの香りづけにも使う。台湾だと九層塔茄子とかが有名かな。あとググると九層塔炒蛋(バジルオムレツだな)とか、三杯鶏(鶏肉炒め?)とかあるっぽい。

あと、タイでのバジルはガパオの他にもホーラパーという品種とバイメンラックという品種があって、こちらはまた香りがかなり違うらしい。前者はグリーンカレーに使うらしいのはわかるんだけど、後者はググるといろんな食べ方してる人がいる。謎だ。

ともあれ、こういう料理がプランターから収穫したばかりのホーリーバジルを使ってサクッと作れるのは最高だな。

(ちなみに最近、タイの唐辛子のプリッキーヌを作っている農家さんが、俺がよく買い物に行く某JAの直売所に置いてくれていて、緑と赤の両方をたくさん買ってきて冷凍してあるので生唐辛子も困らない。これも珍しいのだけれども、冷凍が効くので、ものぐさな自分としては今ひとつ自分で栽培するモチベーションが上がらないのである)

あと、単純に洗って急須に入れてお湯を注いで待つだけで、フレッシュハーブティになる。これがまたいい香りなんだな。


今年の栽培で気がついたこと

とりあえず、栽培法の詳細についてはスイートバジルとほとんど変わらず、そしてスイートバジルであればその道の達人の方々が色々書いているブログの類があると思うのでそちらを参照していただくとして、今回栽培してみて知ったこと、気がついたことを、自分の記録としていくつかまとめてみよう。

花が出てきたらその下の葉をいくつかまとめて刈り取ろう

4月に種を蒔き、しばらく経つと茎が伸びてきて葉がどんどん出てきて、割とすぐ(6月中?)に一部の茎から花が咲きそうになってしまった。

どうやら花が咲いて種子ができてしまうと、そっちに養分が取られて香りが落ちてしまうらしいので、花が出てきたらその下の葉を数段とまとめて刈り取ってしまおう(この作業「摘心」って呼バレてるみたいね)。

あと、単に食べたい時も葉を数段分まとめて刈ってしまおう。

刈っても刈ってもどんどん刈った場所の直下の葉のところから新しい枝が生えてくるのでどんどん食べられる。どうやら10月、11月頃まで収穫できるらしいので、ガンガン食べよう!

刈り取った茎はそのまま水栽培可能、根が出たら植えられる

刈り取った茎が余ることがあるが、下の方を輪ゴムでまとめて水を入れたコップにでも突っ込んで窓際にでも置いておくと勝手に根が出てくる。次に食べるときまでこの状態で水栽培してもいい。

また、この状態になったらプランターに植えかえるとそのまま育つので、新しいプランターに植えて株を増やすもよし。こうしてさらにどんどん食べられる。


虫がつきやすいので、対策が必要なことがある

葉を食べる作物だけに、虫がつくと結構困る。アブラムシの類はもう発生した一帯を適当にバッサリ刈り取って捨てた(刈り取ってもすぐに枝は復活するので)。あとバッタなどがどんどん葉を食べるので、防虫ネットを買って試してみたけれども、これは結構優秀だった。

まあ、完全にバッタの類が防げるわけではないけれども、防虫ネットつけたプランターとそうでないやつでは効果は明らかだったな。

プランター栽培だと水を切らすとしなしなになるので注意

プランターだと、1, 2日水を切らすと目に見えてしなしなになってしまう。まあ、枯れてしまう前であれば慌てて水を撒けば復活するのだけれども、数日泊まりの旅行に行くこともあるので、自動水やり機を導入した。

屋外に蛇口やコンセントを手配できないこともなかったのだけれども、トラブルの可能性などを考えると、タンクから吸水して電池で動作するものが良いな、ということで、タンクから太陽電池で吸水するタイプにしてみた。

買ってみてわかったこととしては、この機種独自の問題かもしれないけれども、タンクの水位がプランターへの給水ポイントより高くなると、サイフォンの原理で(少しずつではあるが)勝手に給水されてしまうようだ。なので、よくある縦に長いタンクを用意しても3日くらいで空になってしまう。

ということで、旅行中はできるだけ広い水槽を用意しようということで、結果的には赤ちゃん用プールに重しを置いてそこに水を溜め、そこから給水することとした。これで4泊5日間は、問題なく給水を行うことができた(流石にずっとそのまま置いておくのは蚊が心配なので、旅行から帰ってきたら日常利用のタンクに戻した)。

まあ普段も朝夕自動で忘れずに給水してくれるのは結構嬉しい。

というわけで…

自宅でホーリーバジルがあると嬉しいぞ! 実際のところうち(横浜市)で何月まで収穫できるかわからないけど、それまで思う存分いろんなメニューで食ってみようと思う。

「超凱旋!タローマン」(川崎市岡本太郎美術館)

さて、本当はもっと早く行くつもりだったのだが、またしても岡本太郎美術館に年パスで行ってきた。今回の企画展は「凱旋!岡本太郎」で、岡本太郎美術館の改修中に全国の岡本太郎展で展示されていた作品を中心にしたと思われる展示で、企画展と常設展のスペースを全て使って開催されている。問題はそれと同時開催されている入場無料の「超凱旋! タローマン」である。「凱旋!岡本太郎」が「I'm home.」なら、「超凱旋! タローマン」は「Go home!」だ。帰ってくれタローマン。いいじゃないか。

ということで、一応誰でも無料で入れるスペースで、NHKのネタ再放送番組「タローマン」に関する展示が行われているのだ。タローマンの着ぐるみもいるぞ。ちなみにタローマンの顔は「若い太陽の塔」(日本モンキーパーク、愛知県犬山)の顔がモチーフだな。実はまだ実物を見たことがない。

撮影に使われた着ぐるみも大部分が展示されている。素晴らしい。

この右側の「重工業」くんもなかなかすごい。

うわ、「大権威ガ・ダーン」さんもいるぞ。

いやしかし、これだけ本編に出てきた着ぐるみやミニチュアが一堂に会しているとなかなか壮絶だな。

奇獣「森の掟」、妙にこのジッパーが思っていた以上にリアルにジッパーだったのだな、と、テレビを見ていた時は気が付かなかった感想を抱く。

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