xckb的雑記帳

身の回りにあったことを雑多に語ります。

アニメシ「白い砂のアクアトープ」:マンゴーラフテーとうどんチャンプルーを作ってみた

ああ沖縄に行きたいぞ。コロナが全て悪いんだがもう2年以上沖縄に行っていない。そんな俺には2021年夏秋2クールアニメの「白い砂のアクアトープ」が癒しである。沖縄県南城市の閉館寸前の水族館を舞台に、夏休み中の館長代理として閉館を防ごうとする女子高生「海咲野くくる」と、夢破れて沖縄にたどりついた元アイドルの少女「宮沢風花」の二人を中心とした物語。作中に出てくる沖縄料理がついでに美味そうだ。

aquatope-anime.com

プライムビデオでも配信しているので、見逃していたという方はぜひ。

そんなわけで、沖縄だとか料理だとか、このブログによく出てきてタグにもなってるキーワードたちが俺の琴線を刺激しまくるので、とりあえずアニメシを超久しぶりにやってみようということに。ちなみに前回アニメシをやったのはグランベルムのトンカツマンなので、相当に久しぶりなのである。

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ともあれ、今回の目次はこんな感じでいってみよう。

うどんちゃんの料理を作ってみよう

ということで、このアニメでは美味しそうな沖縄料理が色々と出てくるわけだが、やはりアニメシの道に則るのであれば、ここではその中でも特徴的な料理からいってみるのが良いだろう。つまり第6話の「マンゴーラフテー」と第5話の「うどんチャンプルー」である。これらの料理は劇中の「ごはん屋カメー」という店で提供される。なぜ5話と6話が順番逆転しているのかというと、インパクトの差だよな、やっぱり。

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出典:「白い砂のアクアトープ」第3話

これらの料理を出してくれるのは、このカウンター奥にいる「うどんちゃん」こと照屋月美さんである。なぜうどんかといえば「つきみ」だからという謎の理由でうどんちゃんである。くくるの同級生。

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出典:「白い砂のアクアトープ」第3話

そんな彼女の創作料理の一つがこのマンゴーラフテーであるが、店主である母親には今一つ評判がよろしくない、という設定だ。母親が珍しくマンゴーラフテーを注文したので出したのがこの一皿だが、ちょっとこの量は一人二人で食べるには多すぎる気がする。売れずに余って閉店直前なのだろうか(失礼)。

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出典:「白い砂のアクアトープ」第6話

もう一つの創作料理は、まかない飯として風花に出したこの「うどんチャンプルー」。多分「うどんちゃん」の名前から駄洒落で考えただけと思われる。こちらは劇中で作る過程がしっかり描かれているので再現がとても容易だ。

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出典:「白い砂のアクアトープ」第6話

マンゴーラフテー

さてマンゴーラフテーだ。さすがにアニメの中に出てくる皿のような量のマンゴーラフテーを作る度胸はなかったので、買ってきた三枚肉(900gくらい)の約半分をマンゴーラフテーにすることとした。アニメではラフテーとしては薄めにカットされていたのでそれに従った。わりとアニメと見かけと色合いは似た感じになったんじゃないかな? 黒糖で煮るのがこういう色にするポイントだと思う(実際その方が美味しいし)。

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肉の残り半分は普通のラフテーに。こちらはいつもうちでラフテー作る時と同じようにわりと「角煮!」という感じのカットにしてみた。

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マンゴーラフテー、肝心の味は、というと…これが意外なことに結構いけるのだ。もともと黒糖が入っているから甘味が強すぎるということもない。というより、通常のラフテーと食べ比べてみると、マンゴーラフテーにはふんわりとマンゴーの香りが漂うところが最大の違いだ。これが邪魔だ、と思うような「酢豚にパイナップルとか絶対許さないマン」みたいな人じゃなければ、そこそこいけるのではないだろうか。

マンゴーラフテーに関する考察

さて、マンゴーラフテーを再現するにあたって、なぜマンゴーかを考えた。マンゴーはパイナップルや舞茸同様にタンパク質分解酵素を持っているが、これを生かして肉を柔らかくするという効果を狙ったのか? だがパイナップルや舞茸よりはずっと酵素は弱いはずだし、熱で分解される酵素を活かすには生のマンゴーを肉に作用させる必要があり、色々と大変だ。ということでマンゴーの役目はたぶん味と香り、食感だけだろう。

と判断すると、一年を通じての入手性の良さと、煮込んだときの煮崩れを防ぐためには、生のマンゴーよりもドライマンゴーが望ましいだろう。また、ググってみると、ドライマンゴーを煮込み料理に使う例はあるようだが、生のマンゴーを使う煮込み料理はほとんど発見できなかったので、おそらくその意味でもドライマンゴーが正解だろう。沖縄県産マンゴーとか高くてもったいなくて使う気にならないし(そもそもそのまま食った方が絶対に美味い)。

というわけで全量をマンゴーラフテーに使うと仮定して、大雑把なレシピをメモしておこう(分量なんて正確に計ってないので間違ってたらごめん)。

材料(マンゴーラフテー)

  • 豚バラブロック(可能なら皮付き)900g
  • 泡盛(30度くらいの安いやつ)2カップ
  • 醤油 125mlくらい
  • 黒糖 固まりのままガラガラとカップに入れて醤油の目盛りと同じあたりまで(つまり醤油よりは少なく)
  • かつお系の顆粒だし 3、4カップ相当分(暇だったらちゃんとダシを取っても良いが、そんな繊細なダシが求められているわけではない)
  • 水 2カップ
  • ドライマンゴー 適量

レシピ(マンゴーラフテー)

  1. 豚バラブロックは大雑把(今回は4つに分割)に切って鍋に入れ、水(分量外)をたっぷりと注いで火にかける
  2. 煮たったら、適宜ひっくり返したり、アクを取ったりしながら1時間煮込む(肉はそれなりに縮む)
  3. 肉を取り出し、冷まして適当にカットする(冷ますのは、熱いままだと包丁で切るのが大変だからなので問題なければそのまま切っても良い)
  4. ドライマンゴーも適当にカットする
  5. 鍋に泡盛、醤油、黒糖、顆粒だし、水を混ぜる
  6. さらにそこに肉とドライマンゴーを入れて落とし蓋を落として弱火で1時間30分以上煮込んで出来上がり

水が少なくなりすぎると黒糖が焦げるので、そうなる前に水を入れて調整しよう。落とし蓋は物凄い量の脂を受け止めるので、ちゃんとしたやつじゃなくてクッキングシートを切って落とすのがオススメ。

余ったらジップロックで冷凍可。

(マンゴー除けば普通に美味しいラフテーのレシピだよ)

うどんチャンプルー

うどんちゃんのまかない飯、うどんチャンプルーだけれども、先ほど述べたとおり劇中に調理シーンがそれなりに描かれているので、それを再現するだけである。まあ、普通に想像した通りの味で普通にうまい。そしてテレワークランチとして作って後片付けまでできる程度には簡単で短時間調理可能である。

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うどんチャンプルーに関する考察

まあ、あまり考察するような余地もないのではあるが。

うどんちゃん、麺は冷凍うどんをレンジで加熱している。茹でうどんでも、フライパンに麺を乗せて30ml/玉ほどの水を加えて火にかけて菜箸をぐるぐるするとあっという間に麺はほぐれるので、茹でうどんでも問題ない。

肉は豚バラ薄切りを使っている。ポーク缶をチャンプルーに使う店は多いが、俺はチャンプルーの肉としてはポーク缶より豚バラ薄切りの方が好きなので、これはある意味大歓迎である。

ちなみに、チャンプルーという料理は島豆腐の入った炒め物のことを指すので、島豆腐の入っていないこの料理は正確にいうとチャンプルーではないのだ。とはいえこの定義を厳密に適用するとソーミンチャンプルーやフーチャンプルーもチャンプルーではないことになるため、ま、どうでもええやん、ということでいいと思う(一応、厳密にはソーミンタシヤー、フータシヤーが正しいとされる)。

味付けはアニメでは描かれていなかったが、ここでは簡単にするために「沖縄の麺つゆ」、つまり沖縄そばのだしを使おう(大別して豚骨系とかつお系、粉末系と濃縮系があるが、今回はサン食品の豚骨・濃縮系を使った)。内地の一般家庭では、麺つゆほど回数を使わないと思うので、瓶よりも小分けタイプが便利だろう。

ということで今回のレシピをメモ。うどんちゃんと風花の2人分、に調整してみる(上の写真は1人分に卵1個を使ったのでこのレシピより卵が多くなっているが、アニメのイメージからは2人で卵1個が適当だろう)。

材料(うどんチャンプルー)

2人分。適量ってやつはアニメのイメージを見て自分で調整して。

  • 冷凍うどん 2玉(茹でうどんでもOK、上の考察部分を参照)
  • ゴーヤー 適量
  • 人参 適量
  • 豚バラ薄切り 適量
  • 卵 1個
  • 濃縮沖縄そばだし 1杯分 (サン食品の小分け1パックを利用)
  • 花鰹 適量

レシピ(うどんチャンプルー)

  1. ゴーヤーは半分に割り、スプーンで種とワタをこそげ落とし、スライスする
  2. 人参は短冊切りにする
  3. 卵は器に割っておき、溶いておく
  4. 豚バラ薄切りは食べやすい大きさに切る
  5. うどんはパッケージの案内に従ってレンジでチンして解凍する
  6. フライパンに少量の油(分量外)を敷き、豚バラ薄切りを炒める
  7. 色が十分変わったところでゴーヤーと人参を投入して炒め合わせる
  8. 野菜に適当に火が通ったところでうどんを投入し、沖縄そばだしを加えてさらに炒め合わせる
  9. 炒め終わったら皿に盛り付け、花鰹をたっぷりと振っておく

流石にまかない料理、簡単だね!

ついでにゴーヤーチャンプルー

うどんチャンプルー作ってゴーヤーが余ったので、オーソドックスにゴーヤーチャンプルーも作ってみた。久々に作ったが結構美味しくできて満足。ちなみにこの料理の名前はゴーヤチャンプルではありません。ゴーヤーチャンプルーが正しい呼び名です。流石に作中のカメーのメニューはその辺りちゃんとしている(後述)。

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ちなみに「白い砂のアクアトープ」でのゴーヤーチャンプルーはこんな感じ。まだ鰹節を振っていない状態かな。うん、やっぱりチャンプルーはポーク缶より豚バラ薄切りだよ(ラフテー作るときの、1回目の茹でた後の豚バラブロックを細長く切ったやつを使うのも好きだけど)。

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ちなみにこれらの料理に使った器はすべて、俺が大好きな中城村の陶房・火風水(ひふみ)さんの作品だ。うちにある火風水コレクションを、先日この記事でまとめておいたので興味ある方は是非。

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おまけ

ということで、最後におまけを少々。

ごはん屋カメーの場所とメニュー

まあ、本ブログには結構な数の聖地巡礼関係記事があることもあり、コロナがなかったら今頃この「白い砂のアクアトープ」の聖地巡礼に行っていたかも、という感じなのだが、まあそのノリに一瞬戻ると、ごはん屋カメーの場所は、斎場御嶽に行く時に止める駐車場のすぐ近くだ。

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出典:「白い砂のアクアトープ」第3話

Googleストリートビューだと現状では空き地だね。

第3話のこのカメーのシーンで、メニューが結構大写しになっているのだが、なんか実に沖縄の居酒屋らしいメニューだよね。どこかモデルのお店とかあるのかな。

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出典:「白い砂のアクアトープ」第3話

ということで、ゴーヤーチャンプルーはちゃんとゴーヤーチャンプルーだよ。まあ魚のメニューが少ないのは沖縄の居酒屋だと通常だけど(たしかグルクンは壁の短冊メニューのどこかで見た)、貝のメニューが無茶苦茶多い! まあ、これだけ貝のメニューがあるなら、せっかくだから夜光貝とかシャコ貝が欲しかったな、的なことを思わないではない。

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出典:「白い砂のアクアトープ」第3話

壁に短冊で貼ってあったメニューには、ヒラヤーチーとかドゥル天とかチキアギとかメインのメニューに載っていない料理が。それにしても来週のランチタイムメニューをリクエストする欄があるのは面白いな。現在のところリクエストは人参シリシリと山羊刺しか。ランチで山羊刺しいくのか? ともあれ、なかなか芸が細かくて良い。

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出典:「白い砂のアクアトープ」第6話

内地での沖縄食材入手について

ところで最近は近所のスーパーでも結構ちゃんと島豆腐が常に置いてあったりして嬉しい。今回使った材料では、流石に沖縄そばのだしとかはわしたショップで仕入れてきたし、残念ながら皮付き三枚肉とかはたまにしか置いてないので今回は諦めたんだけど、そういうやつもそのうち手に入りやすくなると良いな、と思う。

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何しろ、25年から30年前くらいは、内地のスーパーにはゴーヤーさえ置いていなかったのだ。まさに30年前、1991年に発行された「美味しんぼ」28巻では、ゴーヤーは山岡が沖縄に行ってクーラーボックスに入れて飛行機で持ち帰るものだし、究極至高の対決で山岡がゴーヤーチャンプルーを出すと、その場にいるおっさんたちはゴーヤーの存在自体を知らないのだ。

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出典:「美味しんぼ」第28巻(1991)

たったの25年やら30年やらでこのように人の意識は移り変わるのが面白い。まあこの件に関しては、やはり「ちゅらさん」(2001年上半期NHK連続テレビ小説)とその中に出てきたゴーヤーマンが偉大だったのかも知れない。

ちなみにこのDVD-Boxは俺も持っている。そして今でも売られ続けているゴーヤーマン。ありがとうゴーヤーマン。

「色づく世界の明日から」新装Blu-ray Box発売

「白い砂のアクアトープ」といえば「凪のあすから」や「色づく世界の明日から」の流れを組むP.A.WORKS作品なのだが、この「色づく世界の明日から」の新装版Blu-ray Boxが11月5日に発売となるということで、ポチってしまった。

これも実に素敵な、美しい作品だったな。もう3年経ってしまったのか。気になっていたけど円盤買い損ねてた、という俺のような人はこのチャンスに是非!


「白い砂のアクアトープ」の円盤も同じ頃(10月26日)に第1巻が発売。くくると風花のジャケットアートが良いね。