xckb的雑記帳

15年ほどWeb日記をつけ続けていたのですが2012年で一旦休止、1年半ほど休んで新天地でぼちぼちのんびりまた始めてみることにしました。

「人・ひと・人 人って面白い」(ホキ美術館)

さて、1月10日の木曜日、初めて千葉県千葉市のホキ美術館に行ってきました。千葉市といっても千葉駅のあたりからはかなり離れた、「千葉市昭和の森」の面した住宅地の中にひっそりと建つ美術館です。そもそもこの美術館の存在を知ったのが最近だったりするのですが、日本の写実絵画に徹底的にフォーカスした、かなり尖った美術館のようです。

開催されていた企画展は「人・ひと・人 人って面白い」。写実絵画の中でも人物画に限定した企画展です。会期は2019年5月12日までなので、まだまだたっぷり残っています。

www.artagenda.jp

ということでホキ美術館に到着。おしゃれな外観で、写真からは小さな美術館であるように見えるのですが、これがこの地上に出ているワンフロアだけではなくて、地下1階、2階に大きな展示室を持っていて実は結構広いのです。

f:id:xoc:20190110112801j:plain

美術館の沿革としては、

美術館は昭和の森公園に隣接しており、ホギメディカルの創業者保木将夫によって収集された写実絵画作品を展示する美術館として開館した。現在も作品は増え続けており約480点の写実絵画作品を収蔵し、半年ごとに作品を入れ替えて展示している。
ホキ美術館 - Wikipedia

のようになっており、個人的なコレクションを公開するために作った美術館っぽいのですが、中に入って歩きまわるとすぐに分かるのですが、

  • 内部照明は全てLED照明を使用している。
  • 1階のギャラリー1の先端30メートルは宙に浮いた構造となっている。
  • 1階のギャラリー1はガラス窓から自然光が入るので開放的な空間となっている。
  • 観賞を疲れにくくする為にゴム素材の床材が使用されている。
  • 絵画の多くがガラス板で覆われていない。
  • 絵画の周辺には立ち入り禁止を表す停止線やロープなどが無い。

ホキ美術館 - Wikipedia

のようになかなか凝った美術館です(建物ガイドのパンフレットも配布されています)。特にこのLED照明なんだけれども、実に特徴的な配置をされていて、館内2周目にふと作品とこの照明の設計との関係を認識した瞬間に、これだけですごいと思いました。多分、自分のコレクションを美しく公開することを目的に頑張ったのだと思いますが、なかなかお金がかかっていそうです。ただ、停止線やロープなどがないので、ちょっと子供を連れてくるのは怖いです。その分大人は堪能できますが。

さて、そもそもの訪問の目的は、以前ツイッターでバズってた三重野慶さんの写実油絵作品のうち、次のツイートの1番目と2番目の作品の現物が今回の企画展で公開されているという情報から、では行ってみようということになったわけです。

というわけで入ります。

f:id:xoc:20190110112915j:plain

全フロアを普通に見て回るだけでまあ早くても1時間くらいはかかると思いますが、結局企画展、常設展のすべてを2周見て回る羽目になり、3時間ほど滞在してしまいました。

美術館の解説にも書かれていましたが、そもそも写実絵画の価値というものは写真の登場によって一度大暴落しており、写真というテクノロジーがあるにも関わらず、なぜ絵で描くのか、という疑問を見る側も問い、描く側も問いながら存続しているジャンルのようです。さらに昨今ではデジタル技術の進歩により写真側にさらに様々なテクノロジーのサポートがある状態で、さらにアウェー感は増しているかも知れません。

この美術館は、そういう特殊なジャンルに特化してコレクションを行っているという点で実に尖っているし、さらに現在活動している日本の作家たちの作品を集めているという点で、ジャンル自体についてもおそらく大きな力になっているのだと思います。面白い。

こういう作品は、やはり絵の筆使いが感じられる生で見ないと、価値が半減…どころかもっと減ってしまうと思います。全く知らない画家たちが描く、写真と見紛うばかりの精緻な作品たち。1枚1枚にどれだけの時間がかけられているのか、想像もつかないような作品が並んでいます。色使いも、あえてリバーサル写真風にダイナミックレンジの狭い色使いをしている人もいれば、現実に目で見た色を再現するために、通常の写真とは異なる、自然な色を使っている人もいます。

最近は写真側でHDRやAIによる加工のような新しい手法が使われるようになってきて、写真が表現できる能力がまた大幅に広げられています。彼らは、そのようなテクノロジーとも戦わないといけないのだろうな、とかいろいろ考えてしまいますが、そんなこととは関係なく、絵の前に立ったときの、この1枚の絵をとにかく表現したい、何ヶ月とか年単位で時間がかかっても作品として作り上げたい、という想いや情熱を感じさせられます。それは単なるレトロな技術に感じるノスタルジーではなく、写真とは別のものを作り上げたいという事なのだろうな、と想像します。

今回の訪問の最大目的だった三重野慶さんの作品「言葉にする前のそのまま」、思った数倍は大きく、思ったより筆のタッチが様々なところに残っていて、そして思ったよりずっとインパクトのある作品でした。そして、今回の訪問で知った多くの作家さんの作品も、今後見ていきたいな、と思います。

ランチはミュージアムカフェでサーモンサンドイッチをいただきました。1階のイタリアンレストラン、コースのみとなっていて怖気づいて入らなかったのですが、どうもランチもあるようなので次に来るときには行ってみたいなと思います。

f:id:xoc:20190111095559j:plain

ミュージアムショップで色々と購入。目録的なものは10冊くらい有るのですが、その中で一番気に入ったものを1冊。あとはポストカード。

f:id:xoc:20190111043533j:plain

どうも、4月の後半からゴールデンウィークにかけて、毎年恒例の「小品展」という催しがあるようなので、その時に再訪してみたいなと思います。まだ今回の企画展もゴールデンウィークまでならやっているはずなので。

とりあえず、こちらの方もポチってしまいました。