xckb的雑記帳

身の回りにあったことを雑多に語ります。

突発性難聴体験記(1):とにかく耳の聞こえに異常を感じたら耳鼻咽喉科に急ごう!

さて突然ですが、3週間ほど前から、8日間入院していました。理由は突発性難聴です。突発性難聴は治療を早く開始しないと回復が見込めず、また治療を開始したとしても治る確率は1/3で、1/3はある程度改善、残りの1/3は改善しない、もしくは悪化すると言われているようです。私の場合、最初の1/3に入ることができたのか、幸いなことに現在では聴覚はほぼ元通りに回復しています。

以前、ここで健康関係のことをまとめて書いたのは6年前で、その書いた時点でにすでに7年前の件だった(つまり13年前か…)この自律神経失調症の体験記でした。今でも読んでくれる人は多いようで、少しは役に立っていればいいなと思いますし、これで助かったという人もいるようですので、今にして思えばもっと早く書いていれば良かったな、とも思うわけです。

xckb.hatenablog.com

ということで、今回はまだ記憶がフレッシュなうちにちゃんと記事にまとめてみます。その分、過去の事件ではなく現在進行系に近い形になりますので、後で何らかの修正が入る可能性はあるかもしれません。あしからず。


まずは、一番最初の記事の一番最初の章で、この一連の記事で一番言いたいことを書いておきます。つまり…。

とにかく耳の聞こえに異常を感じたら耳鼻咽喉科へ急ごう!

ということです。

今回、すべての始まりは1月25日、つまり土曜日の朝でした(時間との戦い的な病気に関しては最悪のタイミングですね)。

土曜の朝に起きたとき、なんか右耳がエレベーターや飛行機に乗ったときのような感じで、耳抜きの必要な感じがして、それがいくら耳抜きをしても治らなかったのです。ただ、それほど日常生活に差し支えるわけでもなく、さらに翌日の日曜になったら症状がだいぶ軽くなったので、「これで様子を見ていいかな」と思ってしまったわけです。

しかし月曜日、朝起きたらなんかやっぱりおかしい。出勤してみると、さらに症状が悪化している気がします。これはいわゆる「耳閉感」というやつかな、ということで試しにネットを「耳閉感」で検索してみると、耳管開放症や突発性難聴などの可能性があるようです。

実は以前、Togetterで突発性難聴に関してはいくつか読んでいた記憶があって、突発性難聴の場合は時間との勝負、という認識はおぼろげながらありました。多分読んでいたのはこのあたりの記事です。

togetter.com

togetter.com

曰くこんな感じ。

  • 突発性難聴になったら時間との勝負
  • 症状発生から48時間以内に受診するべき、遅くとも1週間以内に
  • 症状発生から2週間を経過すると、回復は非常に困難

症状発生から48時間って、もう過ぎているやん! 土曜日に発生したら終わりってか? 日曜日に治ったと思ったのに!

ということで、逆に48時間が経過してしまったこともあり、正常性バイアスというか、まさかそんなことはないだろう的な感じでその日は一日中普通に仕事をしていました(48時間説に関しては思うところもあるので後に書きます)。

しかし、仕事中に何か雑音のあるところで人と話すと言葉が聞き取りづらい。さらに夕方、子供を学童保育に迎えに行ったのですが、歩くと車道を走る車のエンジン音が2箇所から鳴っているように聞こえたり、右側にいる子供の声がよく聞き取れない。

ということで、とりあえず引っかかるものはあったので、近所の耳鼻科の予約を入れて、翌日午前半休で朝イチに診察を受けることにしたのでした。多分、Togetterで得た知識がなければ、この時に急いで予約して火曜日に耳鼻科に行くこともなかったと思います。今にして思えば、人生の中でこれほどTogetterを読んでいてよかったと思ったことはありません。

(実際のところ、入院中に暇なのでいろいろ資料を読んでみたのですが、48時間説に関してはそれほど有意な予後の差があるとは思えない的な論文も多いようです。逆に、救急で土曜日曜に病院に行っても、関係ないところに回されて結局耳鼻咽喉科まで遠回りする可能性も否定できず、ならば月曜朝に耳鼻咽喉科に行ったほうが良いという考え方もありそうです。とは言え、1週間以内に治療を開始するべきというのはある程度コンセンサスがあるようですので、可能な限り早く行くに越したことはないと思います。ベッドが空いていなければ入院できませんし)

近所の耳鼻咽喉科で突発性難聴の疑い

ということで「大したことはないだろう」と、午後から仕事に戻る気満々で午前半休で近所の耳鼻咽喉科に行きました。最初はやはり耳管開放症などの疑いで色々調べてもらったのですが、なんかおかしい。聴力検査を行うと、右耳の聴力が左耳と比較して周波数によるけれども125Hz〜1000Hzの低音部分を中心に最大50dBほど落ちているみたい。デシベルってたしか20落ちると1/10になる対数単位だよな、ということで、右耳が左耳比で1/300くらいしか低音が聴こえていないってことか。

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ていうか125Hz(約B2)〜1000Hz(約B5)って3オクターブもあって、普通に会話する時に使う母音の音や普通の音楽で使われる音の範囲がほとんど入るんじゃないのこれ。低いドレミファソラシド、普通のドレミファソラシド、高いドレミファソラシドのほぼ全部じゃないか!

検査の結果、鼓膜などの物理的な機構は問題なく機能しており、感音性難聴である突発性難聴の疑いということでした。一応、通院と入院の選択肢があるが、可能ならもちろん入院のほうが望ましいという話、治療をしたとしても1/3が治る、1/3が改善、1/3が治らないという程度の成功率であることなどを説明され、入院するつもりがあるなら紹介状を書くとのことでした。

ならば、少しでも治る可能性の高い方に賭けるということで、入院を視野に大きな病院に紹介してもらうこととしましたが、なんとその日は耳鼻咽喉科が午後休診らしく、しかも入院するにも現在満床とのこと。とりあえず、紹介状を出してもらうことにしましたが、窓口で病院へのアクセスなどの説明を受けたものの、これがまた周囲の音がうるさくて聞き取りにくい。午前中の診察時間に間に合うように移動してとのことで、あまり近い病院ではなかったのですが、頑張って1時間以上かけて移動しました。

紹介された病院で即日入院

ということで、急いで病院へ直行、なんとか午前中の診療時間に間に合いましたが、再度の聴力検査と診察の結果、その日から早速8日間の入院ということになりました(ベッドは空いたようです)。とりあえずそこから8日間の全仕事をキャンセルしました。その節は各方面に’色々とご迷惑をおかけしました。満床と聞いていたので入院するとは思わず、また午前中の診療に備えて身支度を整える時間もそもそもなかったので、いったん家に帰り身支度をして、夕方に再度病院に来てそこから入院、ということでした。これで往復2時間以上の移動を合計2往復4時間取られたのは結構辛い。

ちなみに、この時点での聴力検査は大体こんな感じ。

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なんか、身体障害者福祉法で難聴の判定をする値の一つとして使われる4分法ってものがあるらしいんだけれども、それは会話の聞き取りやすさなどに重点を置いているようで、(500Hz聴力+2×1000Hz聴力+2000Hz聴力)÷4で計算するらしい。例えばこの日の自分の場合は(55+2×35+10)÷4≒33.8(dB)と計算され、25dB以上40dB以下で右耳の軽度難聴と判定されるようです。実際のところ、低音部の125Hz〜500Hzは全て、40dB以上70dB以下の中等度難聴レベルまで落ちているのだけれどもね。

どうやら周波数で言うと母音よりも子音の方が高く、特にK, S, H, F, Tあたりの子音は高音域が聴きとれないと区別できないということで高音シフトの判定基準になっており、自分の場合はその判定基準で無視される125Hzや250Hzも大きく低下しているようです(よって社会的な難聴の基準ではそれほどひどい難聴とは見做されないが、本人的にはそれなりに辛いという、色々と悩ましい感じ)。

このように低音部に強い難聴があり、なおかつ目眩や耳鳴りも発生していないということで、もしかすると突発性難聴というよりは、急性低音障害型感音難聴というものに該当するのかもしれませんが、そもそも結局、突発性難聴も急性低音障害型感音難聴もよく発生理由などはわかっておらず、さらに最初の耳鼻科でも言われたのですがメニエール病とかもこの辺りに絡んできているらしい。

こんな話を聞くと、全体的な治療成績が芳しくないのって、そもそも異なったいくつかの病気(未知のものも含む)が一緒に突発性難聴という括りになっているのが理由なんじゃないか、とか素人考えなりに思ってしまうのですが、まあそれはそれ、仮にその仮定が正しかったとしても、現在明確になっていないものを悩んでも仕方がない、ということで、現在のところ最善の統計の結果に支えられているであろう、標準的な治療を素直に受けていくことにします。

とりあえず早く治療を開始できてよかった

兎にも角にも、最初の前兆的な症状発生から80時間、本格的に悪化してきてからは32時間程度で治療を開始できたのですから、48時間説的には間に合っていませんが、1週間というリミットは軽くクリアしているということで、土曜日発症という事情もあるわけで、まあここまでは良しとするべきでしょう。そしてTogetterから知ったこととは言え、知識を持つということは時に重要だなぁ、と改めて思うのでした。

取り急ぎ、ここまでの後悔点としては、あまりに入院準備の時間が短すぎて、入院前最後の娑婆の飯がセブンイレブンの一風堂コラボラーメン(しかも消費期限切れ寸前の100円引き)になってしまったことくらいかな。もっとちゃんとしたものを食べたかったけど、それなりに美味かったのでまあいいか。

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それにしても、この件の直前に、買ったばかりのBeatsXの右側のスピーカーが断線して交換品が入院後に届くことになってたり(断じて難聴で右が聴こえなかったために正常品を交換させたわけではない…はずです)、買ったばかりのOculus Questの右コントローラーが初期不良で動かず、やっとサポートと何度も何度もやり取りして交換の手続きを整えたところで、先にこちらから故障品をFedEXで香港まで送らねばならない状態で入院になったりとか、とにかく「右側」に関するトラブルが相次いだのは何かの予兆だったのでしょうか?

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しかもどちらも両耳聴こえていないとやや問題あるっぽい製品なのがちょっと…。

以下、次回に続く

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