xckb的雑記帳

身の回りにあったことを雑多に語ります。

大橋忍さんの切り絵作品コレクション

先日個展にお邪魔してきた切り絵作家の大橋忍さんですが、かれこれ7年ほど前からファンをさせていただいております。単純に切り絵の技術的な面が凄いというだけではなく、デザインが昔から実に好きなんだよね。

xckb.hatenablog.com

そんなわけで、家にも結構忍さんの切り絵のコレクションが溜まってきていることもあるのですが、今回新しく加わった作品で、うちにある印刷などではない切り絵の作品(小品を含む)が合計10作品となったので、このコレクションを年代順に写真で紹介してみたいと思います。なお、ほとんどの写真は昼間の部屋で、壁に吊り下げた状態で撮ったので、外光が入っていますが、またそれはそれで切り絵の良さということでご容赦。

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ということで、年代順に並べてみます。

まずこちらの作品。タイトルは不明で小さな作品なのですが、この時期忍さんのネームカードにも使われていたもの(そしてそのネームカードも持ってる)。

5年前、初めてうちにお迎えした、印刷物ではない大橋忍さんの切り絵作品。シンプルだけれどもとても素敵。懐かしい。透明なガラスに挟まれた形で、裏側の板がない状態で額装されているので、裏側から色付き和紙が貼り付けられている感じがわかります。

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(タイトル不明・2012年)

こちらは初めて購入した普通のサイズの作品。夜空を見上げる子ヤギさんかわいい。うちにある唯一のモノクロ作品です。わりと昔の作風を残しつつ、今のスタイルに近づいている感じがするかな。

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(「夜の帷」・2013年)

ちなみに昔の作風ってのは、私の知ってる範囲だとこのあたりの作品ね(追記:以前貼っていた別サイトへのリンクがリンク切れになったので、もう一つ当時の作品が見られる貴重なページへのリンクに差し替えます。一度生で見てみたいのですが、まだ行けていないんですよね)。

enma-ch.com

忍さんの今の王道的スタイルの作品で初めてコレクションに入ったのはこちらになるのかな? よく見ると吊るされているてるてる坊主にハサミなどとちょいと癖のあるモチーフが良いです。シルエットの女子がなんか忍さん本人っぽい感じが出ていますがどうなんでしょう。

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(「雨の結い」・2014年)

この作品は、切り絵図案集「美しい切り絵」の巻頭カラーページに収録されています。

こちらは私が持っている作品の中で、一番の大作です。ハーブティ好きの自分としては、マロウブルーと柑橘系果実の色の反応をイメージしたモチーフも個人的に嬉しいのですが、この周囲の花がまたなんとも美しいです。今回この写真を撮るために久々に出してきたのですが、やっぱりとても素晴らしい作品なので、またしばらくこのまま飾っておこう。

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(「蒼がゆらぐ」・2015年)

ちなみに、この作品は大体32cm×23cmくらいですが、今までで一番大きな作品は多分この屏風サイズの「漣華双」かと。6, 7年くらい前の個展で見た時これはすげぇな、と思ったけど、いざ家にあったとすると一体どこに収納するんだ的な大きさだな。忍さんどうしてるんだろう? (笑)

対してこちらは今回のリストに入れていいものか悩む非常に小さな作品なのですが、印刷物ではない切り絵ではあるし、このボトルまで入れて一つの作品だと思うので…。最近「宝石の国」にはまりつつあるのでこういう鉱物柄には、お迎えした当時よりもさらに敏感に反応する今日このごろです。

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(「刻む花いとのかけら」・2015年)

以前作られたグラスとペアのコースターの図柄に使われている割と小さめの作品。星座の柄と青い色調がとても合っていて素敵。

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(「ついの星めぐり」・2015年)

その時のグラスとコースターを組み合わせると、こんな感じです。ちょっと贅沢。

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こちらは有毒植物をモチーフにしたちょいダークなテーマに、ちょっと赤系が強めの配色が実にいい。このあたりの時期、結構赤系の強い作品が多かった気がするけれども、実は結構気に入ってます。

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(「花筐の庭」・2016年)

「切り字」作品、それから白い紙の作品として唯一うちにあるのはこちらの「赤いろうそくと人魚」。小川未明赤いろうそくと人魚」をモチーフにした作品です。写真だと今ひとつわからないけれども、「文字+枠」と「背景」の2つのレイヤーを持った形で額装されていて実に良いです。

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(「赤いろうそくと人魚」・2016年)

もちろん原題は著作権切れしていて青空文庫で読めます。

そういえばこんな記事も出ていたりしました。

irorio.jp

こちらは今年の作品です。このかっちりとした六角形の枠にパースのない柵、そして植物に遠景の夜空と雲に、枠に絡みつく植物と目を塞がれた鳩さんが、なんとも不穏な空気を醸し出す面白い作品。

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(「見えない仕合わせ」・2017年)

「2018大橋忍の美しい切り絵カレンダー」の、2月の図案です。

こちらは先日の個展「白蝋の灯火に告ぐる」のタイトル作となった作品。この右下から風が流れている感じのデザインがとても好き。淡い色付けも実に素敵。最近の作品では、カレンダー表紙および6月の金魚(こちらは残念ながら入手できておりません)と並んで一番のお気に入りです。

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(「白蝋の灯火に告ぐる」・2017年)

こちらは2018年カレンダーの5月の図案となっています。

大橋忍さん、最近は週刊少年マガジン連載の漫画「不滅のあなたへ」(大今良時)のタイトルロゴなど、活躍の場を広げられているようですが、一ファンとして、ますますのご活躍を楽しみにしています。

もうすぐ5巻が発売ですね。

ちなみに英語版のタイトルロゴも忍さんの作品です。

To Your Eternity 1

To Your Eternity 1

作品展示の次の機会は、来週のデザインフェスタvol.46かな。ブースはE297-298だそうです。もちろん私も行く予定です。

(以下、2018年9月11日追記)

その後コレクションに加わった作品を追記します。

白い紙の作品は「赤いろうそくと人魚」に続き2作目なのですが、この淡い色付けと立体的な構成が実に良いのです。写真ではなかなかこの良さが伝わらない感がもどかしい。薄い灰色を背景に額装されているのも実に良いです。

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(「はなつみのとり」・2017年)

ヒナゲシの花畑を描いたこちらの作品、この赤系統の色の使い方などが実に好みです。また最近、少しずつ作風が変わっているかも的な話も出ていましたが、これらの新しい2作品とか見ると、確かに私もちょっと感じている部分はあります。いろいろな意味でワクワクします。

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(「雛芥子ゆられる」・2018年)

そしてもう一つびっくりしたニュース。なんと2018年9月29日公開の「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」では、劇中に出てくる切り絵を忍さんが担当されるそうです。劇場の大スクリーンで忍さんの作品を見られるとはなんと素晴らしい。

映画の公開前日から始まる個展と合わせて、楽しみにしています。

natsume-movie.com

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