xckb的雑記帳

身の回りにあったことを雑多に語ります。

最近行った展覧会など(アルチンボルド展、大英自然史博物館展、エリック・カール展、ミュシャ展)

なんか最近忙しいがために怠けていて、行ってきた展覧会の類とかまったくレポートしていなかったので、もう終わってしまったものもあるけれども、一応書いてみようと思います。

アルチンボルド展 - 国立西洋美術館

2017年9月24日まで開催中。

arcimboldo2017.jp

もとはと言えば、Eテレの「びじゅチューン!」大好きなうちの少年に、「夏野菜たちのランウェイ」本物を見せてやろう、という趣旨で行くことにしたものです。なので、先日のリアル「縄文土器先生」を見せるために十日町市博物館に行ってきたのとあまり変わりませんね。

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ということで、嫁が体調不良だったため、うちの4歳児と2人で上野まで行ってきました。いい天気でしたが、平日だったので上野公園もわりと穏やかな人手でした。

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入り口で、誰もがアルチンボルドの野菜になれる的なメディアアートが展示されていました。これが私の顔を元にした野菜たちらしい。顔や表情を動かすと、それに合わせてリアルタイムで動くのでなかなか面白い。そしてそれを見るうちの少年大興奮。

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でも、特設展の入り口の自動ドアのところでは「ここからさきは、しずかにして、ぱぱとてをつながないといけないんだよねー」と確認してきて、後ろに並んでいた老夫婦に褒められて満足げでした。最近美術館に色々連れていっているから、色々慣れてきているのかな、彼も。

そんなわけで中の展示。

最初の方に、主要な作品「春」「夏」「秋」「冬」と、「水」「地」「火」「風」が一気に展示されている部屋があり、のんびりと何周か見て回りました。なるほど、四季だけじゃなくて、それと対応するように四元素をネタにして描いていたのね。

このような作品のもととなった、植物や動物を描いた作品、デッサンなどや、アルチンボルドに続いたフォロワーたちの作品などもあり、楽しく観ることができました。その後上野でランチをして帰宅。

ところで、縄文土器先生に会いに行く時に、「びじゅチューン!」に出てきた「びじゅつ」を見たことあるかリストを作りましたが、その時にアルチンボルド「夏」は見たことない、と書いてしまっていたのですが…、ふとGoogle Photos先生を掘り返してみると、2005年にルーブルで見ていました。

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なんと…二度目だったか(前回の表は訂正しました)。

おみやげに買ってきた『「春」の顔を花のシールを貼って作ろう! 』的なやつを子供と交互にシールを貼りながら作りました。

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結構余分なシールがたくさんあったので、本物より花の数がずっと多くなりましたが、まあそれはそれ、いい感じにできてうちの少年も満足げでした。

大英自然史博物館展 - 国立科学博物館

6月11日で公開終了しています。

こちらは金曜の夕方、仕事帰りに行ってきました。そんなわけでロンドンの始祖鳥。

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全体的に、いわゆる博物学的と言ったらいいのかな、サイエンスが今のように形作られていくその一歩一歩の当時の収集物、的な雰囲気に満ちていて、実に面白い展示でした。

ダーウィン種の起源」手稿。

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スコット隊が南極で収集したコウテイペンギンの雛の剥製。串がついているところがちょっと悲しい。ところでテラノヴァって恐竜時代に行く洋ドラのタイトルとばかり思っていたら、スコット隊のプロジェクト名と船の名前だったんですね(教養が無い…)。なるほど、ラテン語で「新しい大地」ということなのか。

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日本で収集された輝安鉱とかもありました。

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科学史に残る過ちもきちんと保存されているのか…と驚いた、ピルトダウン人(とされた)標本。

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実はまさに大英自然史博物館によって最近犯人がほぼ特定されていたのですね。興味深い話。

www.asahi.com

ということでいろいろな意味で面白い展示でした。

ついでに常設展も閉館時間ギリギリまでチラチラ見てきました。はやぶさが持ち帰った、小惑星イトカワの微粒子を顕微鏡で見られたりするコーナー。

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コンピュータ関連のところでは、歴史上の著名なコンピュータのボード展示のところにTK-80とかが入っていたりするのに、感涙(あ、QCD-PAXとかもありました)。

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実は科博には以前子供と来ているのですが、お腹減った彼には勝てずに恐竜のところしか見ていなかったので、次は他のフロアにも連れてこようと思いました。

エリック・カール展 - 世田谷美術館

東京会場は7月2日で閉幕。7月29から8月27日まで、美術館「えき」KYOTOで開催。もう少し早く書いておけば東京会場の閉幕までに間に合ったのですが…すみません。

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こちらも平日に行ってきました。代表作「はらぺこあおむし」をはじめとする様々な絵本の原画が多数展示されていてとても素晴らしい展覧会でした。

はらぺこあおむし エリック=カール作

はらぺこあおむし エリック=カール作

あと、絵本で見るだけではわからない、アクリル絵の具で色を付けた紙を切ってコラージュ的に絵を作っているところとか、絵の前にポリエステルのフィルムを貼って、そこに雨の絵を描いていたりする技法とか、そういうのを間近で見られて良かったなぁ、と思いました。

実はページごとに紙のサイズが違ったり、穴が空いていたりする「はらぺこあおむし」を出版する際に、アメリカの印刷所ではなかなか適当な価格でできなかったため、日本の印刷所で印刷していたことから、以前より日本とは色々関わりがあるそうです。そういう方面からの展示も面白かったなぁ。

そういえば、色を付けた紙を切り抜いた後に残った部分も展示されていましたが、まさに私が大ファンの切り絵作家の大橋忍さんが色付けした和紙を使って切り絵に色を配置する後に残った切り残しみたいで、面白いなぁ、と思いました。

xckb.hatenablog.com

ということで、図録も買ってしまいました。実に充実していてよいです。

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関西の方、ぜひ京都会場へ。

ミュシャ展 - 国立新美術館

6月5日に閉幕。

なんか会期末の混雑は並大抵のことではなかったようですが、実は結構早い時期に、しかも平日に行っていたので結構余裕でした。

実は2007年にプラハに行った時に、mucha museumには行っているんのだけれども、当時は「スラブ叙事詩」の展示のための施設はプラハにもなかったんだよね。現在はプラハ国立美術館で展示されているようです。

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…というスラブ叙事詩、とにかくでかいんだけれども、光と空気の表現がとっても素敵ですよね。

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そして人々それぞれの表情とか。

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スラブ叙事詩のような古典的風味な作品ではなく、所謂ミュシャ的な絵画たちも非常に沢山展示されていました(写真撮影が出来たのはスラブ叙事詩の一部の部屋だけだったので、それ以外の写真はありません)。

所謂こういうミュシャの作品の画期的さというものが、我々の世代からは今ひとつわからない感があるというのは、まあたとえば昔の大友克洋の漫画が、今の若者からは割と普通に見えてしまうのと同様なのかなぁ、と思います。多分、ミュシャ的なものっていうのはもう我々の世代では空気のような普通のものになってしまっていて、今の時代のイラストレーションとして考えても十分に素敵なものであるがゆえに、当時の文脈での評価っていうものを想像するのが難しいのかな、と。

というわけで、プラハ城にあるミュシャのステンドグラスを。プラハ城内の数多くのステンドグラスの中で、明らかに1つ作風が違いすぎるこの作品、プラハを訪れた際にはぜひ。

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ということで…

そういえば「びじゅチューン!」的に言うと、来年ムンク「叫び」が来日のようですね。楽しみです。

www.huffingtonpost.jp