xckb的雑記帳

身の回りにあったことを雑多に語ります。

「キリエのうた」聖地巡礼(4):震災発生直後にルカを探す海沿いの街(千葉県・金谷)

さて、のんびりと書いている岩井俊二監督「キリエのうた」の聖地巡礼記事のシリーズ4回目、今回は千葉県富津市の金谷だ。

震災発生前に希(キリエ、アイナ・ジ・エンド)が学校から自転車で家に帰る海辺のシーンは神奈川県三浦市の三戸浜で撮影したことはわかっていたのだが、震災発生直後に希が自転車に乗ってルカを探しにいくシーンの場所はわからなかった。

前回、石巻付近の舞台について書いたときに、現在の石巻は、特に海沿いは「震災後の石巻」になってしまっているため海沿いの街は別の場所で撮影されているのでは、ということを書いたが、特にこの震災発生後のシーンに関しては、実際に津波に遭遇する場面であるため、なおのこと実在の被災地の場所を使わなかったということが想像される。

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先日、該当の場所は千葉県富津市の金谷ではないか、という情報をコメントで頂いたのでストリートビューなどで調べてみると、どうやら本当っぽい(千葉県のこの辺りも調べたつもりだったのだが、発見できていなかった)。というわけで、住んでいる横浜からもそこそこ近いので、ちょっと早起きして行ってきた。

概ね、劇中での登場順にロケ地を紹介していこう。今回の目次はこちら。

一連のシーンの流れと舞台

希が小学校まで行くシーンの場所は見当たらなかったので、おそらく金谷で撮影されたシーンは、小学校を出て自転車で海沿いの街を走り、ルカと橋で出会うまでだと思われる。この一連の流れは、次の順番で並んでいる。

① 海が遠くに見える坂道
② 平坦に見える道
③ 少し高いところを走っているように見える道
④ 希が前方にルカを発見する道
⑤ 気づいたルカが走ってくる道
⑥ 希とルカが出会えた橋

この一連のシーンだが、上空から撮影した写真に①〜⑥で実際の場所と進行方向を重ねてみた。②→④→⑤→⑥は劇中の方向となんの矛盾もないのだが、①と③に関しては全く離れた場所で撮影されている。さらに①に関しては同じ場所を2度走っているし、③は①より場所を戻っている。

でもこうしたかった意図はわかる。①はとても綺麗に海が見える、海に向かって下っていく坂道なのだ。最初に「キリエのうた」を観た時もあの海を見て、そっちに行っちゃダメだ! と思ったからな。そしてやっと彷徨うルカと出会えた場所は、みんなが思ったであろうその願いにも関わらず、海がすぐ近くに見えている橋なのだ。

海が遠くに見える坂道「大丈夫、教会も高いところにあるから」

ということでその「海が遠くに見える坂道」だ。

劇中では午後で西の方から光が差しており、海も反射で輝いているが、今回は朝に行ったので日の光は東に当たる背後から当たっている。



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band

遠くだが確実に前方に見えている海が印象的なシーンだ。



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band

平坦に見える道「ルカが途中にいるかもしれないし」

続く道からは海は見えないが、実はここが一番海に近い道である。

しかも海の方向から内陸に向かって走っている。



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band

現在でも劇中とほとんど同じ街並みが続いている。



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band




出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band

この自民党のポスターは、劇中と同じデザインだが数メートル設置場所が動いたようだ…と思ったら「民栄党」になってる。わざわざ似たデザインでポスターを作ったのか。そういえば三浦市の三戸海岸の方のシーンでは、共産党のポスターが写っていたな。共産党はそのまま共産党のポスターのままだったのに、自民党は架空のポスターにするのは、この世界の神の意志を感じる…(笑)。



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band

この背景のかまぼこ屋さんは、現在では廃業して看板がなくなっている。



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band

少し高いところを走っているように見える道「恋人じゃダメなの?」

ここでもう一度山側の道に戻っている。

最初の海が遠くに見える道よりもさらに少しだけ山側である。



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band

このシーンでは後ろの大きめの建物がなくなっているので、場所の印象がちょっと変わっている。



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band

希が前方にルカを発見する道「ルカ!」

いよいよあの橋に近くなってきた。

ここで希の自転車は左側から出てくるが、実際には右側が「平坦な道」で出てきた道である。



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band

ここから橋の先に、ルカがいる道がある。



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band

ルカの方に向かって自転車で走っていく。



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band

気づいたルカが走ってくる道「お姉ちゃん!」

例の橋から浜金谷駅の方に通じている道である。

かなりの望遠アングル。



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band

ルカ役の矢山花さん素晴らしかったね。



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band

橋の方に向かっていくルカ。



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band

希とルカが出会えた橋「ずっと一緒だよね?」

そして希とルカが走ってくる中間にあるのがこの海に近い橋である。

橋の名前は劇中でも橋のプレートで見えていた通り「富士見橋」。富士山が見えるかと思ったけれども微妙に角度が悪く見えない(かつては見えたのかもしれない)。



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band

「ずっと一緒だよね?」



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band

このシーンは実際にはドローンで撮影されていると思われるが、ここで飛ばすのは色々と面倒なので、橋の上からの撮影。「キリエのうた」はドローンからの撮影が非常に効果的に様々なシーンで活用されている。



出典:「キリエのうた」Ⓒ2023 Kyrie Film Band

アクセスについて

金谷へのアクセスは、公共交通機関であればJR内房線の浜金谷駅から徒歩でアクセス可能。あるいは久里浜から金谷でのフェリーもあるので、港からも歩いてアクセスできる。

車でのアクセスは駐車場状況が悪い上に、鋸山登山へのアクセスのためにその限られた駐車場資源が使われてしまう傾向もあるようだ。

hirokenji.com

ちなみに自分は、上のリストにはないが、こちらの駐車場を予約して行った(1日500円)。

btimes.jp

こちらに続く。

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おまけ(竹岡の梅乃家で竹岡式ラーメン)

せっかく富津市に来たので、今まで本場では食べたことのなかった竹岡式ラーメン(アリランラーメン、勝浦タンタンメンとあわせて、千葉の三大ご当地ラーメンと呼ばれているらしい)を食べるために、元祖の1つと言われる「梅乃家」さんに行ってみた。

チャーシューの煮汁をそのままスープにして乾麺を使う竹岡式ラーメンはなかなか評価が分かれるかもしれないけれども、東京で何度か食った時から割と好みではあったので今回も美味しくいただいた。

やはり俺はアリランラーメンよりこちらの方がずっと好きだな(勝浦タンタンメンは未だ食べたことがないがいつか食ってみたい)。