かつて学生時代に散々通った、矢上にあった定食屋の「たちばな」さん。昨年10月末に残念ながら閉店してしまった。
で、頼んだメニューのベスト3くらいは再現レシピを作ってみようということで、最後まで残っていたのが実は一番オーダーした回数が多いような気がする「焼きそば」だ。焼きそばといっても、ソース焼きそばではなく塩焼きそばで、これがまた美味かったのだ。
ちなみに前回の第1回はポテト・ニンニクの芽細切り炒め。
第2回は肉なす炒め。
ということで、今回の「たちばな風焼きそば」はこんな感じ。焼きそばには普通盛り中盛り大盛りの3種類があったけれども、おそらくこれは麺の1玉、1.5玉、2玉に対応していると思われる。この写真は中盛り相当の1.5玉。
今回の再現レシピは3玉でやってみるので、各分量や麺の茹で時間などは麺の量に応じて調整していただきたい。また、家庭用レシピということで、できるだけ普通の材料とキッチン用品で作りやすいレシピを目指している。
本レシピの注意点
中華麺の種類
たちばなの焼きそばは、よくある焼きそば用の蒸し麺ではなく、生の中華麺を茹でてから炒めていた。そこでどのような麺が適しているか結構試してみたのだが、最終的に茹で時間1分の細ちぢれ麺が良いという結論に達した。
こちらが今回利用した興和物産の細ちぢれ麺。
なかなか手近な店に同じメーカーの麺があるとは限らず、メーカーによって同じような麺でも特徴は異なると思うので、再現度が低いと感じたら他の麺を試していただければと。
麺の茹で時間と水の量
うちでもパスタ鍋を使えば大量のお湯で中華麺を茹でられるのだが、お湯を沸かす時間などを考えると、ややお手軽さに欠けるし、多くの家庭に大きなパスタ鍋があるとも限らないだろう。かといって気軽に使える鍋は湯を沸かして麺を3玉投入することを考えると、お湯の量は2リットル程度が限度であり、3玉茹でるにはいささか不足である。
ということで、割り切って2リットルの湯で茹でてみるレシピにした。一般的に焼きそば用に中華麺を茹でる場合は、規定の茹で時間より短めに茹でて、炒める過程で麺が食べやすくなるようにする。
だがお湯が2リットルだと、うちのガスレンジ(しかも強い方は炒め用に使っているので弱い方)では、最大火力にしても麺を入れてかき混ぜると、50秒くらい経ってやっとお湯が沸騰してくるくらいである。そこで、あえて規定の60秒でざるにあけてしまうことにする。これで大体焼きそばにちょうど良い硬さになるようだ。
さらにお湯が少ないと、茹で汁のぬめりが大量に麺に残ってしまうため、ざるにあけたまま一旦さっと流水で洗って茹で汁を流してから炒めることにしてみた(麺が冷たくなるまで締める必要はないし、やらないほうが多分いい)。これで結構理想的な焼きそば用中華麺が用意できたように思う。
材料
材料は以下の通り(3人前、中盛り2人前)。
- 生中華麺(茹で時間1分の細ちぢれ麺) 3玉
- 豚バラ薄切り 70〜80g程度
- キャベツ 40〜50g程度
- にんじん 15〜20g程度
- もやし 200g程度(標準的な1袋)
- にら 少々(1本〜2本くらい)
- 炒め油 大さじ2
- ★ 創味シャンタンまたは味覇 大さじ1弱
- ★ 塩 小さじ3/4 〜 小さじ1程度(好みに応じて)
- ★ 味の素 4振り程度
- ★ 水 40ml
- ★ 油 大さじ1
- ★ 胡椒 適量 (割とたくさん入れても良い)
手順
1. 麺を茹でる鍋に2リットルのお湯を沸かしておく。小皿に★の材料を合わせて、合わせ調味料を作っておく。
2. にんじんは短冊切りに、キャベツは適当に切っておく。キャベツはあまり芯に近い厚すぎる部分は使わないほうがおすすめ。
3. にらは適当な長さに刻み、もやしと合わせておく。
4. 豚バラ肉は食べやすい大きさに切る。
5. 麺は一気に鍋に投入できるように開封して用意しておく。
6. (できれば深めの)フライパンに炒め油を敷き、豚バラ肉を炒める。
7. 肉の色が適当に変わったところでにんじんとキャベツを投入して一緒に炒める。
8. ここでフライパンの火を弱め、強火で沸騰した鍋に麺を投入し、菜箸でほぐす。
9. 規定の1分間茹でて(先述)、沸騰が始まった直後くらいにざるにあけ、流水をさっと麺を洗う感じで流して水を切る。
10. フライパンの火を強火に戻し、もやしとニラを投入してさっと炒める。
11. もやしとニラにちゃんと火が通ることを待たずに、麺を投入し、1.で用意した小皿の調味料を麺の上にかけて、全体をよく混ぜるように炒め合わせる。
12. 麺に火がちゃんと通り、味が均等に行き渡ったら完成。手早く皿に盛る。
13. 完成。
ということで、試行錯誤しつつこんな感じのレシピになった。
よく塩焼きそばレシピに出てくるおろしニンニクとかを加えても美味いが、たちばなのオリジナルには入っていなかったのでこのレシピには入れていない。あとにんにくは味を支配しすぎるので入れすぎ注意。
あと、最後の合わせ調味料に入れる油は重要。これがないと麺に直接絡む油が足りなくなる。もっとオイリーにしたければ量を調整しても良いかもしれない。
ちなみにこちらがたちばなのオリジナル。2玉の大盛りの例。今回のレシピよりもややオイリー気味と思われるので、調味料に入れる油は大さじ2くらいまで足しても良いかもしれない。
でもまあ、割といい線までいったと思うので、とりあえず再現レシピを作りたかった3メニュー、全部できてよかった! たちばなの味が懐かしい人の参考になれば。