xckb的雑記帳

身の回りにあったことを雑多に語ります。

やっぱり魚眼が好き:Samyang 8mm F2.8とRICOH THETA S

私は以前から魚眼が好きなんですよ。もしかしたら中学生くらいの頃、カメラカタログで見て圧倒的な存在感に萌えたフィッシュアイニッコール6mm F2.8(もちろん買えるわけがない)への中二病的な憧れに端を発しているのかもしれません。画角220度というスペックに加え、巨大な前玉が醸し出す問答無用の存在感。

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その後長くの時間が流れた後、ついに対角魚眼のフィッシュアイニッコール16mm F2.8を手に入れるのですが、円周魚眼とは異なるギリギリの「超広角」レンズの魅力をたっぷり味わうことができました。

そんなわけで、先日富士フィルムのミラーレス一眼、X-T10を購入したのですが、これにも1本魚眼が欲しいなぁ、と思っていたのです。Xマウントの魚眼レンズとしては、富士フィルム純正の物はないのですが、まずはトダ精工のTFX-02という12mm F7.4というレンズがあります。これはビックカメラの店頭にもあったのと、国産ながら手頃な価格だったので検討はしたのですが、12mmでAPS-Cだと画角は180度無いんじゃないの? という点と、F7.4という暗さがちょっと気になりました。

そこで、他にもないものかと調べたところ、安原製作所のMADOKA 180という7.3mm F4の円周魚眼がありました。これも気になったのですが、今まず欲しいのは円周魚眼ではなく対角魚眼なのだ、という点がネックとなりました。TFX-02程ではないにせよ、F4だと若干暗いのではないかな、という点も気になった点でした。

決してMOMO, NANOHA, MADOKAという同社の製品ネーミングポリシーに引いたわけではありません(笑)。なのはってよく知らないけど。

そんなわけで結局買ってしまったのがSamyangの8mm F2.8 (Xマウント版)なのです。

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X-T10につけるとこんな感じです。

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Samyang(Samyang Optics)は名前から想像がつく通り韓国のメーカーで、どうやら漢字で書くと「三洋」のようです(日本人としてはやや微妙な名前ですが、パナソニックさんが何のためらいもなく捨てちゃったブランド名なので、まあ今後は好きに使ってください…)。どうやら監視カメラのレンズを作っていた会社のようですが、最近は手動フォーカスに手動絞りで性能の割にはかなり安価な、ちょっと面白い一眼レフ用レンズを出していて一部で話題らしいです。ケンコーにもいくつかOEMでレンズを出している他、Rokinonなどの別ブランドも有るようです。

そんなわけで、最近出来たばかりの横浜市鶴見区の二ツ池公園(桜の名所で有名な三ツ池公園ではない)で、ちょっと試し撮りしてきました。

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これは、歪みっぷりも自然な対角線魚眼で、なかなかいい感じのレンズのようです。F2.8という明るさも魅力です。最近円安ウォン高で結構高くなってしまったにせよ、価格もほどほどでコストパフォーマンスはとても良いと思います。マウントはしっかりしているし、キャップはフィッシュアイニッコール16mm F2.8についてきたキャップよりも簡単に外れなそうで良さそうです(レンズが出っ張っているので、プロテクターを付けることも無理なため、あまり簡単にキャップに外れられては困る)。一方、フィッシュアイニッコールは後玉のところにフィルターが付けられるようになっているのですが(専用のフィルターが何種か)、そもそもデジタル時代はPLやND以外のフィルターの重要性が低下しています。PLはいずれにせよ後玉につけたら回転できないので役に立たないためフィッシュアイニッコールにも付いてこなかったし、対角魚眼はあまり絞りを無理に開ける用途も少ないレンズなので、NDの必要性も少ない…ということで、それほどマイナスではないですね。

ということで、結構気に入ったので、これからいろんな場所に持っていって、いろんな条件で撮ってみようと思います。一言で言うと、楽しいレンズですね。このモデル、最近更新されているようで、私が買ったのは箱に「F2.8/8mm」と大きくロゴがあって、「1:2.8 8mm UMC FISH EYE Ⅱ For Mirrorless Cameras」と書いてあるやつのXマウントバージョンです。

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これですね。「Ⅱ」です。贅沢を言えば、もっとウォンが安い時に買いたかったなぁ(笑)。

で、別件なのですが、最近魚眼好きには聞き逃せないニュースが1つありました。RICOH THETAの新モデル「THETA S」の発売が決定したニュースです。

ascii.jp

私は初代THETAのユーザなのですが、とにかく初代モデルも、予約を開始したと聞けばもう居ても立ってもいられない感じで予約を入れて早々に入手しました。最初に書いたフィッシュアイニッコール6mm F2.8が、恐ろしく巨大な前玉を使って画角220度を達成していて「すげーーー!」と昔から憧れていたというのに、このカメラはデジタル技術を活用することで、220度を大きく上回る究極の「画角360度」をコンデジ以下のサイズで実現しているという点でもう、大興奮だったのです。

逆さ吊り状態で撮ってみた。 - Spherical Image - RICOH THETA

これこそがまさに正しく「デジタル技術を写真に対して活用する」ということだよ! と思いました。画質はそれほど良くもなく、動画が撮れるわけでもありませんが、そんなことは気にならない、まさに「QV-10的」な製品だったと思います。

一応、前のモデルチェンジでは動画が撮れるようになったのですが、それ以外のスペックはそれほど変わらなかったので、あまり意味は無いかな、ということでパスしたのですが…。

今回のTHETA Sは、まずは静止画の解像度が2048×1024から5376×2688と、5倍以上になりました。普通のデジカメでWebに載せる写真を取る場合は、数メガピクセル以上あれば比較的どうでもいいのですが、全天周写真の場合はどうしても一部を拡大して見ることとなるので、通常よりもはるかにピクセル数の実用的な上限はより高いところにあるのです。今回それが2メガピクセルから10メガピクセル超となったことで、やっと画質に対してそれなりの評価の出来るレベルに達したのではないかと思います。

動画の解像度は1920×1080と、前のモデルと変わらないのですが、15fpsが30fpsとなっており、時間も5分から25分に伸びています。こちらは画質的に「まず問題ない」レベルにするには、最低でも4K化が必須と思われるので、まだ過渡期の機能といえるかもしれません。ただ、受光素子の性能も向上しており、おそらく光学系のスペックも上がっているので、どこまで「いける」動画が撮れるのか興味深いところです。

THETA Sをドローンに乗せて撮ったこの動画などを見ると、従来のモデルの動画とは一線を画したものではないか、と個人的には思います(youtubeの全天周動画なのでグリグリ動かせます。フルスクリーンは埋め込みでは無理らしいので、YoutubeアイコンをクリックしてYoutubeサイトで御覧ください)。


Theta S and Drone - YouTube

あと、60秒までのスローシャッターがサポートされたのも何かと期待できる感じ。ISO1600でF2.0で1分あればそれなりに星が撮れるよね。

ということで、これはヤバいよ早く使ってみたい! と思っていたらもうAmazonで予約開始していた! ので音速でポチリした…という本日でありました。

発売日の10月30日が待ち遠しくて仕方がありません。ああ、魚眼は楽しい!

(追記) THETA-Sに関してはいくつか記事を書きました。
xckb.hatenablog.com
xckb.hatenablog.com
xckb.hatenablog.com