xckb的雑記帳

15年ほどWeb日記をつけ続けていたのですが2012年で一旦休止、1年半ほど休んで新天地でぼちぼちのんびりまた始めてみることにしました。

サクラダリセット:なんか酷評する向きもあるようだけれども俺は大好きだぞ

2017年春アニメシーズン終了

さて、2017年の春アニメのシーズンも終わり、2クールものは続きつつもいろんな最終回を見て回った今日のこのごろ。しかし俺が一番気に入っているのは進撃でも冴えカノ♭でもなく、何を隠そう「サクラダリセット」なのだ。しかしこのアニメ、一般的には実に評判が芳しくないらしく、たとえばBlu-ray BoxのAmazonレビューなどはこんな感じで実に惨憺たるもの。

さらにしばらく前までtwitterで「サクラダリセット」で検索すると「サクラダリセット つまらない」が補完の第一候補に出てきていたし、MXでの放映時間が隣り合わせのサクラクエストが「面白い方のサクラ」とか呼ばれたりしていたという始末。

とは言いつつ、わりと酷評されてる作品を好きになることが、多分「新世界より」以来結構定番な俺としては十分に想定内なんだけれども、やっぱ色々残念だよなぁ。たとえば2016年秋ならその枠は「オカルティック・ナイン」だったと思うし、2017年冬なら「けものフレンズ」…の予定だったのだけれども、これは想定外に一般受けしてしまったので無しだな(笑)。まあ、兎にも角にも、春アニメで円盤ポチったのは今のところ「サクラダリセット」だけなのだ。

その「サクラダリセット」は2クール24話ものでまだ11話残っているし、原作は完結しているっぽいけどアニメでやったところまでしか読まないつもりでチビチビ読んでいるので、まだ色々謎が多くて楽しい。そんなわけで、俺はどうしてこの「サクラダリセット」が好きか、って点を、大きなネタバレはしないようにして書いてみたいと思う。

まあ、これだけ人気が出ていない以上は、俺の今回の記事を読んだ上でアニメを見ても、やっぱ合わねーわ、となる可能性が大だと思うのだけれども、Netflix, Amazon, dアニメストアバンダイチャンネル…だけじゃなくて、まあほとんどありとあらゆる配信サービスで配信されているので、念のため見てもバチは当たらないと思う。そう、できれば10話、いや11話まで。

(まあ、そんな構成だから余計にAmazonレビューが酷評で埋まるんだよな…)

基本設定紹介

先程も言ったようにあまりネタバレするつもりはないのだけれども、まあ2話くらいまでは軽くネタバレしてもいいよね。ということで、まあ物語の基本設定を紹介してみよう。

舞台は架空の都市、咲良田。ここでは約半数の人がいわゆる超能力的なものを使えつつ、ごく普通の日常が流れていく不思議な街。咲良田を出ると人は能力の記憶をなくしてしまう。その他の様々な矛盾は謎の現象で辻褄が合わされている。そして「管理局」という公的機関がこの「能力」を管理している。そんな咲良田に住むある少女の「リセット」という能力をめぐる物語がこの「サクラダリセット」だ。

モデルとなった街は小樽っぽい。タイトルに出てくる咲良田の地図は小樽に大きな川の河口(わりと何度も出てくる重要な場所)を足して、廃れたという設定の港湾施設を省いた感じになっている。ただ、商店街のあたりの街並とかは割と小樽っぽいんだけれども、駅の形は小樽駅と全然違うし、そもそも舞台が北海道という感じもほとんどしないので、街の一部をモチーフとして利用しているだけと思われる。

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出典: サクラダリセット第1クールOP, Google Maps

正直、学園ものプラス一種のタイムリープ能力、しかもメインの女性キャストが花澤香菜ってところに、昨年の「orange」の記憶が色々と不安の影を投げかけたんだけれども、その予感が外れて実に良かったと思う。

主要登場人物は三人。

浅井ケイ(あさい けい)

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出典: サクラダリセット第7話

声は石川界人。咲良田に住む高校1年生。能力は記憶。過去を全く欠落しない形で思い出すことのできる能力を持つ。「色々なことに心がこもっていないように見える」と親友に言われてしまうくらい淡々としているが、実際には強い正義感を持っている。しかし自分でそれを否定し、偽悪的に振る舞うことも多い。

中学2年の時に相麻菫の紹介で春埼美空と出会う。その後一度管理局とトラブルを起こしたが、現在は春埼美空とともに高校の「奉仕部」という管理局の活動の一環のようなサークルに所属しており、能力によって咲良田に生じた問題を解消する仕事をしながら、管理局の監視を受けている。

春埼美空(はるき みそら)

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出典: サクラダリセット 第6話

声は花澤香菜。咲良田に住む高校1年生。ケイは感情を出さないようにしている感があるが春綺美空は本当に感情が欠落していた少女。生まれつき自己の認識に乏しかったため、他者の悲しみを自分の事のように悲しみ続けることで、子供時代に感情が磨耗してしまった。

リセットという能力を持ち、世界を最大3日間巻き戻すことができる。戻ることができるのは過去に「セーブ」したポイントまでという、いわば世界のスナップショット化である。さらにセーブは前回のセーブから1日たたないと実行できないという時間的制約があり、セーブポイントは一度しか使えないという回数の制約もある。

さらに、リセットすると自分の記憶もリセットされるため、基本的には同じ行動を繰り返すだけのあまり役に立たない能力だが、より強い能力で保持されるケイの記憶はリセットの影響を受けずにそのまま残る。そのため、ケイの能力と組み合わせることで未来を改変できるようになる。

様々な経緯を経てケイと共に奉仕部で活動する事となるが、トラウマのためにケイの指示でしかリセットを発動できなくなっている。

相麻菫(そうま すみれ)

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出典: サクラダリセット第2話

声は悠木碧。中学2年の頃に浅井ケイと春埼美空を引き合わせた不思議な少女。能力があるかどうかは不明。全てを悟りきったかのような独特で淡々とした話し方をするクラス委員長。別のクラスだった浅井ケイを春崎美空と引き合わせた後、二人の能力を使って人を助ける経験を与える。

だが、安易にケイがリセットを使ったことによって、春埼美空が時間制約によりリセットを使えなくなったタイミングで謎の死を遂げてしまう。リセットを濫用した結果として、死んだ相麻菫を助けることができなかったということが、浅井ケイと春埼美空に大きなトラウマを残す。

中学2年の時にケイが管理局と一悶着を起こした原因が彼女の死であり、今でもケイは何らかの能力で彼女を復活させることを諦めていない。

サクラダリセットの何が良くて何が問題なのか

多分、この作品が気に入る人が気に入る点は、気に入らない人が気に入らない点そのものである、というように思う。つまり相性の問題が多分に大きいのではないか。

という事で、賛否の別れそうな点について語ってみたい。

主要登場人物全てにおいて感情の抑揚が極端に乏しい

ともかく上に書いたように、主要登場人物が全て感情を表に出さなかったりそもそも感情が磨耗して失われていたりで、セリフを上の空で追っていると、全く何が起こっているのか分からない。たとえば進撃の巨人でエレンやミカサが叫んでいると、それだけで隣の部屋にいてもなんか起こっていることがわかりそうだけれども、これはそういうアニメじゃないんだ。

たとえば浅井ケイと春崎美空が相麻菫の取持ちで初めて校舎の屋上で出会った時のシーンはこんな感じ。

ケイ「相麻さんとはよく話をするの ?」
美空「私が一年生の間に 、もっともよく会話をしたクラスメイトは 、相麻菫です」
ケイ「なんだ、仲いいんだね」
美空「私が二年生になってから 、学校で最も長く会話をした相手は 、貴方です」

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(出典:サクラダリセット 第1話)

なんかレプリカントとの会話のようだ。そういえば原作ではこちらの小説への言及も出てくる。そして「アンドロイドは誰?」はこの物語の序章にあたる「MEMORY in CHILDREN」における相麻菫の重要な問いかけであり、10話でその答えが示されるものだ。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

ともあれ、ひたすら1クール、この春樹美空を淡々と描き続けることで、我々は春崎美空の中に取り戻されつつある感情に気が付かないうちに慣れさせられているのだ。

そして10話でケイが「普通の女の子になった」と語る高校1年の春崎美空は、「それはねーだろどこが普通なんだよこんな『普通の女の子』なんていねーよ」的な心の中のツッコミを押さえられない程度に、相変わらず感情が乏しすぎるように見える。しかしここで番外編の11話という、春崎美空の内面の声をひたすらフィーチャーした回を用意することで、我々はその感情の輝きをカタルシスと共に感じることができるのだ。最高の演出だ。春樹美空可愛すぎる。

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出典:サクラダリセット第11話

そしてその薄味のキャラクター達を演じるCVも実に素敵だ。少なくとも花澤香菜悠木碧に関しては、春崎美空と相麻菫は俺のマイベスト花澤香菜、マイベスト悠木碧に加えようと思っている。ちなみにベストの残りは誰かと言えば、花澤香菜に関しては椎名まゆりと常守朱悠木碧に関しては鹿目まどかと雛月加代だ。

情報量が多いので片手間に見てるとまず理解できない

たとえばエロマンガ先生エロマンガ読みながら見てもストーリーを追えると思うけれども、サクラダリセットはそんな見方は絶対に無理だ。

サクラダリセットラノベが原作だけれども、あえてジャンル付けするなら一番近いのはミステリーだろう。そう「氷菓」みたいな。

1クール終わったということで、改めて1話から見返してみると本当に巧みに伏線と謎解きが仕掛けられていることに気がつく。そしてそれが実にロングパスなのだ。だから、前回の事さえ「あれ、前回どういう話だったっけ」的なアニメの見方をしていたら絶対置いていかれる。

できれば水曜夜にリアタイ視聴する前にもう一度前回の内容を復習してから見るべきだ。理想的には毎回1話から前回まで全部見るのがいいと思うけど、それは流石によほどの暇人じゃないと無理だからな。2クールあるし(笑)。

サクラダリセットが面白いので読んでみた同じ作者(河野裕)の「階段島」シリーズも実に伏線ロングパスが炸裂しまくっている(現在出ている4巻まで読んだけど、これまたとても面白い)ので、これはこの作者の芸風なんだろう。というわけで早く5巻をよこすのです。

いなくなれ、群青 (新潮文庫nex)

いなくなれ、群青 (新潮文庫nex)

まあオカルティック・ナインもそうだったけれども(イシグロ監督自らそう言っていたし)、録画して何度も見ること前提の作り方だよねこれ。

時間軸を行ったり来たりで複雑すぎる

いや時間軸に関してはオカルティック・ナイン序盤ほど難しくないと思うんだが…(序盤の時系列をまとめてみた時の記事はこちら↓)。

xckb.hatenablog.com

時間軸に関してはむしろ原作よりも少しわかりやすく組み立て直されている。是非はあると思うけれどもアニメという表現形態に合うのはやっぱりアニメ版のタイムラインの方のような気もする。簡単にまとめてみる。

タイトル 原作 春埼・ケイの主な学年
1 MEMORY in CHILDREN 1/3 3巻 中2・4月→8月
2 MEMORY in CHILDREN 2/3 3巻 中2・8〜9月
3 CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY 1/2 1巻 高1・7月
4 CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY 2/2 1巻 高1・7月
5 ビー玉世界とキャンディーレジスト 4巻 高1・4月
6 WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL 1/3 2巻 小6/高1・8月
7 WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL 2/3 2巻 高1・8月
8 WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL 3/3 2巻 高1・8月
9 Strapping / Goodbye is not an easy word to say 4巻 中2・9月
10 MEMORY in CHILDREN 3/3 3巻 高1・8月→小6→高1・8月
11 ある日の春埼さん 4巻 高1・夏(7〜8月?)
12 ONE HAND EDEN 1/4 5巻 高1・8〜9月
13 ONE HAND EDEN 2/4 5巻 高1・9月

こうしてまとめると、番外編的扱いの5話と11話、あとは長い回想と言える9話を除けば、概ね時間通りに流れていることがわかると思う。ちなみに5, 9, 11話に相当する原作4巻は短編集で、まだアニメでやっていない短編もあるので、おそらく2クール目のどこかでやってくれるのだろう。

そして複数話続くストーリーの時はタイトルに「a/b」の数字が書いてあるのだけれども、1,2話で「MEMORY in CHILDREN」の「1/3」と「2/3」をやっておきながら、何の解説もなく別のタイトルの話を始めるところなんか実に面白い。おい「3/3」はどこ行ったんだよ、と思わせつつ、しっかりと伏線を踏まえて、満を持した形で10話に「3/3」を持ってくるところなんて実に最高だ。あと、原作4巻の短編の一つである9話をやったあとに、3巻のラストである10話を入れてくるあたり、結構このアニメでの並び替えはよく出来ていると思う。

原作が7巻までのようなので、2クールの構成としてみた時に割りと丁度良いペースで進んでいる感じがするのもいい。ただ、やはり小説からアニメ化するにあたってオミットされた部分も多々あるので、アニメを見たあとは原作を読むとより楽しめると思う。

第1クールのEDが「ねっとりしたラルク」っぽくて気持ち悪い

うーむ。

いやこれはもう感性の問題だから、まあ嫌いというならそうなんだろうなとしか言いようがないけど、でも実は俺はこれも結構好きだよ。バンド名は謎だと思うけど。

トナリアウ/ONE'S AGAIN 初回盤

トナリアウ/ONE'S AGAIN 初回盤

そして13話を迎えて、OPとEDが新しく変わってしまったんだけれども、なんかサクラダリセットの最後にはやっぱりあの「えいえんにふーりそっそぐー♪」が条件反射的に聴きたくなってしまう人もちらほらとtwitterに出現しているようで、なんだやっぱり結構愛されているじゃん(笑)。

いや、第1クールEDはとりあえず置いておいて、全般的にサクラダリセットの音楽いいよね。特に第1クールOPと第2クールEDの牧野由依は最高だと思う。

そして何と言っても第2クールEDアニメが100%相麻菫推しなところがいい。ところで主人公ポジションではない牧野由依(村瀬陽香役)が歌ってるのは何か特別な意図があるのかな? 特にないんだろうな。…まあそんな風に油断していたら実は雪野弥生的な人でしたという「正解するカド」に吃驚したばかりなのが気掛かりではあるのだけれども。

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出典: サクラダリセット第2クールED

そして派手さはないけど、劇伴も実に良い仕事をしていると思うのだけれども、まだサントラのリリース予定がないみたいなんだよね。せめて円盤のおまけでもいいからサントラを作ってくれないかな。

そうそう、WEAVERによる第2クールOPも結構気に入ってるので早く音源出ないかな、と待ちわびている今日この頃。OPアニメも第1クールOPよりもさらにキラキラしてて実に好きな感じだ。

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出典:サクラダリセット第2クールOP

(追記) 早速 iTunesで配信が始まりましたね。

だから僕は僕を手放す

だから僕は僕を手放す

  • WEAVER
  • アニメ
  • ¥250

あ、新OPに出て来るロータリー交差点の標識あった。やっぱり小樽市内か。

サクラダリセットはいいぞ!

というわけで書き忘れたけど、マクガフィンとかシナリオとか夢とか、物語のメタな概念で遊んでいるようなところも好きだよなー。嫌いな人は嫌いそうだけど。いいぞもっとやれ。

そんな今一番次回が楽しみなアニメ(まだほとんどの夏アニメは第1話やってねーだろ的なツッコミは無しでよろしく)、サクラダリセットを軽く紹介してみたけれども、あまりに過小評価されている感があるので、もう少し人気が出てもいいと思うんだけれどもな。

とりあえず現在目下の謎である夢の鏡像世界、どうなるんだろう。楽しみすぎる!



おまけ:第12話〜第13話に関して少し

ということで、ここから少しだけ軽いネタバレありで最新話の話をしてみたい。いやもう語りたいんだよ許してくれ。

…ちょっとだけスペースを挟むか。







第12話のラストで突然出てきた謎の「モンスター」に関してtwitterを眺めてると、「迷家」を思い出す人と「ハルヒ」を思い出す人に分かれていて面白い。

世代の差というのもあるかも知れないけど、私はハルヒの時代はアニメから遠ざかっていたから、実は思い出したのは迷家の方だった。それにしてもリアタイ視聴していた深夜、全体的に静かな音響のこのアニメに突然現れたあの轟音にはなかなかビビったな。

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出典:サクラダリセット第12話

あれは結局何というかいわゆる夢邪鬼的なポジションのアレなんだろうか。わからん。

一方、夢の世界を作る「何か」の周りにみんな集まって眠るってのはなんかインセプションみたいで面白いんだけど、ケイの言うことを無視してあっさり床に寝て夢の世界を離脱してしまう、なんか色々と眩しい春埼美空さん、超かわいい。

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出典:サクラダリセット第12話

そして代わりに出てくる鏡の世界の春埼美空さん、ちゃんと髪の分け目が左右逆になっててわかりやすいよね。そして鏡の世界の春綺美空さんはどういう春綺美空さんなのか。またしても出てきたスワンプマン的な何かなのか。

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出典:サクラダリセット第12話

あと、第13話冒頭に唐突に挟み込まれたようなこのシーン、謎だよなあ。相麻菫は髪の分け目では区別しにくいし、そもそもなぜ高校の制服を着てるのだ? 未来視なのかな? それともこの鏡の世界ではまだ相麻菫はごく普通に生きてる? そう考えると相麻菫が少し大人っぽくなってるような?

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出典:サクラダリセット第13話

そんなわけで明日の第14話が待ち遠しい。シナリオのナンバー407って何だ? どうやれば読めるんだ?



はやくおかわりをよこ(以下略)


(追記)第12〜15話の「ONE HAND EDEN」に関してまとめてみました。

xckb.hatenablog.com