さて、現在まさに佳境に入っている2022年春夏アニメの「サマータイムレンダ」だが、21話(全25話予定)まで放送されたところで、次に行こうと思っていた男木島(おぎじま)に行ってきた。男木島は和歌山県ではなく香川県高松市の沖に浮かぶ島で、和歌山県の友ヶ島や加太や付近の漁港などとともに、作中の舞台「日都ヶ島」の風景のモデルの一つになっている。
13話まで放送された時点で友ヶ島や加太などに行ってきたレポートはこちら。
今回の目次はこちら。
(2022年12月21日追記)元々タイトルに「第21話まで」と入れていたが、最終回まで見ても概ねこれで全てと言って問題ないと思われたので、タイトルを修正した。
なお、今回も写真は特に断りがない限り、フジのX-T30とタムロン 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)で撮影している。
男木島について
男木島は高松市の沖約10kmに浮かぶ小さな島であり、隣の女木島(めぎじま)とともに雌雄島と呼ばれている。傾斜地に造られた街並と細い路地は、独特の雰囲気を醸し出している。
(ドローンによる撮影)
この島がサマータイムレンダの舞台に採用された経緯は、単行本2巻のあとがきに書かれているが、要するに友ヶ島は無人島であるため街は存在しないので、加太の街並などを参考にしているが、やはり加太は島ではないので島のリアリティを出すために、4年前に訪れた男木島を舞台の一つとしたとのこと。
(豊玉姫神社から男木港を望む)
港の遠方に見えるのは高松の街。アクセスは高松港から女木島経由のフェリーで約40分ほどである。ちなみにうどん県の島ではあるが、うどん屋は島内に一軒もない。
(ドローンによる撮影)
3年に1度の瀬戸内国際芸術祭(瀬戸内トリエンナーレ)でも会場の島の一つとなっている。2022年の開催期間はあとは秋期(9月29日〜11月6日)を残すのみである。今回は夏期の最後の週末(9月3日〜9月4日)に行ってきたので、聖地巡礼だけではなく芸術祭も島内の全ての展示を巡ることができた(トリエンナーレに関しては別途まとめたい)。
島内の宿泊施設は民宿が数軒あるのみであり、しかもネット予約できるような場所はない。そういうところから風情を楽しむ旅をするのが良いと思う。高齢化が進んだ離島であるため、コロナ対策に十分注意した上で訪問することをお勧めする。
男木港
先述の通り、友ヶ島は無人島であるため、そもそも島民がそれなりに住んでいることが前提の港湾施設や民家は存在しない。日都ヶ島の港や港から見える斜面の街のモデルになっているのは、男木島の男木港である。
第1話:1周目で日都ヶ島に到着する慎平
男木港の船着場から男木島の街に歩き始めるところ。細かい部分は結構異なっているが、全体の雰囲気や右側の鳥居など、ここをモデルにしたことはよくわかる。
出典:「サマータイムレンダ」第1話
家同士が一対一で一致するわけではないが、この家はここがモデルだろうな、という感じの場所はとても多い。
出典:「サマータイムレンダ」第1話
船着場のこのブロックは、模様も全体的な構造も全く異なっている。そもそも集落からここに真っ直ぐ通じる長い坂道はない。
出典:「サマータイムレンダ」第1話
第2話:3周目で日都ヶ島に到着する慎平
2周目最初は、ほとんど1周目と変わりないが、3周目ではこの上陸直後の瞬間に戻ってくるので、慎平がしばし呆然とした顔をしている。そして潮の言葉通り、澪を助けるという行動に出る。
出典:「サマータイムレンダ」第2話
このシーンも家同士が一対一対応するわけではないが、結構同じような建物が散見される。背景の山の形は日都ヶ島の設定に合わされているため、形はだいぶ異なる。
出典:「サマータイムレンダ」第2話
第5話:影に飲まれる日都の街
影に飲まれる日都の街のワンシーンが男木港にある公衆トイレのところ。この一連のシーンには、もしかしてこれ男木島じゃね、と思ったシーンもあったのだけれども、結局特定はできなかった。
出典:「サマータイムレンダ」第2話
第13話:5周目冒頭
船で男木港に入る時に撮った写真と比較。山の形は全く異なるが、集落の雰囲気はとても似ている。
出典:「サマータイムレンダ」第13話
第17話:久しぶりにちゃんと寝た慎平が目覚めた朝
ここのシーンはかなり再現度が高いな。
出典:「サマータイムレンダ」第17話
男木小・中学校とその周辺
港以外だと意外に登場場面の多い小・中学校とその周辺。
第2話:プールサイドで語る慎平、澪、窓
これも単行本2巻あとがきでも触れられているが、このプールサイドのシーンは男木島の小・中学校のプール。ただしプール前の道のシーンは加太なのだが。
出典:「サマータイムレンダ」第2話
第14話:決戦に備えて集合する学校の校舎
若干形は違うのだが、おそらくモデルとなったと言ってよいだろう。海岸のオブジェ「歩く方舟」の方に歩く途中で見ることのできるアングル。
出典:「サマータイムレンダ」第14話
第16話:仲間になった影澪と、慎平・澪との会話
まだ影澪のイメージがかなりおっかなかった頃の印象的な会話シーンは、小・中学校横の坂道。もうちょい左で撮るべきだったか。
出典:「サマータイムレンダ」第16話
実物よりも若干坂道の傾斜が厳しい感。
出典:「サマータイムレンダ」第16話
上の方から見下ろすようだった影澪がこの後同じ高さに降りてくるのがいいシーンだよね、ここ。
出典:「サマータイムレンダ」第16話
この辺りはそんなに再現度高くない。
出典:「サマータイムレンダ」第16話
うーむ、ここはもっともっと右から撮るべきだったな。
出典:「サマータイムレンダ」第16話
こちらもあまり実際の風景と共通点はなさそう。
出典:「サマータイムレンダ」第16話
そもそも男木島の道は車が通るように設計されておらず、おそらく一番太い道の一つであろうここも軽自動車がやっと通れるくらいである(軽自動車が来るときは人はどこかに避けた方が安全なくらいで、そもそも軽自動車さえもほぼ走っていない)。というわけでこちらのシーンは道の広さや街灯を含めてほぼ再現されている点はないな、という感じだ。
出典:「サマータイムレンダ」第16話
まとめ
ということで、男木島はそれほど再現度が高い舞台があるわけではないのだが、それでもサマータイムレンダの中でとても印象に残る「最初に日都ヶ島に降り立つ慎平」のシーンを、まさに島の港で体験できるという点では実におすすめである。
民宿に泊まって美味しい海産物を食べて、のんびりと何もしない時間を楽しむのも良いだろうし、今回の俺のように瀬戸内国際芸術祭を見て回るものもよいだろう。
(ドローンでの撮影)
かつて男木島といえば観光スポットは灯台しかないと言われたらしく、今でもそれ以外に大した典型的な観光スポットはなかったりするのだが、やはりこの島の一番の見どころは集落そのものだろうと思う。ぴったりとサマータイムレンダのシーンに一致する場所は少ないが、そこかしこの日都ヶ島の街並みのシーンに一番雰囲気が似ているのはこの島の風景だと思う。
そういえばサントラが既に発売されて、サブスクにも配信されているけれども、まだ使われていない音楽をネタバレ的に聴くのもアレなので今のところ封印している。まあ今月末には最終回を迎えるわけで、その頃には円盤も前半が発売されると言うことだな。楽しみだ!
(ところでサマータイムレンダを毎週録画してきたHDDが、さらにリコリコとよふかしのうたを道連れにクラッシュしてしまい、独占配信のDisney+についに入会してしまった俺である。まあDisney+で見てみたいオリジナルものがあるのも確かではあるので、この際だからがっつり見てやろうかと思う次第である)
(追記)サマータイムレンダと関係なく、普通の男木島の旅日記的に瀬戸内国際芸術祭のレポートも書いたぞ。
(2022年12月21日追記)東京編も書いたぞ。
(2023年1月6日追記)俺的年間アニメランキングをやっと書いたのだが、やはり1位はサマータイムレンダである。