xckb的雑記帳

身の回りにあったことを雑多に語ります。

Oculus Questのコントローラの仕組みを赤外線で観察する

さて、Twitterでこんな記事(「OnePlus 8 Pro」というスマホでOculus QuestのコントローラやAppleTVが透ける)を見かけたわけですが…。

internet.watch.impress.co.jp

まあずいぶん以前から赤外線カメラが割と好きな人間としては、ああ、これは(ジョークで呼んでいるだけだと思いますが)X線とは何の関係もなく、このスマホが赤外線除去フィルタが入っていないカメラ積んでるんだな、と思うわけです。

ちなみに以前赤外線カメラでiPhone XsのFaceIDとポートレイトモードに関して観察した記事はこちらです。

xckb.hatenablog.com

ということで、Oculus Questのコントローラはこちら。よくみると、左コントローラには「L」と書いてあるけど右コントローラに「R」と書いていないのは、右コントローラは初期不良で交換したから多分ロットが違うためと思われます。

f:id:xoc:20200522121012j:plain

さあ赤外線で撮影してみようじゃないか。うわっ、透けるだけじゃなくてキラキラしてる!

f:id:xoc:20200523120845j:plain

赤外線カメラは(トイカメラだけど)Yashica F537IR。赤外線ライトの除去とIR76フィルタの追加の改造をしています。Amazonを検索してみましたが、さすがにF537IR本体はもう普通には手に入らないか。

動画で撮影するとこんな感じ。最初は筐体の一部が透けているんだけれども、ヘッドセット本体の電源を入れると内部の赤外線LEDが光り出します。ちなみに本体は赤外線を出していないようです。

なるほど、この赤外線LEDのパターンを本体側の複数の赤外線カメラで読み取って、その視差情報を計算してコントローラの物理的な位置を計算しているのね。ちょっと、Questでエリアを外れた時に見える白黒の映像ってもしかして赤外線カメラの映像? と思ったんだけれども、あの映像ではコントローラは黒いしキラキラもしていないので違うな。可視光のカメラなのか、赤外部分を除去した映像を見せているかどちらかなんだろう。

何気に、このリングの部分だけではなくトリガーボタンの部分とかも透けているんだけれども、これはあまり機能的な意味はないのかな?

f:id:xoc:20200523120933j:plain

(2021年1月1日追記)この赤外線的に透明な構造は、どうやらボタンを押した状態だけではなく、ボタンにタッチしている状態を知るのに使われているようですね。アルトデウスBCではこれを用いて、VR中の手の自然な動きに活用しているようです。
xckb.hatenablog.com

ちなみに、最初に紹介した記事ではAppleTVも透けるとのことで、じゃあうちにもAppleTVあるから試してみようということでやってみると…これはたしかに。

f:id:xoc:20200523121305j:plain

まあ、AppleTVの場合はリモコンの赤外線の受光部を外から見えないようにしたいとか、なおかつ広範囲から赤外線を受けられるようにしたいとか、そういうデザイン的かつ機能的な部分からの要求である気もするけれども、なんか懐かしの初代iMacを彷彿とさせる半透明っぷりです。

いやー、面白いね。他にも透ける家電製品とかあるかなと思ったけれども、いくつか家で試してもちょっと見当たらなかった。

(初期不良で、ペアリングはできるけれども動かなかった右コントローラ、実は赤外線カメラで見れば故障状況すぐに分かったのでは、と思うけれども、すでに新品交換してしまったので後の祭りです)