ここしばらく、スーパーで売ってる鰹のたたきを買ってきて、家で美味しく食べる、ということに関する実験を行っていたのでまとめてみます。
前にも書きましたが、私が沖縄県の次にリピーターしている県であろう高知県。その高知県の名物として有名なものの一つが鰹のたたきであるわけですが、東京で普通に食べる鰹のたたきという概念と高知で食べる鰹のたたきという概念は微妙にずれているように思います。中でも私が好きなのは次のような条件を満たす鰹のたたきです。
- 味付けは粗塩
- 薬味はニンニク中心
- 藁焼きで香ばしい香りがついている
- 厚切り
- ほんのり温かい
高知でのデフォの鰹のたたきってこういうものじゃないかと思っているのですが、いわゆる「塩たたき」や「焼き切り」と呼ばれるものです。
このうち、家で食すのに最大の障害は「藁焼き」であり、これは流石に家庭で調理するのはかなり困難ですが、最近スーパーで藁焼きをうたった鰹のたたきが売られるようになってきたので、これも大きな障害ではありません。その他の条件に関しては、塩、ニンニクは単純に用意すればよく、厚切りに関しては節のまま買ってきて自分で切れば解決です(しかも厚切りなので手間もテクニックもほとんど要りません)。
最後の「ほんのり温かい」ですが、実はうちには料理用のガスバーナーがあるので、これで炙ってみたら最後の問題も解決するのでは! と思って実験してみることにしたのでありました(ガスバーナー、いいですよ。クリームブリュレとかにも使えますしw)。
まず最初に、家の近所のスーパーで売っていた藁焼き鰹のたたきを買ってきて、適当にバーナーで炙ってみました。粗塩には私の大好きな与那国の「花塩」。
さて、感想は…というと、温度はなかなかいい。ただし、塩はもう少し小粒でないとよろしくない。花塩は美味しい塩なんだけど、粒が荒すぎて単体で酒のつまみにするのに適しているような塩で、こういうのには適さない。あと、藁焼きと言ってはいるが、あまり藁の香りは強くない鰹のたたきであった…という点が要改善点でした。
そんなわけで、藁焼き部分の改善としては、私の知る限り日吉東急の1階スーパー部分に入っている中島水産で売ってる鰹のたたきはもっと藁が藁藁しているので、それでやってみることにしました(ここの鰹のたたきは藁焼きのやつとそうでないやつの2種類あるので注意)。中島水産、ややハイソなお値段なのですが、鰹のたたきはそれほど高くない。「完全藁焼き」と銘打たれているやつを買ってきて再挑戦してみました。塩は「花塩」のワンランク小さい粒の「小花」にしました。そして前回は流石にちょっと厚く切りすぎたのでもう少し薄めに切ってみました。
その結果…。今度は藁の香りは確かに強くなったし、塩も絶妙な感じになったのだけれども、素材にビビってか炙りが足りず、温度が冷たいままでした。ううむ。
というわけで、3度目の正直、再度中島水産で鰹のたたきを買ってきて再挑戦。今度はビビらずにわりと結構しっかりと炙ってみました(バーナーだと結構しつこく炙っても、それほど中まで火は通らない)。塩は前回と同じ小花(この塩、本当に美味しい塩です。超おすすめ)。
うん、ほんのり温かくて、皮の下で炙られて液化した脂が実にいい。カツオの品質に関しては高知の居酒屋などで出てくる鰹には及ばないし、さらにその場で藁で焼いて食べるのに比べたら及ばないことは確かなのですが、家飲みでの日常の酒の肴としては期待以上の出来となりました。写真としては最初のやつのほうが旨そうだけれどもね。
ちなみにお前が旨いと思った鰹のたたきってどういうの、って言われそうなので高知市のマイベスト鰹のたたきを挙げておくとこんな感じ。
夕食的な感じだと、「黒尊」(コースのみだよ)の焼き切りとか…。
「魚頭大熊」の焼き切りも最高だったなぁ。
ランチ的な感じだとひろめ市場の「やいろ亭」の塩たたきとかも好きだなぁ。
このあたりはそもそも素材の鰹が超うまかったりするのでそれプラスαでもう最高的な感じでした。最近高知に行っていないのでまた行きたいものです。ああ、高知で鰹のたたきがまた食いたい!
あ、それから花塩と小花もとっても美味しい塩なので併せてオススメしておきます。