xckb的雑記帳

身の回りにあったことを雑多に語ります。

「『岡本太郎の愛した沖縄』展」(川崎市岡本太郎美術館)

さて、古巣でもある向ヶ丘遊園界隈の川崎市岡本太郎美術館にまた行ってきました。今回の企画展は「『岡本太郎の愛した沖縄』展」です。

f:id:xoc:20160430115901j:plain

ゴールデンウィークということで、入り口のところには岡本太郎デザインの鯉のぼりが今年も泳いでいました。

f:id:xoc:20160430120131j:plain

「母の塔」のところでは、子供たちの作ったオリジナル鯉のぼりがたくさん。どうやら4月23, 24, 29日に小学生以上の子供たちを集めた「TARO鯉にいどむ!2016」というイベントがあって、そこで作成された鯉のぼりのようですね。

f:id:xoc:20160430120313j:plain

続きを読む

ブラタモリ・那覇編の感想と雑学的な何か(5) 壺屋から水上店舗、ガーブ川

さて、やっとのことブラタモリの那覇にかこつけて書いてきたこのシリーズの最終回となる第5回です。長くかかってしまいすみません。前回はこちら。

xckb.hatenablog.com

今回は戦後の復興から現在の那覇中心地へと至る、この番組で言うところの「ニュー那覇」の話です。

f:id:xoc:20160424100800j:plain

戦後の那覇の復興の発端となった壺屋。家の食器のかなりの部分が沖縄のやちむんである私としては恥ずかしながら、この辺りのストーリーはよく把握していませんでしたが、よく考えれば沖縄戦で米軍が占領した地域の住人は基本的に収容所行きになっていたのだから、地上戦で廃墟となった那覇には当初そもそも民間人がいなかったのですね。まずはやちむんの職人を、戦災の比較的軽かった壺屋に戻すことで、食器づくりという最初の産業を復興させるという形で那覇の復興の第一歩が踏み出されたとは…。まだまだ勉強がたりませんでした。

そういえば南窯(ふぇーぬかま)の下は何度も通っているけど、窯のところまで登ったことはなかったな。自由に行けるのかな?

f:id:xoc:20160425225411j:plain

続きを読む

ついに復刊! 古屋兎丸『Marieの奏でる音楽』

私がふと思い出したようにAmazonを検索してしまう本がいくつかあります。好きだったけれども廃刊してしまった何冊かの本を、「復刊していないかな、しているといいな」…そんな儚い希望で検索するのです。

そして4月19日、ふと偶然検索したそんな一冊が、なんとまさにその日に復刊していたことを発見しました。古屋兎丸の初期の漫画「Marieの奏でる音楽」です。

Marieの奏でる音楽

Marieの奏でる音楽

  • 作者:古屋兎丸
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2016/04/20
  • メディア: コミック

というわけで、早速家に帰って昔のオリジナル版を読もう、と思ったら…本棚をいくら探しても…ない。この作品だけではなく、古屋兎丸の初期の作品「Palepoli」「Garden」「Wsamarus 2001」あたりが全部まとめてない! 本当にない!!

Palepoli

Palepoli

  • 作者:古屋 兎丸
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2003/05
  • メディア: コミック

Garden (Cue comics)

Garden (Cue comics)

  • 作者:古屋 兎丸
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2000/03/01
  • メディア: コミック

Wsamarus 2001 (Cue comics)

Wsamarus 2001 (Cue comics)

  • 作者:古屋 兎丸
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2000/08/01
  • メディア: コミック

なんかそういえば、記憶をたどると昔の引っ越しの時か何かで、このあたりがまとめて無くなったことがあったようななかったような。どうも嫌な記憶なので封印していた気がします。人間の記憶って本当にポンコツですね。

とりあえず今だとこれら3冊は電子書籍で出ているので、とりあえずKindleで買い直しました(でも「Garden」に収録の、あまり一般にはお勧めしがたい恐るべきエログロ作品の「エミちゃん」の袋とじは、電子書籍だと当然再現不能だし、かと言って古書だとまず袋とじは破られていると思うし…と、少々悩ましいところです)。そして「Marieの奏でる音楽」は、新装版の到着を待ったのです。

続きを読む

ブラタモリ・那覇編の感想と雑学的な何か(4) 御物城と那覇軍港

少し間が開いてしまいすみません。ブラタモリ那覇編について。その4です。ちなみに前編はこちら。

xckb.hatenablog.com

今回の内容に入る前に前回のイベガマの件の補足を少々。

あのあと、琉球王国の正史書である「球陽」(1745年)の長虹堤界隈に関する記述を読んでみたのですが、イベガマに関しては長虹堤建設の際に亡くなった安波根祝女(あはごんのろ)を祀って造られたチンマーサーである、という説以外にももう一つ説が紹介されているのですね。要約すると…。

昔、瀬長按司(しながぬあじ)という王の娘婿がいたのだが、その夫人はとても美人だった。大城按司(うふぐしくあじ)がその夫人に横恋慕して瀬長城へ行き、瀬長按司と酒を飲み、瀬長按司が酔いつぶれたのに乗じて瀬長按司邸に走り、夫人を手籠めにした。これを何度も繰り返しているうちに世の人の知る話となり、王は激怒。大城按司を召し寄せた上で兵を出して待ち伏せ、そこで殺害した。この死骸を葬った場所が威部竃である。

…なんという話の落差。まあ、意外にこういう散文的な話のほうが歴史の真実に近かったりするのかもしれませんが…なんだかね(笑)。ちなみに「球陽」の書き方だとこちらの説のほうが先に書いてあって、安波根祝女説のほうが「もう一説」扱いです。「球陽」は「大城按司」説のの出典を「遺老伝」と記していますが、こちらも結構面白そうなので今度目を通してみようかな…と思ってOPACで探してみると「遺老伝」ってのは見つからない。少し違う「遺老説伝」なら「球陽」の別巻としてあるので、それを図書館から借りてきてみたのですが、…いざ読んでみるとなんか見覚えのある話ばかり書いてある。ということで、家を探したら、実はもう持ってました。

f:id:xoc:20160327125207j:plain

メインタイトルに「遺老説伝」が入っていなかったから、最初はこれが「遺老説伝」口語訳だと気が付かなかったんですね(サブタイトルに入ってる)。それにしてもこの本、そんなに古い時代の民話集が元だったのか。どうりでヤバい話が結構平気で載っているもんだ(とてもじゃないが今時の民話集だと各種配慮で書けない系…)と思いました。1969年の本なので沖縄返還前のもの。それにしても装丁がレトロ過ぎないか(各ページが袋状になっている)。価格が1,300円になっていて、あれ、当時の通貨ってドルじゃなかったの? とちょっと不思議になっています。

f:id:xoc:20160327125242j:plain

これ、当時(18世紀初め)の琉球の民話をまとめてあって、とても面白い本なのです。しかし、この本にも借りてきた「遺老説伝」にも上記のエピソードは書いていない。もしかして「遺老伝」という別の本があったりするのかな? 不明です。

続きを読む

「四月は君の嘘」聖地巡礼番外編:二度目の春

さて、もう「四月は君の嘘」の終了から早くも1年が経ってしまったのですね。そんな春が来ました。あらためて君嘘をまた1話から見はじめて、今12話まで来たのですがのですが、やっぱり何度見ても素晴らしい作品ですね。

そんな年度末のバタバタする3月31日、朝からなかなか良い天気だったので、修羅場の徹夜勤務前に練馬に寄り、君嘘の聖地をいくつか回ってきました。カメラは富士フィルムのX-T10とリコーのTHETA-Sを持っていったので、昨年の桜の時に作ったベージよりは綺麗になっていると思います。X-T10の写真は、ほとんどXF23mm F1.4で撮りました(一部iPhone6で撮った写真あり)。

練馬高野台の桜は、まだまだな場所もあったものの、この「友人Aを代役に任命します」のあたりはほぼ満開でした。偶然に感謝。ところで今更気がついたのですが、この桜の間に植えられている小さな木は椿なのですね。いろいろ出来過ぎてる。

f:id:xoc:20160331101428j:plain

こんなところで待ち伏せされたい…。

f:id:xoc:20160331102759j:plain

全天周カメラも初代THETAからTHETA-Sになって、とても綺麗な画像になりました(理想のTHETAスタンドも導入したので視野の高さが自然になったし)。

ということで、「四月は君の嘘」の練馬高野台の桜はほぼ満開です。 #君嘘 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

続きを読む

「僕だけがいない街」アニメ版最終回感想:いいんだけどなんかもやもやする…

というわけで、ついに最終回を迎えたアニメ版「僕だけがいない街」ですが、全12話の第11話からオリジナル展開が入ってきてはてさてどうなった…。とりあえず第5話まで見た時の感想はこちら。

xckb.hatenablog.com

最終回を見て…なんというか、悪くないんだけどもやもやするんだよね。

アニメから知って、アニメだけ見ている人には割といい最終回だったとは思うんだ(twitterとか検索してみるとわりと好評のようだし)。でも原作6巻〜8巻の展開が好きすぎる原作厨気味の俺にとってはかなり微妙。


10話までは、多少の不満はあるものの、それを補って余る形でとても良かったんだけど、11話以降には正直不満の方が多い。それでも「極黒のブリュンヒルデ」の時ほど酷くはないのは今回はオリジナル展開を採用したからとも言えるんだけど(ブリュンヒルデは原作通りに終盤を詰めた場合のかなり最悪に近いサンプルだと思う)。

そもそも、やっぱりこのアニメの企画を聞いた時に一番不安だったのが「1クールで尺足りるの?」だったのですが、結局全体の進行はこんな感じでしたね。

アニメ 原作
1話 1巻
2話 2巻
3話 2巻
4話 2巻
5話 3巻
6話 3巻
7話 4巻
8話 4巻
9話 4〜5巻
10話 5巻〜6巻
11話 6巻〜7巻+アニメオリジナル
12話 6巻〜8巻+アニメオリジナル

結局、大体1巻2話くらいかかる計算と、原作の各巻が実にいい「引き」で終わっているのでその「引き」を各話の最後に合わせようとすると、全8巻で16話くらいないと収まらないんだよねこの話。まあ、1巻と7巻は1話でできそうだからそれでも14話か。ノイタミナにしては1話長い全12話でも1時間ほど尺が足りない。

こうしてみると原作全11巻を2クール22話に収めて原作とアニメがほぼ同時に終了した「四月は君の嘘」とかは本当に企画段階の段取りが見事だったんだな。

というわけで、実に事前に予想された危惧が、最悪(ブリュンヒルデ状態)よりはだいぶマシな状態(そこそこ良くできたオリジナル展開)で解決されたものの、かなりもやもやしている私なのでありました。





以後、原作最終話までへのネタバレはありますので、原作を読む予定のある方は、できれば原作を最終回まで読んでからこちらを読まれることをお勧めします。っていうかみんな原作も最後まで読んで! お願い。

続きを読む

ブラタモリ・那覇編の感想と雑学的な何か(3) 長虹堤・イベガマ・長寿宮

さて、ブラタモリ・那覇編について、パート3です。前回長虹堤について大幅に寄り道しながら語っていたら、到底語り尽くせなかったので、パート3でも長虹堤の話から始めます。

f:id:xoc:20160320213947j:plain

前編はこちら。

xckb.hatenablog.com

長虹堤は1451年、安里橋(現在の崇元寺橋の直ぐ側にあった橋)から伊辺嘉麻(イベガマ、イビガマ)と呼ばれる場所までの約1kmの浅瀬を結んだ堤であり、番組で触れられた通り、国際貿易港であった那覇と首里を結ぶ陸路として作られたものでした。

この「イベガマ」については、私は以前からずっとその正体を謎に思ってきました。現存していないためどのような物であったかは直接的には分からないのですが、どうやら「威部」(御嶽のこと)と「竈」(洞窟のこと)と合わせた言葉らしく、長虹堤建設の際に亡くなった安波根祝女(あはごんのろ)を祀って造られたチンマーサー(石で囲って作った御嶽のこと)らしい。「ガマ」ということはもしかするとそれ以前から洞窟があったのかもしれません。

一方で長虹堤の建設を指揮した国相の懐機は、難工事を可能とした神威に感謝して「長寿寺」と天照大神を祀る神社を作ったと伝えられています。

そんな知識を持って、あらためて昔の資料をいくつも見てみるのですが、写真も残っている安里橋はともかく、やはりどうにもこうにも長虹堤のもう一端のイベガマの正体はよくわかりません。

続きを読む

ブラタモリ・那覇編の感想と雑学的な何か(2) 長虹堤・七つ墓・七星山

さて、ブラタモリ・那覇編について、パート2です。

書いてるのが内地の人間なので、こんな楽しいことがあってもすぐにロケハンに行けないため、写真が古い点はご容赦(その分、今となっては貴重な写真もあるはず)。

f:id:xoc:20160310101952j:plain

前編はこちら。

xckb.hatenablog.com

タモリさん一行、波上宮からすぐ近くの孔子廟へ。番組では「天尊廟、天妃宮」とされていましたが要するにこの場所には中国のいろいろな神様が集まっているようです。ここでは久米三十六姓の話などをしていましたが、戦前は孔子廟は現在の場所ではなく、泉崎付近で現在道路(国道58号)になっている場所にありました。現在は那覇商工会議所が建っている場所の前です。それを示すものとして、現在も那覇商工会議所の横には孔子像があります。

f:id:xoc:20160311122514j:plain

ちなみに孔子廟が現在の場所に再建されたのは1975年です。実際の経緯としては、天尊廟が元々合ったところに、国道58号ができたために元の場所に再建できなくなった孔子廟が移ってきた…というのがより正確なようです。

続きを読む