さて、先日アニメ「グランベルム」の聖地巡礼に琵琶湖周辺に行ってきたわけですが、琵琶湖が舞台の映像作品といえば、自分にとってはずっと、「シベリア超特急」や「北京原人 Who are you?」などを上回る、昭和を代表する怪作映画と言っていいと思っている「幻の湖」(1982年作品)でした。
ということで、肝心の「グランベルム」の舞台めぐりの効率を下げてでも、ついでに「幻の湖」の舞台の一部(一緒に回れる琵琶湖南西部)も巡ってきたので、それをまとめてみます。
この記事の目次。
- 前提:「幻の湖」とは?
- 琵琶湖北部への移動中:白髭神社
- 石仏と「ファントム? イーグル?」:鵜川四十八体石仏群
- シロが殺されていた湖畔:和邇川河口
- 最終決戦(1):雄琴の風俗街付近
- 最終決戦(2):琵琶湖大橋周辺
前提:「幻の湖」とは?
「幻の湖」に関しては大好きな映画なのであまり悪く言いたくはないのですが、「東宝創立50周年記念作品」ながらあまりにアレな出来で当初は早々に公開が打ち切られ、お蔵入り的な扱いを受けていたが、「映画秘宝」の別冊「底抜け超大作」で特集されたことをきっかけに、別のニュアンスでカルト的な人気が盛り上がった作品です。
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正直、この作品は事前にどれだけストーリーをネタバレしていても面白いので、細かいストーリーはWikipediaあたりを読んで頂くこととして、ストーリー要約としては、最初に出たDVDのAmazonのページに載っていた「キネマ旬報」データベースによるストーリー要約が今北産業的で素晴らしい。
(「キネマ旬報社」データベースより)
橋本忍が贈る奇妙なSFドラマを初パッケージ化。何者かに愛犬を殺されたソープ嬢・道子は復讐を誓い、犯人を捜し始める。実はこの復讐劇には戦国時代からの怨念が絡んでおり、さらに事態は政府の宇宙開発を巻き込み、ジョギング対決へと発展していく。
まあ、この「戦国時代からの怨念」でいきなり1時間半もたってから時代劇になるところとか、「政府の宇宙開発」がいきなりそのあと登場したりするところがまた最高なんだけれども、まあ一度ご覧になることをお勧めしたい。
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ちなみに、Prime Videoでは現在のところ見放題対象ではないのが残念ですが、予告編はここから見られます。はっきり言って、予告編の時点でかなり変です。
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琵琶湖北部への移動中:白髭神社
さて、割と冒頭部分、お市の方とローザがタクシーで琵琶湖北西部に向かう時に途中で白髭神社の前を通るシーンがあります。白髭神社はグランベルムで重要な舞台だったのでついでに撮ってきました。
結構交通量の多い道です。
標識は「50km制限」が「追い越しのための右側部分はみ出し通行禁止」に変わってますね。でも多分同じ場所にある。
出典:映画「幻の湖」
海沿いの木々が37年経って大きくなったのならすごいのですが、まあ多分違うんだろうな。
湖中大鳥居は若干当時より見にくくなっています。
出典:映画「幻の湖」
石仏と「ファントム? イーグル?」:鵜川四十八体石仏群
白髭神社の近くにあるこの「鵜川四十八体石仏群」。
車で行くと駐車場まで、かなりギリギリの隘路を通ることになります(ストリートビューはおろか、Googleマップに道さえ載っていません)。
ちょっとアップで撮りすぎましたが、お市の方が座っているところが上の写真の右下方の空間ですね。
出典:映画「幻の湖」
銀行員の倉田さんそっくり(それほど似ていたか?)の仏像は、多分この左の小さな木が生えているところに置いてあったんじゃないかな?
ちょっと色合いも違ってたしね。
出典:映画「幻の湖」
ローザの超絶すべってるセリフ「ファントムではなくイーグルだ。イーグルはすでに実戦配備についている」のセリフは、多分このあたりの茂みの前で独白されたものと思われます。
劇中で「宇宙パルサー」といい勝負のインパクトのセリフだよな、これ。
出典:映画「幻の湖」
シロが殺されていた湖畔:和邇川河口
劇中でシロが殺されていた場所は「和邇川の河口」とはっきりと言われています。
こんな場所です(左岸)。
さすがに、37年も経過するとこういう水辺の地形は変わってしまっているのではないかな、と思うけれども、それなりに似た雰囲気で残っていますね。
出典:映画「幻の湖」
即死したシロが走っていった(こんな書き方すると本当に未見の人は意味がわからないよね)道。
わりと似た雰囲気で残ってますね。
出典:映画「幻の湖」
近所の旅館で映画に出てきたところはほとんど廃業してしまっているようですが、肝心の出刃包丁を貸し出した旅館(劇中「吉田屋」)は現在も国民旅館・千鳥荘として残っています。
劇中では中の食堂なども出てくるので、機会があれば食事付きで一度泊まってみたいですね。
出典:映画「幻の湖」
宿の公式サイトはこちら。予約は電話のみだそうですが、それもまた80年代っぽくて良いです。
左岸から右岸方向を望む。
さすがに37年も経ってしまうと、正確に同じ場所かはわかりませんが、右岸側はかなり似た雰囲気です(左岸側は侵食された感じだけれども本当にそうかはわからない)。
出典:映画「幻の湖」
最終決戦(1):雄琴の風俗街付近
さて、この映画のメインの舞台はソープランドが並ぶ雄琴の風俗街なわけですが、さすがにこの街で写真を撮る度胸はないぞ、ということで、実際に行ったわけではありますが、写真はストリートビューから。
出典:Googleマップ https://goo.gl/maps/Rm3gHNxGqt5x83eXA
おそらく、風俗店の改築・新築は難しい状況だからかもしれないけれども、他の街よりも遥かに37年前の建物がそのまま残っている感があります。
出典:映画「幻の湖」
最終決戦のジョギングはお市の方の働く「湖の城」から始まりますが、現在でもほぼそのままの建物で残っています。
出典:Googleマップ https://goo.gl/maps/iM92dTvqa4XXDYft5
出典:映画「幻の湖」
途中の道の建物も結構残っていますね。
出典:Googleマップ https://goo.gl/maps/Sytig6Y2GNM9TVis9
出典:映画「幻の湖」
この「六本木」のように、屋号も当時のまま残っているところが結構ありますね。
出典:Googleマップ https://goo.gl/maps/D1QasyNs2nzDPEVp9
出典:映画「幻の湖」
一枚くらい自分で撮った写真でも。大通りを挟んで反対側のローソン駐車場から撮ったびわ湖タクシー雄琴営業所。
この営業所の前を走るお市の方。アングルはぜんぜん違うけれども、多分この建物は37年前から変わってません。
出典:映画「幻の湖」
最終決戦(2):琵琶湖大橋周辺
ジョギングは堅田の街(時間がかかるので今回はちょっとパスしました)を通り抜け、琵琶湖大橋周辺へ。
流石に神社(伊豆神田神社)のあたりは37年が経過してもほとんどそのまま残っています。
出典:映画「幻の湖」
琵琶湖大橋の下をくぐるトンネル。
出典:映画「幻の湖」
現在は琵琶湖大橋は2本ありますが、当時は1本しかありませんでした(現在の南側の橋のみ)。
当時は橋の両方に歩道があり、そこに登る階段がありましたが、北にもう一本橋ができたためか、眺めの良くないこちら側の階段は撤去されてしまい、片側の歩道も利用されなくなりました。
出典:映画「幻の湖」
なので、この最終決戦の場の歩道には、現在徒歩でアプローチするルートがなくなってしまっています。
背景には今は無きびわ湖タワーがあります。
出典:映画「幻の湖」
現在の米プラザのあたりから見た琵琶湖大橋。
当時は手前の橋がなかったので、全然見え方が変わっていますね。
出典:映画「幻の湖」
そして決戦の場…ですが、こちらも背景に琵琶湖が直接見えず、もう一本の橋が見える状態です。
ドスッ!
出典:映画「幻の湖」
いや、本当に俺、グランベルム10話のこのシーン、同じ琵琶湖を舞台とした偉大な作品「幻の湖」へのオマージュではないかと思ったわ。ぶっ刺す方向も一緒だし、和服っぽいし。
出典:「グランベルム」第10話
というわけで、実際には琵琶湖全域の舞台がある「幻の湖」なので、他の場所もいつか回ってきたいと思います。でもグランベルムのエリアとは重ならないんだよね…。
ではでは!