xckb的雑記帳

身の回りにあったことを雑多に語ります。

7年前のパスポート盗難事件(3):期せずして延長されたプラハでの日々

こちらのエントリで始まるパスポート盗難トラブルの続きです。2007年夏、プラハからドレスデンに向かう列車が発車する直前にパスポートを盗まれてしまったので、ドイツへの国境を越えられなくなったため、警察に寄りポリスレポートをもらい、航空会社と交渉して何とか予約を変更することで、「帰国のための渡航書」で帰国できる準備が整いました。

プラハの日本大使館へ

というわけで、「帰国のための渡航書」で帰国するためのアイテムである、パスポートの盗難に関するポリスレポートと、帰国するための便の予約が取れていることを示す旅程表という二つのアイテムをやっと手に入れたので、翌日早速プラハの日本大使館に出かけました。場所はプラハ城の高台から坂を下りてきたあたりの閑静な地区。周囲の雰囲気に溶け込んだ小さい建物でした。

よく、海外の日本大使館の態度最悪とか聞きますが、昨日テンパってかけた電話の時からずっと、全然そんなことなかったですよ。親切に色々アドバイスしてくれて助かりました。

パスポート用の顔写真が必要とのことでしたが、それは余りを持っていたので問題ありませんでした(そもそもこのあたりは大使館が多いのか、そこら中にインスタント証明写真のボックスがありました)。書類を書く際に、前のパスポートのコピーがあったので、パスポート番号などを書く時は楽でしたが、本籍地の記憶がうろ覚えだったので、少し焦りました。本籍地くらいしっかり覚えておきましょうね。

ポリスレポートと旅程表は書類として問題なし。身分証明書も住基カードで問題なしということで、無事に「帰国のための渡航書」の発行申請は完了。数日でできるので取りに来て、ということになりました(日付を指定されたのか、携帯に連絡がもらえるようにしたのかは記憶が曖昧)。

無事に帰国の見込みがたったので…

とりあえず、なんとかこれで本来の予定日に無事に帰国できる見込みがたったということで、ほっと一息。まあ、身分証明書のない外国人なので、あまり派手な移動をせずに、あと4泊も滞在できることになったプラハを開き直って満喫することにしました。

とりあえず大使館関係のミッションをコンプリートした夜はピルゼンビールで祝杯。このソーセージのピクルス美味しかったなぁ。

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というわけで、結局プラハには3泊の予定だったのが、このトラブルで8泊になったのですね。まあ、結果論で言うとプラハはそれでも全然足りないくらい長く滞在したい街でした。この延長した滞在のお陰で、カフカ博物館に行くことも出来ましたし、朝もや漂うヴィシェフラドにも行けたし、旧市街でのショッピングも楽しめました。CD屋に寄って面白いCDもいろいろ買ってきたし、有名な人形劇も観ることが出来ました。

歴史史跡としては、エンスラポイド作戦(ナチスのラインハルト・ハイドリヒ国家保安本部長官をイギリスの支援を受けたチェコのレジスタンスが暗殺した事件)の最後の戦いの現場である、聖ツィリル・メトデイ正教大聖堂なんて、興味のない人には全く興味なさそうなダークツーリズムスポットにも行くことが出来ました(観光ガイドにも何も書いていなかったけど、行ってみたらレジスタンスの兵士たちが立てこもって全滅した地下の墓所が記念館になっていたので入れた)。さすがにその結果の悲劇の地であるリディツェ村には行けませんでしたがね(パスポートもないので遠出は自重)。

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旅の前半で行ってむちゃくちゃ気に入った景色の良い隠れ家風のレストラン、Restaurace Nad Úvozemも再訪することができて、さらによい景色の席に座ってビールを飲んで美味しい料理を食べることもできました。

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すっかりお気に入りになってしまったレストランRestaurace U Parlamentuでは最終日まで何度も通って美味しい生のピルスナー・ウルケルをたくさん飲んで美味しいグラーシュをたくさん食べた。こちらはプラハでの最後の夜に屋外の席で食べたグラーシュ。特に観光ガイドとかには何も載ってなくて、たまたま入ってみた店でしたが、何食っても美味しい店で滞在中何度も通ってしまいました。

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ということで、パスポートの盗難にあったのはアレでしたが、結果的にはプラハの満喫度という点では適切な旅程になったといえるのではないかな…という充実した滞在でした。

「帰国のための渡航書」

さて、そんなわけで「帰国のための渡航書」がついに手に入りましたですよ! 1枚の紙をパタパタ折りたたんだような感じのパスポートサイズの書類です。「JPN」の文字が反射で見えてくる紙です。パスポートの菊の紋の代わりに桐の紋ですね。

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裏はこんな感じです。注意書きの第3項がちょっと怖いな。「…(略)…渡航者に帰国の経由地が指定されている場合において経由地以外の地域に渡航した場合は、旅券法により罰せられます」とな。

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ちなみに、私の場合はきちんと経由地がウィーンに指定されていますので、ウィーン以外にはたとえ航空機のトラブルであっても寄ることができないのかな? ちなみに券面は普通のパスポートとほとんど同じフォーマットです。写真は省略しますが、よく見るとこの写真の下に少し上部が見えていますね。ホログラムのシールが貼られていました。

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こんなのでちゃんと帰国できるんですかねー、と、ちょっと不安になりつつ、8月25日の帰国の日を迎えました。ちなみに、決まってなかった最後の1泊の宿は、ネットからヴァーツラフ広場近くのホテルを予約して泊まったのでありました。

続く。