さて、私は実は結構、個人的に新潟県に縁があり、時々新潟に行ってはいるのだが、今年はちょいと毛色の違った訪問をしてくることにしたのだった。その一つが、「びじゅチューン!」の「縄文土器先生」に会いにいこうという企画。
http://www.nhk.or.jp/bijutune/www.nhk.or.jp
モデルとなった火焔式土器は、縄文土器の中でも特にヴィヴィッドなデザインだが、「びじゅチューン!」の「時々新潟なまり♪」の歌詞の通り、新潟県で多く出土している。中でも一番有名と思われる「縄文雪炎」(じょうもんゆきほむら)とも呼ばれる火焔型土器(指定番号1)は、新潟県十日町市の、十日町市博物館が所蔵している。
人生初の十日町訪問
そんなわけで、十日町への訪問を入れて、今回の旅のプランを組んだのだった。とは言っても、昔新潟県内に住んでいたとは言え、十日町を尋ねるのは人生で初めて。アクセスは、新幹線で越後湯沢駅まで行き、レンタカーを借りて山を超え十日町まで走り、訪問後はそのまま新潟市まで走る…という感じに設定。
そんなわけで、うちの「縄文土器先生」好きの4歳児も連れて、この十日町市博物館を訪問。入り口にあるミュージアムショップでも「縄文土器先生」のビデオが流れていたので、ややそっちにも興味をひかれたようだけれども(それは家でも見られるわい!)、なんとかこちらの火焔型土器(指定番号1)まで連れてきた。
言われてみると、確かに顔のように見える。この縄文土器先生の神々しい表情。実に、「ひいひいひいひいひいひいひいひいひいおじいさんの頃から生きてる」感じがする。
しかし本当に、煮炊きをした道具としては圧倒的に装飾的なデザインだなぁ、と思っていたのだけれども、解説を見るとこのような火焔式土器というのは、いわばハレの日の煮炊きに使われたグッズであるという説が一般的である模様。それにしても岡本太郎先生が惚れ込んだのも分かるパワフルなデザイン。他にも幾つかの火焔式土器が展示されていて、デザインの違いが興味深い。
この博物館、なんらかの火焔式土器は常に展示されているはずだが、この火焔型土器(指定番号1)はいつも展示されているというわけではないし、休館日もあるため、訪問の際は博物館のWebサイトでチェックしたほうが良いだろう。
ちなみに十日町一帯ははへぎそばの有名な地域なので、今回は十日町小嶋屋で天へぎなランチ。
(わりと何度か食べてる)長岡系の小嶋屋とは結構違う気がするんだけれども、これはこれでとても美味。最近お蕎麦が大好物になってしまったうちの4歳児も「おいしい!」と言いながらガッツリ食べてた。
「びじゅチューン!」聖地巡礼済リスト
ということで、「びじゅチューン!」の聖地巡礼もなかなか楽しそう。そういえば、自分は今まで「びじゅチューン!」に出た「びじゅつ」をどれだけ見たことがあるだろう、ということを考えて、表にまとめてみた。
タイトル | 作者 | 作品名 | 見た | 場所 |
---|---|---|---|---|
委員長はヴィーナス | サンドロ・ボッティチェッリ | ヴィーナスの誕生 | × | - |
風神雷神図屏風デート | 俵屋宗達 | 風神雷神図屏風 | × | - |
樹花鳥獣図屏風事件 | 伊藤若冲 | 樹花鳥獣図屏風 | △*1 | 各種企画展 |
お局のモナ・リザさん | レオナルド・ダ・ヴィンチ | モナ・リザ | ◯ | ルーブル美術館、パリ |
見返りすぎてほぼドリル | 菱川師宣 | 見返り美人図 | × | - |
LOVEタージ・マハル先輩 | タージ・マハル | × | - | |
オフィーリア、まだまだ | ジョン・エヴァレット・ミレー | オフィーリア | ◯ | テート・ブリテン、ロンドン |
住んでます八橋蒔絵硯箱 | 尾形光琳 | 八橋蒔絵螺鈿硯箱 | × | - |
ムンクの叫びラーメン | エドヴァルド・ムンク | 叫び | × | - |
鳥獣戯画ジム | 鳥獣人物戯画 | × | - | |
レーサーはゴーギャン | ポール・ゴーギャン | われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか | × | - |
ツタンカーmail | ツタンカーメンの黄金のマスク | × | - | |
その天女、柄マニアにつき | 薬師寺吉祥天像 | × | - | |
アイネクライネ唐獅子ムジーク | 狩野永徳 | 唐獅子図屏風 | ◯ | 国立博物館、東京(皇室の名宝展) |
ナスカの地上絵、微生物 | ナスカの地上絵 | × | - | |
最後の晩餐サンバ | レオナルド・ダ・ヴィンチ | 最後の晩餐 | × | - |
ザパーンドプーンLOVE | 葛飾北斎 | 富嶽三十六景 神奈川沖浪裏 | ◯ | *2 |
ルソー5 | アンリ・ルソー | 眠れる旅音楽師 | × | - |
転校しないで五絃琵琶 | 螺鈿紫檀五絃琵琶 | × | - | |
貴婦人でごめユニコーン | 貴婦人と一角獣 | ◯ | クリニュー中世美術館、パリ | |
兵馬俑ウエディング | 兵馬俑 | × | - | |
保健室に太陽の塔 | 岡本太郎 | 太陽の塔 | ◯ | 万博記念公園、大阪 |
ランチは地獄の門の奥に | オーギュスト・ロダン | 地獄の門 | ◯ | 国立西洋美術館、東京 |
紅白梅図屏風グラフ | 尾形光琳 | 紅白梅図屏風 | × | - |
真珠の耳飾りのくノ一 | ヨハネス・フェルメール | 真珠の耳飾りの少女 | × | - |
縄文土器先生 | 火焔型土器 | ◯ | 十日町市博物館、新潟 | |
洛中洛外シスターズ | 洛中洛外図屏風(舟木本) | × | - | |
火消しが来りて笛を吹く | エドゥアール・マネ | 笛を吹く少年 | ◯ | オルセー美術館、パリ |
祖母のコロッセオハット | コロッセオ | ◯ | ローマ | |
崖のぼり、のちキス | グスタフ・クリムト | 接吻 | × | - |
ベーカリー空也 | 空也上人像 | × | - | |
便利だわブロードウェイ・ブギウギ | ピエト・モンドリアン | ブロードウェイ・ブギウギ | × | - |
ラス・メニーナス、開演前 | ディエゴ・ベラスケス | ラス・メニーナス | × | - |
姫路城と初デート | 姫路城 | × | - | |
夏野菜たちのランウェイ | ジュゼッペ・アルチンボルド | 四季〈夏〉 | ◯ | ルーブル美術館、パリ |
武蔵の遅刻理由 | 歌川国芳 | 宮本武蔵の鯨退治 | ◯ | 大阪市立美術館、大阪(歌川国芳展) |
私たちは元パルテノン神殿 | パルテノン神殿 | × | - | |
Walking!ニケ | サモトラケのニケ | ◯ | ルーブル美術館、パリ | |
敢えて湖畔 | 黒田清輝 | 湖畔 | × | - |
月曜日モンスター | ジョルジュ・スーラ | グランドジャット島の日曜日の午後 | × | - |
ナルキッソス天気予報 | カラヴァッジョ | ナルキッソス | × | - |
通勤フロム山水長巻 | 雪舟 | 山水長巻 | × | - |
曜変天目ディスコ | 曜変天目茶碗 | × | - | |
潜入捜査inムーラン・ド・ラギャレット | ピエール=オーギュスト・ルノワール | ムーラン・ド・ラギャレット | × | - |
噴火する背中 | 富士御神火文黒黄羅紗陣羽織 | × | - | |
プロポーズはラスコーの洞窟で | ラスコー洞窟の壁画 | △*3 | - | |
1500年のオーディション | アルブレヒト・デューラー | 自画像 | × | - |
博士、それ象牙多層球ですよ | 象牙多層球 | ◯ | 故宮博物院、台北 | |
サグラダ・編みリア | アントニ・ガウディ | サグラダ・ファミリア | × | - |
ひまわりがお掃除しちゃうわよ | フィンセント・ファン・ゴッホ | ひまわり | × | - |
小面の休日 | 小面 | ◯*4 | - | |
雨は愛すが人逃げる | 歌川広重 | 大はしあたけの夕立 | × | - |
厳島ライフセーバー | 厳島神社 | ◯ | 広島 |
もしかするとさらにいくつか見ているものがあるかもしれないけれども(多分、「ブロードウェイ・ブギウギ」とか「眠れる旅音楽師」とかはMoMAで見ている気がするし、「ひまわり」や「大はしあたけの夕立」もどっかで見たよなぁ…たしか)、記憶がかなり曖昧なものは「×」にしておいた。
それにしても意外に見ていないものが多いなぁ。大体4分の1くらいか。地球はまだまだ「びじゅつ」に溢れているのだ。
とりあえず、手近なものとしてはこのあたりかな。
曜変天目茶碗 / 特別展「茶の湯」(国立博物館)6月4日まで
http://chanoyu2017.jp/chanoyu2017.jp
(2017年5月11日追記) しまった、調べてみたら5月7日で曜変天目茶碗の展示終わってた! GW中に行くべきだった!
四季〈夏〉/ アルチンボルド展(国立西洋美術館)6月20日〜9月4日
あとは、常設でいつでも見られて手近にあるものは、近いうちに時間を取って行ってくるか。まあ、一般公開されていなものは難しいし、最近は以前より私のフットワークが重いので、なかなか海外のやつは辛い感じだけれども。
(そういえば「富士御神火文黒黄羅紗陣羽織」は先日大阪に行った時、何日か前に大阪城での展示が終わっていて残念だったので、ぜひリベンジしたい)