さて、太陽の塔が48年ぶりに「生命の樹」を含む内部を公開するということで、新幹線の大阪日帰りで、初日の3月19日(月)に行ってきました(実は寄付者枠で先行予約していたので取れた初日枠です)。とは言っても私はプレスではないため写真は撮影禁止なので、内部の写真はありません。
ということで、内部の写真に関してはGigazineの垂れ流しレポートでもご覧になっていただくことにして…。いいなぁこんな好き放題写真撮れて。しかも綺麗すぎる。(まあたしかに撮影禁止というのは、展示の構成上、上からカメラやら携帯やらが落ちてくるのを防ぐという安全面の理由もあることは理解できないわけでもありません。そんな物が落ちてくると展示自体も破損しそうですし)
gigazine.net
とはいえ、写真では修復前の姿を今までも何度も見たことがあるわけで、やはりここは実際に見る・体験するということに意味があるといえるかも知れません。
そんなわけで、初めて本物を見た「生命の樹」とそれを収める太陽の塔内部の空間は、本当にベラボーな空間でした。下から見上げて、塔の背骨のように伸びる一本の樹と、そこにぶら下がる太古の生物から人間に至る系統樹をかたどった巨大な樹。事前の写真で想像していたのとはかなり異なる、バカでかくて、キラキラしていて、天に突き刺さるような、そんな実にユニークな世界樹です。
修復前に見た写真よりも実物が遥かに鮮やかさを感じるのは、以前見ることのできた写真は、もう内部が閉鎖になってから長い年月がたち、さまざまな動物の姿も取り外され、さらに時折の訪問者のためだけに点灯する暗い照明下で撮られた写真ばかりだったから、ということもあるかも知れません。この公開では、照明がLED化された上に増強されているためか、全体的にとても明るく、より白くなっていることもあるかも知れません(約50年前の万博の時も、おそらくここまで鮮やかな照明は無理だったのではないかと思います)。
その空間を15人ほどの単位で階段でのんびり登っていくのは実に刺激的な体験で、おそらく万博当時のエスカレーターで上まで連れて行かれる形式よりも、よりじっくりとこの作品と空間を体験する事ができるように思いました。人数も詰め込みすぎず、静かにゆったりと内部を見て回れます。
今回の修復で新たに作られた動物と、当時のものをそのまま利用している動物があるそうで、たとえば巨大なブロントサウルスなどは当時のものだそうですが、修復されたのかその他の新しいものとあまり見分けが付きません。一方で、ゴリラは当時のものをあえて修復せずに利用しているそうで、頭は当時の可動部分の骨格を覗いて朽ち果て、足の裏は剥げかけてぶら下がっているような状況。50年の歳月を感じさせます。
過去の混乱で失われた「地底の太陽」も復元され、当時一緒に展示されていたらしい神像や仮面の一部と共に並んでいました(塔内部へ入る前のスペースに配置されています)。太陽の顔にはプロジェクションマッピングもされていました。そのあたりは今風ですね。
初めて見る、太陽の塔の腕の部分の内側も、なんか異空間的ですごい。エスカレーターのあった方はエスカレーターが撤去されてましたが、非常階段のあった方の腕に残ってる階段は、当時のままの非常階段だそうです。むき出しの鉄骨に万博マークのプリントが残ってたりして感動してました。
中を見てからあらためて眺める太陽の塔はまた違った印象を持ちます。腕のあたりを基準にして、その上の方まで生命の樹が伸びているのね、というイメージを重ねることができるからかも知れません。それにしても本当に、ここに来るたびに凄い作品だなぁ、と思います。太陽の塔。
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