さて、男木島に行った第一の目的はサマータイムレンダの聖地巡礼だったわけだけれども、せっかくだから瀬戸内国際芸術祭2022(瀬戸内トリエンナーレ)の夏会期最終日に合わせて行ったので、男木島の展示も全部回ってきた。なかなか楽しかったぞ。
ということで、聖地巡礼記事のところでは書かなかった純粋な旅レポート的なものを取り混ぜながら、瀬戸内国際芸術祭2022の男木島展示レポートを書いてみようと思う。
ちなみに秋会期は9月29日から11月6日なので、多少の入れ替えはあるものの、これらのほとんどの展示はまだ見られるぞ。
目次。
- 男木島に上陸
- 「男木島の魂」
- 海辺の「海征」でランチ
- 「男木島 路地壁画プロジェクト wallalley」
- 「アキノリウム」
- 「男木島パビリオン」
- 「生成するドローイング -日本家屋のために2.0」
- 「タコツボル」
- 「青空を夢見て」
- 「漣の家」
- 「歩く方舟」
- 「No.105」
- 民宿に宿泊して夜と朝の男木島を体験
- 「漆の家」
- 「部屋の中の部屋」
- 「瀬戸で舞う」
- 「学校の先生」
- さよなら男木島
- 高松でのおまけ
男木島に上陸
高松港から女木島経由の船に乗って40分、男木島が近づいてくる。
よくみると、海岸沿いに展示作品の一つ「歩く箱舟」(山口啓介)が見えている。
港に近づくと見えてくる男木島の集落。港のすぐそばから突然坂になる地形から、「サマータイムレンダ」の日都ヶ島の街のモデルともなった印象的な街並みが見えている。
「男木島の魂」
港の船の待合室やチケット販売所、そしてこの芸術祭では男木島の窓口もあるこの白い建築物は、それ自体が芸術祭の作品の一つでもある「男木島の魂」(ジャウメ・プレンサ)だ。
海辺の「海征」でランチ
港に着いたら、まずは再度の検温をしたのちに芸術祭の窓口で2日間パスポートを引き換えて、まずは海岸にある「海征」でとりあえず早めの昼飯。サザエ飯に…。
タコの天ぷら! いやー漁港の海岸でこういう食事もいいね。
「男木島 路地壁画プロジェクト wallalley」
男木島の集落の中、民家の壁にも作品がある。「男木島 路地壁画プロジェクト wallalley」(眞壁陸二)。
「アキノリウム」
民家の中が作品となっている展示も多いが、あれは廃屋となった家などを利用しているのかな? 「アキノリウム」(松本秋則)。
民家の中に配置されたさまざまな作品の動きなどが楽しいインスタレーション。
影絵も良かった。
そもそも展示場所自体が狭かったのとコロナでの入場制限でちょいと待たされたけれども、まあそれは仕方がないな。
「男木島パビリオン」
集落で一番高い場所にあるのは豊玉姫神社。
この神社に登る階段横にある展示が「男木島パビリオン」(大岩オスカール、坂 茂)。おや、坂先生こんなところで。
集落で2番目に高い、的な場所にあるだけあって眺めがとても良い。この魚のデザインは男木島、女木島、大島をベースにしているね。
このタコが表しているのは高松から男木島にかけての海だね。足が絡みついているのは女木島のシルエット。下の方がガクガクしているのは高松の埋立地だな。
「生成するドローイング -日本家屋のために2.0」
港の方に戻ってきて、「生成するドローイング -日本家屋のために2.0」(村山悟郎)を見る。ええっと、この模様なんだっけ? むっちゃ見覚えがあるんだけど。
ここも廃屋を使っての展示なのかな? 最初の写真も2階だが、2階の部屋の方が色々と見どころがある感じ。
部屋の中には何ヶ所か貝殻が飾られている。
ここは納戸っぽい窓のない部屋。
光が反射する画材で描かれた絵が、ライトで照らされて展示されている。
「タコツボル」
港の空き地に造られた蛸壺。子供の遊び場として提供されているという。
タコピーっぽいやつが、中は滑ると警告しているぞw
「青空を夢見て」
芸術祭をきっかけにして男木島に人が戻ってきて、2014年に休校していた学校も再開したらしい。
その小中学校の体育館の外壁がそのまま作品となっているのがこの「青空を夢見て」(レジーナ・シルベイラ)。
男木島の空を、刺繍のようでもありモザイクのようでもあるこの外壁に表現しているとのこと。とても綺麗。
「漣の家」
男木島の漁港の方に歩いていくと、前の方に鮮やかな色の壁が見えてくる。
これが「漣の家」(眞壁陸二)だ。先ほど紹介した「男木島 路地壁画プロジェクト wallalley」と同じ方の作品だな。
男木島の空と海を描いたアクリル板を作るワークショップを開き、そこで作られた作品がここに並べられていくというメタ作品らしい。
「歩く方舟」
先ほども船から見た姿を紹介した「歩く方舟」(山口啓介)。
島のような形をした「方舟」が10本の足を持ち、堤防の上を海の方に歩いていく。
なんか近づいて見てみると、この足が妙に生々しくて面白いぞ。
「No.105」
漁港側から少し坂を登ったところにある小さな廃工場のような場所にあるのが「No.105」(王德瑜、ワン・テユ)。この展示は夏期だけなので秋には見られない模様。
空気で膨らんだ派手な黄緑色の袋が廃工場のような場所に2つ並んでいる。
一つは中を見ることができるようになっており、もう一つは中に入って別の場所に出てくることができる。この写真は中を見ることができるやつ。中に入るのもやったけれどもなかなか面白かった。
民宿に宿泊して夜と朝の男木島を体験
ということで、今回泊まったのは民宿「まりも荘」さん。良い民宿だったぞ! 夕食はこんな感じ。鯛がどーん、なのも良いな。うどん県らしく冷やし肉うどんもついてきた。オプションで刺身や天ぷらもつけられるようだけれども、自分としては標準で十分満腹だったかな。
ドリンクはなんとなく熱燗。
夜の男木島。
猫の島と呼ばれることもあり、人気のない夜は猫の楽園的な感じになっている。
にゃあ。
集落の一番上にある豊玉姫神社の鳥居が街灯に照らされている。
Insta360 One X2でスターラプスに挑戦したのだが、先日「なんだ、JPEGでもスターラプス撮れるじゃん」と思ってやってみたら画質が悪すぎてガッカリ。まあかなり雲も多かったので経験値を積んだ、ということでいいんだけどね。
一眠りして朝の4時。早朝の男木島。
早朝の集落の遠景もなかなか良いな。
朝飯は卵雑炊を中心に。こちらも美味しかった!
実は夕食時もそうだったのだが、宿の猫さんとも戯れていた。癒される。でも宿の方のお話によると、この猫さんも色々数奇な人生じゃなくて猫生を送ってこられているらしい。大変だなぁ。
せっかくなので男木島のかつての唯一の観光地らしい灯台まで歩くことに。途中で鶏と遭遇。朝だしね。
灯台が見えてきた!
ということで島の北端にある男木島灯台。ブロックで作られているなかなか風情のある灯台。
朝のお散歩も楽しんだので芸術祭巡りに戻ろうか。
「漆の家」
さて、集落のかなり上の方にある「漆の家」(漆の家プロジェクト)は、純然たる作品というよりは、讃岐の漆器に関する展示がなされている場所という感じ。技法の解説や、作品の販売コーナーなどもあった。
これなかなか面白いね。
漆塗り自転車、竹や木がカーボンファイバと使われているとのことで、確かに竹の節のようなものがフレームの一部に見られるんだけれども、流石にカーボンファイバの外側に被せているんだよね…と思うんだけど。
「部屋の中の部屋」
写真の方向は間違っていないぞ。という感じの「部屋の中の部屋」(大岩オスカール)。船、そして蛸。
海を蛸で表現するのは昨日「男木島パビリオン」で見たぞ、と思ったら同じ作家さんだった。それ以外の作風的にも一緒だから納得。
謎のご真影的な何か。
「瀬戸で舞う」
次は「瀬戸で舞う」(川島猛とドリームフレンズ)。…の建物入り口の前に謎の物体が。ドブソニアン? と思って覗き込んでみたら…。
風景を借りた万華鏡だった。庭の緑と海や空の青が綺麗な万華鏡。
建物の中に入ると、民家然とした外観からは想像できない、キラキラした躍動的な展示が建物全体に広がっている。
『作家がニューヨークで制作した「Blue and White」シリーズのパネルを古民家に展示』とのことだが、ニューヨークと男木島の古民家の取り合わせ、面白い。
「学校の先生」
最後に見た作品は、「学校の先生」(エカテリーナ・ムロムツェワ)。色々な人から聞き取った「学校の先生」のイメージを作品にしたものだという。
ピアノ、机、百科事典。
奥の方にはこういう自分で作ったサイコロのゲーム、的なものも置いてある。これも古民家にこういうものを展示するという点でなかなか面白い。
さよなら男木島
ということで男木島を満喫したぞ。帰りの飛行機が15時台ということで、11時の船で高松に戻ることに。
バイバイ男木島。サマータイムレンダの聖地でなければ一生来ることは多分なかったと思うけど、またいつかふらっとやって来たいな。
高松の街が近づいてきた。
高松でのおまけ
男木島はうどん県だがうどん屋はない! (民宿で夕飯に出たけど)…ということで、せっかくうどん県に来たのでうどん屋でうどんも食べたいということで、駅近くのうどん屋さんをハシゴ!


ちなみに、「セルフ釜あげうどん 岡じま たかまつ店」の肉釜玉小に、「手打ち一本 まさ屋」のしょうゆ冷小+ちくわ天。うん、やっぱりうどん県に来たからね。
そういえば高松空港のうどんだしの蛇口はコロナの影響で提供中止になっていた。残念。
というわけで、初めての男木島訪問だったが、満喫したぞ! またしばらくしたらうどん県にもうちょっと腰を据えた訪問をしたいな。うどんもたくさん食って。では!