xckb的雑記帳

15年ほどWeb日記をつけ続けていたのですが2012年で一旦休止、1年半ほど休んで新天地でぼちぼちのんびりまた始めてみることにしました。

突発性難聴体験記(3):入院生活後半・少し改善が見えてきた?

こちらの前回の記事の続きとなります。一連の記事を最初からご覧になりたい方は、こちらのタグを御覧ください。

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突然聴覚に異常を感じ、数日後に近所の耳鼻咽頭科を受診、突発性難聴の可能性ということで大きな病院に紹介してもらい、入院することになりました。とにかく時間との勝負なので、耳の異常を感じたら可能な限り早く耳鼻咽頭科を受診するべき、であるようです。入院先の病院で、8日間のスケジュールでステロイド点滴、ATPやビタミンB12の内服、高気圧酸素治療などを受けつつ、前半の4日が経過しました。数値的には多少改善が見られるとのことですが、全く実感としては改善されたように思えません。そこからの続きです。

今回の目次。

閑話休題:入院生活

まずはちょっと一息。入院生活中はまあ、結構暇なんだけれども、まずは病院食。以前胃腸系で入院したときの初期は、お粥以前の重湯のような、これは離乳食か? と思うようなものしか食べられなかった経験もあるんだけれども、今回はまったく消化器系には問題はないので、通常食となりました。

そうするとまあ、病院食ではあるのだけれども、そこそこまあ、耐え難いような食事ではなかったりします。お肉もちゃんと出るし、揚げ物も揚げたてとは言えないけれども南蛮漬け程度なら出てくるし…。

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個人的には麺類が一度だけ出てきたとき(あんかけ焼きそば)はなんかスペシャルで嬉しかったな。鮭のバター焼きとかも良かった。全体的に病院食という制約のなかでは、まずまずのクオリティだったと思います。ありがとうございました。

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あと、窓際のベッドだったので、外の景色が見えたり昼は日光が浴びられたりしたのは冬場なので嬉しかったですね。寝たきりな病気でもないので、割と毎日院内を散歩していました。毎日院内各所の天吊りエアコンや自動販売機などから聞こえるノイズの不快感の変化などを確かめたりしながら。

まあそんな事にささやかな喜びを感じながらの8日間。入院前の最後の娑婆の飯だった一風堂コラボラーメンを買ったときのセブンイレブンで、一緒に仕入れてきた焼き菓子のストックを着実に毎日間食で消費しながらも、入院前より2kg痩せました。病院ダイエットです。リバウンド確実ですが。

一日のスケジュールは平均的に大体こんな感じ。「眠れない」の時間が本当に辛い。凄いなステロイドの副作用。「眠れない」と「休憩」のところは、頑張って眠ろうとしている(でも眠れない)か、諦めてKindleで本読んでるか、Netflixやプライムビデオ見てるか、ネット見てるか、それにも飽きて最後には仕事しているか、の、どれかでした。

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(24時間サークルメーカーを使って作成)

まあ、突発性難聴の原因の一つとしてストレスってよく上がるんだけれども、結局の所いろいろな資料見ているとそれも大して根拠なさげだなぁ、という印象も持ちました。そもそも自分が最近あまりストレスフルな生活していないし。

さて、もとの話に戻しましょう。

改善の兆し

なんか、同じ突発性難聴で同じ部屋にいた人が、自分が入院した火曜日の翌日に退院だったんだけれども、「週明け頃から聞こえるようになってきた気がする」と言っていたので、全く改善の兆しが見えない中でも、ちょっとだけ週明け(自分にとっては日曜日に対応するのかな)を楽しみにしていました。

そんな2月1日の土曜日の朝、病院のロビーとかを散歩していて、エアコンの音に対する不快感が前日よりも明らかに低減されていることに気が付きました。もちろん、まだかなりおかしいんだけれども、明らかに改善はしています。この日は、うちの少年もお見舞いに来てくれて、一緒にカードゲームしたりして遊んだんだけれども、まあやっぱり嬉しいんもんだね。

2月2日、日曜日の朝、さらに改善が見られたような感触。前回の記事で書いた簡単な耳の状態チェック(耳に手のひらをつけてグリグリと動かして音を聴く)で、以前はカサカサと軽い音しかしなかったのが、少しゴワゴワという低音が混じってきている感じ。病院ロビーの自動販売機の前で、目をつぶってぐるっと回っても、自動販売機から聴こえてくる音の場所がちゃんと分かる。

前日までは、ナースステーションの前を通ると中の雑音がとても気になったのだけれども、この不快感が低減している。そこで、病棟の廊下の休憩所で、人の会話などが聴こえの悪い右側から聴こえてくるような席に座って、右から聴こえてくる音に慣れるようにリハビリを試みてみた。

この日の高気圧酸素治療はスチームパンクくん。治療中の音楽がだいぶ聴こえやすくなってきたように感じました。

そしてこの日話題になっていた「NHKオンデマンド on Prime Video」に早速入会。

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早速NHKで見逃していた、ねほりんぱほりんの「バ美肉おじさん」回と岡田麿里の自伝ドラマを見てしまった。ヘッドホン(交換品が戻ってきたBeatsXを届けてもらった)から聴くとやっぱり色々と聴こえが良くなっている気がするけど、左のヘッドホンを抜いて聞いてみるとやっぱり右の音はかなり弱い。

前回も書いたように、入院初期から感じていた謎として、スピーカーから流れる音が不愉快でヘッドホンからの音はわりと快適という現象がありました。理由の説明として、スピーカーからの音は一方向から聞こえてきて、その方向を耳がうまく処理できていないためだけれども、ヘッドホンはそれぞれの耳に専用の音を送り込んでくるのでそれほど不愉快ではない、という仮説を組み立ててみたのですが…違うかもしれません。

(色々と突発性難聴になった方のtwitterとか読んだりしているのですが、ヘッドホンのほうがむしろ不快という方もいるようですね。人によって症状の現れ方は千差万別なんだなぁ、と思います)

そして2月3日の月曜日。毎度のことながら早朝に目覚めると、病室の窓(右側)から聴こえる近くの国道を通る車のエンジン音が、反対側の左耳に響く感じです(正直、前日より悪かった感があった)。一応、退院予定日の前日にもう一度聴力測定を行いました。

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エンジン音の件から分かるように、まだかなり問題はあるようではありますが、入院時点と比較すると、125〜1000Hzのあたりの低音部分が、どの領域でも概ね20dBほど改善しています。ということは、聴力レベルで10倍の改善が見られたということでしょうか。1000Hzは正常エリアに戻りました。

あまり大きな音にしない状態で、左耳のヘッドホンを外して、聴こえの悪い右耳だけでNetflixやプライムビデオを見てみる訓練もしてみました。

暇なのでiPadで色々と突発性難聴や急性低音障害型感音難聴の資料とか色々読んでいたんですが、たとえばこんなことが書いてあったりします。

再発した症例(メニエール病移行例も含む)の発生率を早期予後別にみると,治癒34例中15例(44%),改善6例中2例(33%)不変4例中2例(50%),変動5例中2例(40%)であり,悪化した1例では再発はなかった.すなわち,長期経過での再発の有無については早期聴力経過と相関がないという結果であり,早期予後の良い例でも早期予後不良症例と同様に再発傾向のあることが伺われた.

出典:急性低音障害型感音難聴の予後について

要するにいったん直っても結構な確率で再発するってことね(まあ、長期経過観察ができた対象がサンプルということで、その分の偏りはありそうに思うので、実際のところここまで確率は高くないのでは、とも思うけど)。そして再発と関係のありそうな因子として色々分析されているけれども結論はこんな感じ。

今回の検討では,若年者に再発傾向があり,初診までの期間の長いもの,初診時1kHzの障害のつよいもので若干再発傾向の増加がみられたが,自覚症状については難聴単発例と再発例で差がみられなかった.このことから,難聴単発例と再発例とは異なった疾患ではなく,その病態(障害の程度や発現の様式)に差があるものと考えたい.

出典:急性低音障害型感音難聴の予後について

  • 若年者(再発傾向) → 違う
  • 初診までの期間の長いもの(若干の再発傾向) → 違う
  • 初診時1kHz(つまり1000Hz)の障害が強いもの(若干の再発傾向) → 該当

なので、再発リスク評価という点では、2勝1敗だが一番大きな傾向がある部分は勝利、というところか。でも年取った人は単に再発する前に亡くなったり、それ以外の重い病気や老化で難聴にまで手が回っていないだけかもしれないからなぁ…。

今回の検討では再発までの期間は平均9.2ヵ月であり,大半が1年6ヵ月以内に再発していた.これらの事実を考え合わせると,少なくとも1年以上できるだけ長期にわたって厳重な経過観察が必要であろう.

出典:急性低音障害型感音難聴の予後について

なるほど、1年以上は注意したほうが良いと。まあ2年くらいは用心したほうが良さそうだな。

退院の日

ということで、意外にあっという間に8日間の入院生活が終了。実は、今までの入院生活期間の記録を更新してしまったのだけれども、最初から8日間と決まっている入院は、最後の日がいつになるかわかっていない入院よりはずっと気分的に楽だな、というのが素直な感想でした。

朝起きたときの感じは、前日よりだいぶいいな、と思いました。窓からのエンジン音もほとんど気になりません。朝に退院日の聴力検査を行いました。

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前日と比較して、250Hzで10dB、500Hzと1000Hzが5dBの改善が見られます。この辺りが不快感の改善に聴いているのかもしれません。

一方で、ギリギリ聞こえるようになってきた250Hzや500Hzの音が、本来鳴っているはずの正弦波ではなく、何かノイズのような別の音に聞こえる現象が生じています。どうやら信号は届くようになったけれども別の音として処理されている感じ。まあ、要は耳鳴りの一種かも、と思いました。

ということで、朝の診察で、正式に退院ということになりました。良かった。一週間後の再診ということでしたが、一週間後は建国記念の日で休日なので、2月10日に再診することに。その日までの薬を出してもらいました(ビタミンB12とATP)。

入院中、配信などを見まくったこともあり、パケットを使いまくったように思ったんだけれども、集計してみると8日間で18.5GB。こちらも新記録だな。

最後の高気圧酸素治療は午後になってしまったため、午前中の退院ができずに、昼食も病院食になってしまいました。久々の娑婆の飯は夕飯までのお預けです。最後の加圧タンクはお気に入りのスチームパンクくんでした。

退院の事務手続きや会計などを行い、最寄り駅までタクシーで移動したのですが、入院時に同じ道をタクシーで来た時と全く違って、音が自然になっています。完全に元通りというわけではないんだけれどもね。


しかしこのときの一番考えていたことは…「揚げたての揚げ物を食いたい!」でした。ということで、地元の駅前のスーパーで鶏のもも肉を購入(笑)。


学童保育に子供を迎えに行くと、入院前日と違って横を通る車のエンジン音が1つに聴こえます。入院前日に「こりゃヤバいわ」と思った現象が改善しているのはとても嬉しい。

ということで、家に帰って、もも肉を竜田揚げにして食べました。うちの少年もお気に入りの味付けで、二人でガッツリと食べました。これだよこれ、こういう食事は病院にはないのだよ。

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一方で、テレビのスピーカーから聴こえる音は、特にテレビが右側にあるときにとても不快感があります。子供が見ている「ひつじのショーン」とかのズッチャズッチャ的なリズムがなんとも耐えがたい感じに聴こえてしまいます。ということで、改善はしたもののまだ完全に治ったというわけではありません。


ということで、次回は最終回。退院後の話を書いていこうと思います。続く。

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