xckb的雑記帳

身の回りにあったことを雑多に語ります。

突発性難聴体験記(4):退院後の社会復帰・聴力の回復

こちらの前回の記事の続きとなります。一連の記事を最初からご覧になりたい方は、こちらのタグを御覧ください。

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突然聴覚に異常を感じ、数日後に近所の耳鼻咽頭科を受診、突発性難聴の可能性ということで大きな病院に紹介してもらい、入院することになりました。入院先の病院で、8日間のスケジュールでステロイド点滴、ATPやビタミンB12の内服、高気圧酸素治療などを受けました。8日の入院治療を終え退院。そこそこ調子は改善されてきたようには思うけれども、治ったと言うにはちょっと厳しい。そこからの続きです。

今回の目次。

流石に退院すぐに全力復帰は難しい

一応、退院した日には、翌日から普通に出勤するつもりだったのですが、なかなかそう都合よくは事態は展開しません。退院の夜、無茶苦茶眠くてすぐ寝てしまったのですが…3時間少々で起きてしまい、やはり眠れない。まあ、退院の朝まで普通にステロイドの点滴を受けていたわけで、その副作用と思われます。病院では睡眠薬で強引にもう少しだけ余計に寝ていたわけですが、退院時に処方してもらうべきだったかな。朝になっても全体的に頭がぼーっとしています。

その、かろうじて眠れていた時間も、なんか変に壮大な物語の夢を見ていたようで、さらに夢の中でも自分は難聴っぽい感じがエミュレーションされていたのを覚えています。色々と人間は環境に適応していくんだな、と妙に感心しました。

そして胃の調子とかもあまり良くありません。この辺りがステロイド点滴の副作用なのかな、と思いました。

あとは免疫力低下なども副作用の一つらしいですが、ちょっと風邪気味は入院前からずっと続いていたような気がしますね。昨今は新型コロナウイルスなどの問題も出てきているので気をつけた方がいいかもしれないですね。自分が入院中は結構院内を散歩したりしていましたが、今入院している人は免疫力が低下していることを普通以上に意識した方がいいかも。

で、とりあえず退院翌日の2月5日(水)、普段通りに出勤しようとしたのですが、前日夜の突発的なトラブル発生で、普段の職場ではなく、出張でトラブル対応を行うことになってしまいました。家の近くが出張先だったのですが、退院後初めて車を運転して出張先に。運転自体には概ね問題はないのだけれども、なんか感覚が違いすぎる。なんだこれ。ついでに、カーステレオからの音楽がなんかおかしな聴こえ方をします。

現地について、とりあえず応急処置を行なって、あとは引き継いだらもう体力的に限界な感じ。いや、これはダメだわ。とりあえずその日は休暇扱いにしてもらい、家に帰ることに。帰りも運転して帰ったのですが、本当に近い場所でよかった。家でそのまま寝たのだけれども、夕方に再び同じ場所でトラブル発生。流石にもう出勤するのは無理があると判断し、家からチャットしながらアドバイスなどを出しつつ、現地の進行を見守ることに。

その夜は少しずつステロイドが抜けつつあるのか、7時間ほど眠ることができました。

翌日の2月6日(木)、胃の調子はまだ荒れている感じですが、エアコンやテレビの音に関する不快感はかなり弱まったように思います。トラブルは相変わらず続いているのですが、いつもの通勤先ではなく、家の近所のオフィスに出勤しつつトラブル対応を行う感じで、当然定時上がりではありますが、普通に仕事のできた初めての日でした。運転感覚もだいぶ戻ってきたのですが、何かに違和感が相変わらずあります。レンタカーで初めての車種を借りた最初の違和感よりも強い感じです。とりあえず、退院後初めて8時間眠れました。

退院後3日目に聴覚が回復?

そして退院から3日後の2月7日(金)、8時間眠れた朝はなかなか爽快です。まあ、前日までのダメダメさはやはり眠れなかったことにもあるかもしれませんが…、明らかにそれだけではない変化があります。なんか耳が普通に聞こえる気がするのです!

とりあえず徐々に仕事に関してはリハビリしたいということで、この日もいつもの勤務先ではなく、家の近所のオフィスに出勤したのですが、その道中で車の運転感覚が完全に元通りに戻っていることに気が付きました!(これはもしかすると、単に寝不足の問題だった可能性もあると考えています)

そしてカーステレオからの音楽も自然に聞こえています。何が違う、と言われても説明に困るのですが、前日までがなんか「おかしい」としか言いようのない音だったのですが、この日はまったく普通に音楽に聞こえるのです。もしかすると、正弦波がノイズのように聴こえていた状況が改善されたのかもしれません。

家に帰って、子供がテレビを見ていても、その音が気にならなくなりました(退院後の数日前は、テレビの音、特に聴こえの悪い右方向にあるテレビの音が本当に不快だった)。

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入院中に見つけた簡易聴力検査法(耳に掌を当てて動かし、その音の質を聴き、正常な左耳の音と比較する)でも、あまり左耳と変わらず聞こえるようになったように思います。これはもしかすると聴力に改善がみられたのかもしれません。

ということで、2月8日から9日の土日は、日常生活に戻るためのリハビリ期間として使わせてもらうことにしました。買い物行ったり、子供の習い事に付き合ったり、割と日常生活モードに戻ってきました。

スマホの聴力検査アプリ

そんな週末、病院に行かないと自分の聴力がわからないというのは結構不便だな、と思い、聴力を簡単に測定する方法はないかと調べたところ、スマホの聴力検査アプリは割と良くできているという情報が。ということで、いくつかのiPhoneのアプリを試してみました(入院中にこれは調べるべきだったと後悔)。

試したのは以下の2つですが、どちらも標準的なオージオグラムを表示してくれます。

聴力検査&耳年齢テスト

まず試したのはこちら。割と病院でやったのと似た感じの測定をするアプリ。ヘッドホンから音が聞こえたらスマホをタップする。

聴力検査 & 耳年齢テスト

聴力検査 & 耳年齢テスト

  • Yuichi Sakashita
  • ヘルスケア/フィットネス
  • 無料

Mimi聴力検査

次に試したのはこちら。キャリブレーションされたヘッドホンがいくつかあるようで、正確な測定にはそれらのヘッドホンを推奨。なんか本格的だな。残念ながら俺のbeatsXはキャリブレーションされてない。

Mimi 聴力検査

Mimi 聴力検査

  • Mimi Hearing Technologies
  • ヘルスケア/フィットネス
  • 無料

周囲の雑音測定などもやってくれる。音は病院でやったのと異なる、ある範囲の周波数をスイープするような音で、聴こえてる間スマホをタップし続ける測定方法。結果表示はこんな感じです。

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単音でやるほうが正確な気もするんだけど、周波数をスイープしてくれると、耳鳴りのような雑音から確実に区別できるという利点は大きいと思います。

個人的にはこちらのアプリが気に入ったし、測定結果もこちらの方が納得できた感じだったので、今後も時々使ってみることにしました。

注意

もちろん、あくまでこれらのアプリは専門医に相談する前の予備的なテストに使うべきで、異常をより早く知って、より早く診察を受けるための補助に使うべきでしょう。

たとえば、自分が最初の兆候を感じたはじめての日、おそらくあの日に自分でこの測定をしていれば、低音部の難聴になりかけていることに多分自分で気が付けたと思うんだよね。

今後の再発の可能性が否定できない以上、その兆候を確実に知る方法は重要だと思うので、定期的に測っておこうと思います。

退院1週間後の再診

ということで、2月10日(月)、退院1週間後(正確には翌日が祝日のため6日後)の再診に行ってきました。今回はもう特に耳の異常は感じられない感じだったので、普通に車で病院まで何の問題もなく行けました。

聴力検査の結果としては、ついにすべての周波数で5〜10dB程度となり、完全に正常値になりました。以前のように低音の正弦波がノイズのように聞こえることもありません。低音部は、退院時の測定時からも20dBほど改善していますが、おそらくなにかが変わった実感があった退院後3日目の朝に何かが起こったのだと思います。

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再診のときも、よくなりましたね、ということで、一応あと1週間分のビタミンB12とATPは処方してもらった上で、うちの近所の耳鼻咽喉科のお医者さんに次回は見てもらってください、ということになりました。良かったです。

とりあえず一段落、ということで、そのまま車を走らせて七里ヶ浜まで。波の音も何の問題もなく聞こえることにも感動です。

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退院2週間後、地元の耳鼻咽喉科に再診

2月18日(火)、3週間前に最初に受診した地元の耳鼻咽喉科に、再診で行ってきました。そこでも聴力検査はあったのですが、やはり何の問題もない、ということで、今回で薬も通院も終了で良いよ、ということになりました。

先生によると、やはり完全に治る人は少ないんだよね、よかった、ということの一方で、今後の再発に関しては可能性は否定できないので、何か異常を感じたら、すぐにまた診察を受けに来てください、ということでした。

実は先生も以前、突発性難聴になったことがあるということで、現在も後遺症が残っているとのこと。その頃はまだ突発性難聴の治療法が今ほど色々なかったということで、今もし自分がなったらあそこの病院に自分でも行くんだけれどもね、ということでした。

いや、本当にあの日即日で設備の整った病院に回していただいて本当にありがとうございました。感謝しかありません。

音楽用耳栓を購入

せっかく回復した聴力なので、以前よりは耳に優しい生活を心がけようと思います。今回の難聴には特に騒音などは関係ないと思うのですが、ライブなどに備えてこの音楽用耳栓を買ってみました。

ALPINE HEARING PROTECTION 耳栓 NEW MusicSafe Pro BLACK

ALPINE HEARING PROTECTION 耳栓 NEW MusicSafe Pro BLACK

  • メディア: エレクトロニクス

退院3週間後に映画館であった、とあるライブビューイングイベントで、この耳栓デビューをしてみたのですが、特に音が変になったという印象もなく快適ですし、紐が付いていて落とす心配も少なそうです。こんな形の物体ですが、ヘッドホンではなく耳を守るための道具ですので、ライブ会場などで見ても「ヘッドホンで何か聴いてる非常識な人がいる」とか思わないでくださいね。

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効果の強弱に対応した3種類のアタッチメントが付属しているのですが、とりあえず中で試してみました。次はライブを効果の強いアタッチメントで試してみようと思ったのですが、新型コロナウイルス騒ぎでライブイベントが軒並み中止でまだ試せていません。

耳の件でも新型コロナウイルスの件でも、いつかまたライブを楽しみたいな、と思います。

最後に

ということなので、この先しばらくは再発に注意しながら過ごすことになりそうですが、完全に聴力が回復したことは喜ぶべきことと思います。

最初にも書いたことですが、耳の聞こえに異常を感じたら、とにかくまずは耳鼻咽喉科に急いで行くべきです。可能な限り早く、遅くとも1週間以内に行くべきです。入院を勧められたら素直に従いましょう。仕事が忙しくても、その仕事をその期日にやりきることと、聴力が今後回復する機会を生涯逸することと、どちらが大事かを考えたほうが良いです。

もちろん、診察を受けたからと言ってかならず治るわけではありません。以前も書きましたが、早期治療しても治癒するのは1/3、改善するのが1/3、改善しないもしくは悪化するのが1/3と言われています。そして、何もしなくても自然治癒する例もまれにあるそうですし、2週間と言われるリミットを過ぎても聴力が回復する例もあるようです。しかし、やはり早く適切な治療を開始した場合と比べた場合、治癒の確率は比較にならないでしょう。

聴力に異常を感じたり、耳抜きが必要な状態が耳抜きをしても治らずに長時間続く場合などは、迷わず可能な限り早く耳鼻咽喉科を受診しましょう。自分がtwitterまとめを見て早めに受診できたように、こういう記録を一つ増やすことで、誰かが1日でも早く受診する助けになればいいな、と思っています。