さて、今回は一見超クソアニメだけど何故かハマってしまう…と最近一部で話題沸騰の2017年冬アニメ、「けものフレンズ」について語ってみようと思いますよ。
(2017年5月10日追記)
GWに佐渡のトキの森公園に行ってきました。野生のトキさんにも遭遇。
xckb.hatenablog.com
あ、タイトルに特に意味はありません。今ハヤカワ文庫には「バーナード嬢曰く。」コラボのこんな帯がついているけど、読破したところできっとわけがわからないよ。
…はて、今期のアニメも大体出揃ったのですが、あんまり好みのものがないなぁ、と思っていた今日このごろですが…、最近俄然注目しているのが「けものフレンズ」なのです。まあ、ダークホースというべきなのか…けものだけに。
いや、第一印象は最悪で、まずは録画しておいた直前特番を見たけど数分で耐えられなくなって即消去。そして流れで1話を見たけど、なにこの内容無さそうで、フルCGまで貧乏くさくてわけの分からないくだらん萌えアニメは(笑)、と思ったのですが、なんか引っかかったものがあったのか、この録画は消せなかった。
そして翌週以降の録画予約もそのままにしておいて、2話を思いっきり放置した末に週末に見ることに。そしてエンディングが流れると、そこに流れるのはなぜか遊園地の廃墟っぽい白黒の実写映像……なんだこれは!? これはちょっと変では…? と思ってもやもやしていると、いつの間にかtwitterにも「#けものフレンズ考察班」なるハッシュタグも出来ていてみんな楽しそう!
そこで調べてみると、そもそも元々「けものフレンズ」というスマホゲームがあったらしい。ところが、なんとアニメの放送開始直前にサービス終了している。しかも半年ほど前に課金も停止していて、開店休業状態に近かったらしい。一応攻略Wikiとかも残ってるけど…。
アニメ版がエンディングの雰囲気に象徴されるように、廃墟然とした雰囲気が漂っているのと違って、なかなか賑やかなゲームっぽい。でも、もうサービスが終了していて遊べないわけですが。
https://www.youtube.com/watch?v=fPoo-A8WtUgwww.youtube.com
そういえば年末あたりに、「なんだよアニメ直前にゲームがサービス終了って、色々放送開始前に終わってるなこのアニメ」…とか話題になっていたアニメがあったなあ…そうかこれか、と思い出したりするのですが、このただならぬEDや、閑散として荒廃したアニメ版の世界から考えてみると、「実はわざとアニメが始まる直前にゲームのサービスを終了して、アニメはサービス終了後の廃墟となったネットゲームの世界を描いている」のでは、という穿った見方まで出てくる始末。しかもそう思ってあらためて見ると、結構説得力があったりする。
そんなわけで、まだ見てないけど興味が出てきた…という向きの方は、ぜひ3話までをご覧になった上で以下をお読みください。ニコ動でも配信しているみたいだけれども個別課金で有料っぽいから、オススメはdアニメストアですかな(未加入なら1ヶ月無料だし、加入しているなら追加料金無しだし)。
なんか、既に考察してるブログとか色々出ているので、それらとかぶる話はちょっと置いといて、私が疑問に思ったこととかを書いてみようかなと思います。とりあえずいくつか他のブログへのリンクを。はてな方面になぜか多い印象があるな(笑)。
http://ch.nicovideo.jp/r_aki/blomaga/ar1171488ch.nicovideo.jp
ということで、3話まで思ったことを、ちょっとまとめてみよう。
「たべないでくださいー」「たべないよー!」
カバンちゃん、登場した途端にサーバルちゃんに狩りごっこの相手にされて、「たべないでくださいー」になるわけだけれども、なんでいきなり食べられると思ったんだろう? 本物のサーバルキャットに会ったら危ないかもしれないけれども、どうみてもでかい猫耳の女の子なわけだけれども…。カバンちゃんの持っている知識ってどうなってるのだろう?
図書館って何しに行くとこ?
カバンちゃんが何の動物だかわからないということで、サーバルちゃんが図書館にいけばわかるということを教えてくれるんだけれども、よく見ると「図書館で調べる」とは言っていない。3話ではアルパカが、紅茶の入れ方を図書館で「教えてもらった」と言っている。なので、図書館はフレンズが「何かを主体的に調べる」のではなく、「何かを受動的に教わる」場所として機能していると思われる。
セルリアンってどういうもの?
セルリアンは名前の通り青い謎の物体だけれども、1話には2つの形態のセルリアンが出ている。セルリアンは倒されるとキューブ状に分解し、それぞれの破片がサンドスターと同じ光を出して消えていく。また、1話でサーバルちゃんがゲートのところで悲鳴を聞いて、「誰かが食べられちゃってるかもしれない」と言っている。
また、カバンちゃんを謎の口で襲ってきたところなどを見ても、フレンズを食べる習性があるらしい。セルリアンはサンドスターから生まれるのか、あるいはフレンズがセルリアンに食べられると新しいセルリアンになっちゃう的なゾンビ的性質なのか、どうなんだろう?
ジャパリパークのパンフレットとサーバルと紙飛行機
紙飛行機の材料になったジャパリパークのパンフレットとサーバルの関係はよく見ると面白い。まず、サーバルはパンフレットが置いてある場所に以前にも来ているにもかかわらず、このパンフレットのことを認識していなかった上に、地図というものの概念がなかったようにも見える。
しかもパンフレットを認識した後も、このパンフレットが入っている透明な箱(上に透明な蓋がついている)から取り出せないように見えるのだけれども、これが「けもの」の能力として箱の中から出すほど手先が器用でないという意味なのか、箱の開け方が理解できないのか、ちょっと判断に迷う仕草となっている。ただ、「どうやって出したの?」とサーバルが聞いているので、箱自体は認識できているらしい。
紙飛行機というものの概念はカバンちゃんは記憶している。だけど自分が何であるかは記憶していない。紙飛行機は異様にスムーズに長い距離をまっすぐ飛ぶが、その軌跡にはサンドスターのきらめきが見えることから、なんらかのサンドスターの力を借りて飛んでいるのかもしれない。色々悩む。
アライグマとフェネックはなぜカバンちゃんを探している?
1話Cパートで出てくるアライグマとフェネックはどうもカバンちゃんを探しているようだけれども、「ここを通ったみたい。早く捕まえないと」とか「これ以上逃げられたら…パークの危機なのだ」とか不穏なことを喋っている。一体何を知っていてなぜカバンちゃんを追いかけているのだろう? そしてこれ以上逃げられるとなぜパークの危機となるのだろう?
ともかく「一刻も早く、捕獲するのだ!」(1話)とか「早く捕まえないと、あれは、あれは…」(3話)とか、なかなか物騒である。
「ボス」ことラッキービーストの正体は?
ラッキービーストの声はEDのスタッフリストで「?」となっているわけだけれども、まああえて隠すからにはカバンちゃんの内田彩さんだろうな、と勝手に思っている。声もそんな気がするし。でも前期の「オカルティック・ナイン」で同様にシークレットだった「ゾン子=あやねる」説を断言した時ほどの自信はないかな。
ともあれ、ボスの行動や発言は色々謎に満ちている。
- 今までフレンズの前で喋ったことはない。でもフレンズはボスのことを知っている。ボスはカバンちゃんに対してのみ喋るし反応を返すが、フレンズの言動に関しては無反応。
- カバンちゃんの帽子の羽飾りを見て、目が緑に輝き、いきなり口調が音声合成風のやりとりからナチュラルな口調になって「えー、おほん、テストテスト、こちらはさばんなちほーです」と喋りだす。だが、カバンちゃんがこの時いるのは「さばんなちほー」ではなく「じゃんぐるちほー」の筈。つまり「さばんなちほー」と通信しているかのように聞こえる。そういえばこの時点ではアライグマとフェネックが「さばんなちほー」にいるわけだけれども、何か関係があるのだろうか?
- 「パークの地形がすべて頭に入っている」と豪語する割には、最新の状態が頭に入っていないように思える。どういう時点の情報で記憶がフリーズしてしまっているのだろうか。
カバンちゃんの帽子
カバンちゃんの帽子は、先程紹介したゲームの動画中に出てくる「パークガイド」さんの帽子と同じように見える(でもパークガイドさんのカバンとカバンちゃんのカバンとはぜんぜん違う)けれども、何か縁に穴が空いたりしているのはどういう意味があるのだろう? 時間が経ってほころびた感じ?
また、コミカライズ版(これまた設定やストーリーがぜんぜん違う)を読むと、こちらでもガイドさんは同じ帽子をかぶっているけれども、パークの一般スタッフや一般客はそのような帽子をかぶっていないことが分かる。つまり、カバンちゃん=パークガイド、ということを示唆しているのかもしれないけれども、ゲームや漫画に出てくるガイドさんはカバンちゃんとは顔がぜんぜん違う。
けものフレンズ ‐ようこそジャパリパークへ!‐ (1) (角川コミックス・エース)
- 作者: フライ,けものフレンズプロジェクト
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2016/12/26
- メディア: コミック
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じゃんぐるちほーの看板
見学コースの前にある看板は「Jungle Tour」と読める気がする。
しかし、案内板にあるかすかに残った風の文字が読めない。後半は「Area」だろうか? それにしても見事なまでにテーマパークの廃墟である。
フレンズは何食べてる?
「たべないでくださいー」「たべないよー!」のやりとりから、では一体フレンズは何食ってるんだ、という疑問が浮かぶわけだけれども、2話でマレーバクがなにやらピンクの丸い食べ物を食べている。
3話ではトキとカバンちゃんがロープウェイの鉄塔の上で同じものを食べているのだけれども、ここでトキの歌の歌詞でこれが「ジャパリまん」という名前であることが明かされる。しかしどのようにすれば手に入るものかは、3話時点ではよく分からない。
どうもネット情報では「ジャパリまん」はゲーム版に出てきた食べ物らしいけれども、コミカライズ版には出てない(キタキツネが肉まんを大量に盗んできて食べてる描写はあるが、これはあくまで肉まん)。
コツメカワウソのお手玉
サーバルがパンフレットを出せなかったり的な描写があったりするので、一般にフレンズは不器用なのかと思ってしまうが、コツメカワウソは石(?)でお手玉をやっていて、カバンちゃんよりずっと上手そう。それにしてもお手玉に熱中していて後ろをジャガーが通り過ぎてしまうシーンは何度見ても和む。
「あんいんばし」とバス修復
バス停があるということでボスが経由地として示した「あんいんばし」だけれども、「あんいん」って何の単語だか全くわからない。
(2017年1月28日追記) これに関してはコメントをいただきました。ゲーム版では日本各地の地方をモデルにした「チホー」があって、そのうちの山陰地方モデルのものが「アンインチホー」だったそうです。なるほど、それと関係ありそうですね。
ともあれ、カバンちゃんの知恵で橋を修復し、バスの運転席を対岸から回収するわけだけれども、そのカバンちゃんの知恵を圧倒するようなサーバルちゃんの怪力っぷりが超自然的すぎてなんだかわからない。いくらなんでもあれは力持ち過ぎないかな? 何らかの意味があるのかと勘ぐってしまう。
そしてバスの「電池」の概念をカバンちゃん含めて誰も知らない。バスはバスで、電池で動くっぽいのにエンジンっぽい起動音がしているのも謎。ガソリン車でバッテリーが切れたのであればそもそもエンジンが掛からないだろうし…。もしかしてEVだけれども雰囲気を出すためにガソリン車風の起動音がなるようになってるとか?(笑)
トキの歌と動物だった頃の記憶
トキの歌は最初ジャイアンソングで周囲を恐怖に突き落とす…と思ったのだけれども、よく見るとサーバルちゃんはかなりダメージを受けているけどカバンちゃんのダメージは大したことないみたい。
トキとかばんちゃんの会話を聞くと、どうもトキは自分が動物だった頃の想い出や動作記憶などが残っているようで、サンドスターの輝きを持つ小さな羽根で飛びながら「この羽根は動物だった頃より便利に飛べるの」とか言っているし、トキの体だった頃の発声法を使っているという認識から「この体なりの歌い方があるんじゃないか」と疑問を持ち、カバンちゃんに教えてもらった人間風の発声法に直すことで、歌が改善されたりしてきている。
それにしても、「ときのもりこうえん」は「いしかわけん」ではなく「にいがたけん」ではありませんですか? と思ってしまう元新潟県民。いや、それともこれも何か意味がある? (多分ただの間違い)
(2月7日追記) やはり単なるポカミスだった模様。危うく深読みしてしまうところだった(笑)。
<お詫び>3話のトキ動物紹介におきましてトキの森公園の所在地が新潟県であるのを誤って石川県と表記してしまった事をお詫びして訂正いたします。修正次第随時差替えさせて頂きます。誠に申し訳ございませんでした。(制作スタッフ)
— けものフレンズ@公式アカウント (@kemo_project) 2017年1月27日
ジャパリパークとサンドスター
トキと一緒に飛ぶことで、はじめてジャパリパークを俯瞰して見ることができている。さばんなちほーとじゃんぐるちほーの間には谷があるように見えて、境界で気候や日差しまでが変化している。
そしてこれはサンドスターによって引き起こされていると説明される。「(カバンちゃんは)今年の噴火で生まれたんでしたっけ?」というトキの発言からは、サンドスターの噴火が毎日あるようなものではなく、せいぜい年単位から年に数回程度の頻度で生じるものであることが類推可能。あるいは毎年定期的に起こっている事象のようにも聞こえる。
もし、「ジャパリパーク=ゲーム世界」説にたつとすると、サンドスターはゲーム世界のあらゆる不自然さを生み出す力の源であるシステムそのもので、サンドスターの噴火は、ゲームの仕様の変化を生み出すシステムの更新である、ということが言えるかもしれないが、どうなのだろう? セルリアンを生み出しているのもサンドスターっぽいし。
カフェの地上絵
高山の上にあるジャパリカフェ(ゲーム版にもジャパリカフェは出てくるみたいだけれども、どうも高山の上という設定ではないみたい)に誰もお客さんが来ないので、カバンちゃんの発案で空から見てカフェがあると分かるような絵を描くわけだけれども、カフェをやっているのがアルパカで、空から見てわかる絵を描く、とかいうとやっぱりペルーにあるナスカの地上絵とか思い出しちゃうよね。突然現れた知恵を持った謎の生物が指導して、地上絵を作成するというストーリーも、ナスカの地上絵の俗説になんか合っているみたいで面白い。やっぱりその辺意識しているのかな?
(2月7日追記) ジャパリカフェがマチュピチュに似ているという指摘もあった。アルパカではとことんペルー推し、なのかな。そういえば同僚が先日マチュピチュに行ってきたらしいけど、現地ではアルパカばっかり食べてたとか言ってたような。
「死」の概念
高山に登る途中で断崖絶壁から落っこちたサーバルちゃん、その後何もなかったかのように「下までおっこちちゃったよ」と笑いながら語るのだけれども、もしかして不死身だったりする? とさえ思ってしまう丈夫さ。具体的に落ちたときに何が起こったかの描写はないので謎なんだけれども、その後もいきなり動いたバスにサーバルちゃんがはねられたりしても「わははは」で済んでるし、もしかしてフレンズには「死」の概念さえないのだろうか、と思ったりする。
しかし、バスが動かなかった時に「バス死んじゃった?」とかいうセリフも2話にあったし、セルリアンにはどうもフレンズの死のイメージが拭えない気がする。実際のところどうなのだろうか?
…そんなわけで、さまざまな謎が交錯する怪作「けものフレンズ」、ぶっちゃけ現在のところ2017年冬アニメで一番楽しんでいるかも。これからどうなるのかも楽しみだな。わりと話題になっているみたいだし、アニメのストーリーの進行に合わせて、ゲームが復活したりしないのかな。
円盤はなぜか「オフィシャルガイドブック」というムックのおまけという形で発売されるようだけれども(ISBNもついてる)、そうすると流通が書籍ルートになるから値引きがないんだよね(あと、売上枚数とかの情報も出なそうだね)。まあ、他のアニメの円盤より価格が多少安いっぽいけど、そもそもこのアニメ自体、あまり金かかってなさそうだからなー(笑)。
- 作者: けものフレンズプロジェクトA
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/03/25
- メディア: 単行本
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(2017年1月31日追記) なんだこの表紙は…wwww とりあえずポチった。