xckb的雑記帳

身の回りにあったことを雑多に語ります。

俺も「オールタイム・ベスト・アニメーション」を挙げてみよう:90年代00年代抜きで

映画秘宝の別冊「アニメ秘宝発進準備号 オールタイム・ベスト・アニメーション」をパラパラと読み始めているんだけれども、みんな色んな作品を挙げていて面白いな。先日とある映画雑誌が、年間ベスト10の候補からアニメを外す決定をしたことが話題になり、そのきっかけで出たっぽい本だけれども、あえて全体の集計を放棄して、各方面のライターたちに、それぞれの俺ルールに基づいた「自分のベスト10」を、好き放題書いてもらっている感じが実にいい。

というわけで、これを読んでいたら、やはり自分のオールタイムベストの10作品を挙げてみたくなったので、早速やってみた。公平である必要も、公正である必要もないからな…。ちなみに、同じ監督のものをずらずら並べても今ひとつバラエティに欠ける感じがするので、原則同じ監督の作品は1つに限ることにし、必要なら適宜そこで他作品に言及することとした(という事で、これが今回の俺ルール)。

ちなみに、自分は1987年から2010年までの長きにわたってアニメからはずっと距離を持っていたので、その頃の作品については「エヴァ」などの一部の超大ヒット作を除きまったく見ていない。また、後年「一般教養」的にキャッチアップして見た作品も多数あるが、結局ランキングには入れなかった。同時代的な思い入れ補正ってのは、私的なランキングではとても重要だと思うので、まあ仕方がないな。

そういう意味では、90年代と00年代の作品が全く入ってないという、少し珍しいオールタイムベストの選出になったかも知れない。

とりあえず、個人が見た範囲のアニメの中から独断と偏見で決めたベスト10なので、異論は受け付けないし、アレが入っていないのはなぜか、コレが入ってないからやり直し、とか言われても、俺は見ていないのかもしれないし単に合わなかったのかもしれない。そもそも異論があるならば自分のベスト10を書いてみたらどうだろう。その方が話が広がるので、読んでずっと楽しい。

というわけで、毎回年末にやっている私的ランキング同様、ケチらずに1位から順番に並べてみることにしよう。

  • 1. うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー
  • 2. ルパン三世 カリオストロの城
  • 3. 魔法少女まどか☆マギカ
  • 4. 四月は君の嘘
  • 5. 宇宙よりも遠い場所
  • 6. 新世界より
  • 7. 魔法のスター・マジカルエミ
  • 8. STEINS;GATE
  • 9. 響け!ユーフォニアム
  • 10. ポールのミラクル大作戦
  • 惜しくも選外の作品について
    • 新世紀エヴァンゲリオン
    • SHIROBAKO
    • さよならの朝に約束の花をかざろう
    • サクラダリセット
    • その他
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もんちほし個展「愛とは恵み(グナーデ)」(The Artcomplex Center of Tokyo)

さて、なんかデザフェスに行ったりとバタバタしていたこの数日ではあるのですが、今度はThe Artcomplex Center of Tokyoで開かれた、イラストレーター・もんちほしさんの個展「愛とは恵みグナーデ」にお邪魔してきました(残念ながら、はてなブログはブログのタイトルにはルビは振れないんだな…)。

monchihoshi.net

以前はIllustratorを用いたデジタル作成をされていましたが、ここ数年は墨絵の作品が多くなっており、今回の展示もほとんどが墨の作品です。最近は大阪に拠点を動かされてるため、以前ほどしばしばお邪魔することはできないのですが、せっかくの東京での個展ということで、ちょうど予定が噛み合った初日に行くことに。

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なかなか墨というのも奥が深いようで、この多くの作品にも、それぞれ様々な種類の墨が使われているようで、絵の横に使われた墨の種類なども書かれています。全体的にはやはり、墨への移行したての頃よりも、墨での作品のスタイルが確立してきた感じがしました。

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会場内をTHETAで全天周撮影してみました。

もんちほしさん @monchihoshi の個展の会場の様子、その2。 - Spherical Image - RICOH THETA

そんなわけで、今回の個展でひときわ気に入った作品がこちら。「ゆりも逢はむと思ひそめてき」。万葉集ですか。そして百合とくるとこれは私の大好きなモチーフの一つ。この表情が素晴らしい。惚れる。墨絵ってのもなかなか色々な表現ができるのね。

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デザインフェスタVol.47で買ってきたもの

というわけで、デザインフェスタVol.47に行ってきたわけですが、今回もいわゆるデザフェス戦利品とかデザフェスお迎え品とか言われているものもまとめてみようかと。デザインフェスタVol.47自体のレポートはこちらで。

xckb.hatenablog.com

この記事と同じ順番で紹介していこうかな。

まずは大橋忍さんのところ。この白雲石吸水コースター。以前持っていた忍さんのコースターよりも石でできている分なんか安定感があります。

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このグラスとセットでも売られていたのですが、実はこのグラス自体は既に以前のデザフェスで購入していたので…。この白い柄とコースターがとても合っていていいですね。

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そして、そのコースターの原画である「雛芥子ゆられる」。これは今回のデザフェスのラインナップを見た時にやっぱり一番好きなデザインだったんですよね。コースターよりはオレンジ色寄りの優しい色です。このひなげしの花で埋め尽くされた感じがちょっと忍さんのデザインとしては珍しい感じでとても良いです。まだ家にはないので会場で撮影した写真です。

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ちなみに、以前のコースターの原画も、そういえばうちにあったりするんですよね。

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その他、忍さんの作品のコレクションはこちらにまとめてあります(ただし、昨年11月時点)。

xckb.hatenablog.com

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デザインフェスタVol.47に行ってきました

さて、今回もやってきましたデザインフェスタVol.47。久々にビッグサイト西館に復帰です。待機列は再び1階と4階にそれぞれ別れて並ぶ形式。開場時間11時のところを、1時間50分ほど前の9時10分に来て1階に並びましたが、まあまあのポジションにつくことができました。

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実は今回は見て回る方に集中して、あんまりちゃんと写真撮ってないんだよね。だから、実際にはこの何倍もブースを回ってますが、まあこの位の量のほうがブログに書きやすくていいかも。

というわけで開場早々、いつもお邪魔している切り絵作家の大橋忍さん(C67)のブースに直行。おお、なんか赤い絵がある!

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まあ、だいたい事前に忍さんのTwitterの方でどんな絵が出ているかは把握していたのですが、あらためて実物をじっくり見ると、やっぱり本物はいいなぁ、と。

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今回は、前日に「そのまま切って楽しめる ステンドグラス切り絵100 季節の花と小さな動物たち」という新しい本が出たばかりでしたし、それ以外にも新作の小物が出ていたりしました。

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今回はこの2作品がやっぱり特に好きだな的な感じ。

「雛芥子ゆられる」。前から言ってるけど、忍さんの赤い作品好きなんです(あんまりないけど)。この背景のひなげしと、その隙間から見える茎の感じが良いです。

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「約束のハンカチ落とし」。これはよく見ると不思議なデザインだなぁ。ハンカチ落としってあの遊びのハンカチ落としのことかな?

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忍さん、9月にデザインフェスタギャラリーで個展を開くそうです。そしてまた色々と活躍の場を広げているということですので、続報を待て、とのこと。楽しみだ。

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篠原美也子25周年ライブ「海の底、空の果て」:篠原美也子の音楽がある人生は少しだけ豊かだ

2018年4月21日、渋谷TSUTAYA O-WESTで開催された篠原美也子25周年ライブ「海の底、空の果て」に行ってきた。何と25周年だよ25周年。俺が定期的にライブを聴いている人の中でも圧倒的に長いし、今回のライブで、すでに人生の過半をこの人の音楽とともに過ごしてきたことにあらためて気がついた。

今までも、10周年、15周年、20周年とライブはあったのだが、実は20周年ライブは子供が乳児だったために参加できなかったのだ。そんなわけで、アニバーサリーワンマンライブは実に10年ぶりか…。

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とりあえず今回は真面目にライブレポ的なものを書く気はない。俺がこのライブで思い起こされた記憶、特にかなり古い記憶を中心に勢いで語ってみようと思う。真面目なライブレポはたとえばこちらにあるので、ずっとオススメだ。

篠原美也子さんの25周年ライブが最高だった話 | スパイラルなブログ〜Another Spiral World〜
http://y-pon2.com/blog/miyako-shinohara_25th_anniversary_concert/

まあなんというか、篠原美也子の音楽は、俺が一応大人になってからのほとんどの時間を共に過ごしている音楽というべきものだ。

俺が篠原美也子の音楽に出会ったのは、まさに25年前、ただしデビューシングルの発売から1ヶ月ほど経った1993年の5月、発売されたばかりのデビューアルバム「海になりたい青」を、たまたまタワレコのCD試聴機で聴いたときだ(デビューシングル発売の1ヶ月後にデビュー・アルバム発売ってところが当時っぽい)。今は既にない、タワーレコード新宿ルミネ店のスタッフの誰かが試聴機にこのアルバムを入れておいてくれたことについて、俺は今でも深く感謝している。

海になりたい青

海になりたい青

当時の映像がこれだ。俺が試聴機で真っ先に撃ち抜かれた曲もこのデビューシングル曲の「ひとり」だった。

www.youtube.com

まさに俺が求めていた音楽はこれだと思った。こんな歌詞の音楽があったんだと思った。

何をしても誰かが笑ってるようでなぜか不安で
言葉たちはいつかあやふやを愛して背中を向ける
忘れたくないことよりも忘れたいことが増える
見上げる夜空は青 海になりたい

篠原美也子「ひとり」

初ツアー以降、毎回ライブに通った。ところが1998年末のアルバムとツアーを最後にあまり活動を聞くことはなくなり、そしておそらくその翌年の1999年、彼女はメジャーレーベルを去り、音楽活動を停止する。

当時は今のようにアーティストがWebサイトやブログやSNSのアカウントを持ち、直接ファンに語りかけられる時代ではなかった。通常、アーティストが事務所を抜ければ人々の目の前から消え去ることを意味し、記憶から消え去っていく。

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宇宙よりも遠い場所:南極から戻った砕氷艦「しらせ」を見に横須賀へ

さて、先日南極から戻ってきた「しらせ」5003。さすがに当日の晴海へのお迎えは無理だったけれども、4月20日(金)は横須賀に停泊中。なら神奈川県民としてはそちらのほうが行きやすそうだしということで、ドライブがてら「しらせ」を見に横須賀に行ってきた。

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出典: marinetraffic.com

上記の地図を見ると、どうやらヴェルニー公園からよく見えそう。すぐそばにショッパーズプラザことイオン横須賀店があるので、その駐車場が使えそうだ。てなわけでイオン横須賀店を目指して出発。

ヴェルニー公園に着いた。おお! ペンギン饅頭丸…じゃなかった、しらせがいる!(以下、写真はFujifilm X-T10とXF55-200mm/f3.5-4.8 R LM OISで撮影。撮影は一眼+望遠レンズがお勧め。スマホでは、少々距離があるので画質的に辛いと思うが、しらせ全景であれば撮れないこともない)。

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上の写真を見れば分かるように、平日ということもあってか公園はかなり空いていた。もっとアニヲタっぽい人いっぱい来ているかな、と思ったけど、見ればすぐ分かるような人は他に一人しかいなかった(笑)。

しらせを正面から。

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感想・レポート「第144回アニメスタイルイベント 南極到着記念!『宇宙よりも遠い場所』を語ろう!!」

アニメスタイルイベント初参加!

さて、4月9日に阿佐ヶ谷ロフトAで開催された「第144回アニメスタイルイベント 南極到着記念!『宇宙よりも遠い場所』を語ろう!!」というイベントに行ってきた。登壇者は「宇宙よりも遠い場所」のいしづかあつこ監督にキャラクターデザイン・総作画監督サムシング吉松こと吉松孝博さん、そしてアニメスタイル編集長の小黒祐一郎さん。

イベントの内容自体は、たとえばこのTogetterや一部まとめサイトあたりでもまとめられていたりするので、今更トークの内容だけ書いても仕方がないかな、と思うため、自分の雑感などを含めた内容として、書き連ねていきたいと思う。なお、録音したりしていたわけではないので、多少の間違いはあるかもしれないためその点、ご容赦いただきたい。

togetter.com

なんかチケットはかなりの争奪戦だったようで、速攻で売り切れたみたい。もちろんイープラスでヨーイドンで頑張ってゲットしたわけだけれども、整理番号は75番。もう少し遅れていたらアウトだったろうな。

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ところで、アニメスタイルって現在は結構な不定期刊で、アニメ作品の放送や上映などが終わってしばらく時間が経ってから、大特集とかをドーンとやるイメージの雑誌(ムック)なんだけれども、なにげに趣味が合うのか結構買ってる。

商売っ気よりも編集が気に入ったアニメだけを積極的に扱う事を優先するスタンスや、ひたすら文章が多くてしかも熱いところなどから、俺は勝手に「21世紀のアニメック」と呼んでいる(俺としては最高の褒め言葉のつもり)。

特にこのアニメスタイル006号(「SHIROBAKO」と「四月は君の嘘」の特集号)なんてもう神すぎて、俺としてはもはや伝説の域に達していると言ってもいい、素晴らしい俺得刊だ。両作品のファンでまだ読んでない人がいるなら、まだ在庫があるから今のうちに読んだ方がいいぞ。

アニメスタイル006 (メディアパルムック)

アニメスタイル006 (メディアパルムック)

で、アニメスタイルがしょっちゅう色々なイベントを開いているのは知っていたのだけれども、なかなか足を運ぶきっかけがなかったんだよね。Facebookで知人が足を運んでいるのを見て、面白そうだなーと思うことは何度もあったんだけれども…。そんな時にふと知ったのがこの「第144回アニメスタイルイベント 南極到着記念!『宇宙よりも遠い場所』を語ろう!!」だったわけ。これはもう行くしかないよな。

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そろそろ「宇宙よりも遠い場所」についてちゃんと語ろう

さて、2018年冬アニメ「宇宙よりも遠い場所」が最終回を迎えて1週間と少し経った。あくまで私見ではあるが、まさに何年かに一度レベルの傑作と呼ぶのにふさわしい作品だったと思う。自分が大好きな作品を引き合いに出すのであれば、たとえば「四月は君の嘘」のように感情を激しく揺さぶられ、「SHIROBAKO」のようにオリジナル作品でありながら笑いあり涙ありでストーリーに引き込まれ、そして「魔法少女まどか☆マギカ」のように1クールという枠を極限まで利用し尽くした作品だ、と言ってもいいのではないかと考えている。これは新しいマスターピースが、南極という想像だにしなかった舞台から生まれてきたのかも知れない。

出典:「宇宙よりも遠い場所」OP

ということで、書こうと思えばいくらでも書けてしまうような気がするのだが、ここでは、とりあえず思いついた3つの視点から、この「宇宙よりも遠い場所」という作品について語ってみたい。なお、以下の内容には多くのネタバレを含むため、未見の方はまず最終回までネタバレ無しで全て見てから続きを読むことを強くお勧めする。Amazonプライムビデオdアニメストアなどで、今でも全話配信している。全部見ても合計13話、6時間ほどだ。それだけの時間を費やす価値は、多分ある。

では少しスペースを挟んで、本題に入ろう。

  • 無駄のない古典的なストーリー構成の中の新しさ
  • 台詞によらない表現、象徴物の変容
  • 反復するモチーフ

無駄のない古典的なストーリー構成の中の新しさ

「毎回が神回」「毎回が最終回」「軽くシネマっすね」のような評もよく聞かれたが、この作品は実に1話1話の独立性が高く、それぞれ1本の、25分間の短編映画と言っていい完成度である。基本的に何らかの問題が、起承転結をしっかりと付けた形で毎回その話数の中で解決に向かう。そして最後に挿入歌が流れるとともに見る者の感情を揺さぶる形でその問題が解決し、見事なほどに後を引かない。特別な構成であった第12話、第13話(最終回)を除けば、まさにある種の時代劇のように、一つの黄金パターンが確立していたとも言える。だが実際は、それぞれのエピソードの中で主人公たちは少しずつ成長し、人間関係が変化し、さらに次のエピソードにその変化が活かされていく。実に巧みである。

たとえば、第1話で挿入歌が流れ始めるタイミングはここだ。この物語のすべてがまさに走り始める瞬間である。

報瀬「じゃあ、一緒に行く?」
出典:「宇宙よりも遠い場所」STAGE 01

ちなみに挿入歌はどれも名曲揃いだが、その中でも何と言っても、このシーンでもかかっていた「ハルカトオク」は最高だった。もうこの曲が流れるだけで、条件反射で涙腺が緩むように訓練されてしまった視聴者も多いだろう。

ハルカトオク

ハルカトオク

  • saya
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

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