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xckb的雑記帳

15年ほどWeb日記をつけ続けていたのですが2012年で一旦休止、1年半ほど休んで新天地でぼちぼちのんびりまた始めてみることにしました。

Googleフォトの中の人優秀すぎる

デジカメ Web

ここしばらく、Googleフォトに驚かされ続けている今日このごろです。ご存じの方も多いと思いますが、Googleフォトは、デジカメの写真や動画をクラウドに保管してくれるサービスなのです。これだけなら今どき珍しくもないのですが、まずは、

  • 元の画像をそのまま保存するのではなく、サイズ調整や再圧縮をかけて良いのであれば何枚アップロードしても無料

というところが物凄いのです(そうでない場合は基本15GBまでは無料、100GBで$1.99/月、1TBで$9.99/月)。そしてそれだけではなく、

  • 機械学習の技術で画像に対して解析を加え、写っている対象物や場所などで検索をすることができる
  • さらに画像をセレクトしてさまざまな加工を勝手に行ってしまう
  • しかもそれらをまとめてイベントごとのアルバムや動画を勝手に編集して作成してしまう

などという、ある意味実にGoogleさん的で恐るべきいくつもの機能が提供されています。また新機能も随時追加されてきているようです。

最初に驚愕したのは、デジカメに位置情報が付くよりはるか昔の20世紀の写真でも、場所の情報が付加されている写真がたくさんあること。たとえば「富良野」で検索してみると、1999年のこんな写真が引っかかってきます。

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おそらく、似た写真で位置情報を持っている写真と比較して、位置を推定しているのだと思いますが、それにしても凄すぎる。

そしてさらに、この位置情報を元に「1999年9月の北海道旅行」なんてアルバムを勝手に作られてしまったりするのです。そして間のページに挿入されたGoogleマップ上に「札幌市中央区から富良野市に移動」とか赤い矢印を勝手に引かれたりするわけです。

また、似たアングルで撮った連続写真を勝手にアニメーションGIFに変換する機能も最初驚きました。沖に向かっていく船を追いかけたり…。

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たこ焼きがわさわさと美味しそうだったり。

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同じような機能では、パノラマに繋げそうな複数の写真を1枚のパノラマ写真に、しかも結構綺麗につなげてくれたりします。横長で小さくなるので何枚かサンプルを並べてみました(上から、ヴィシェフラドの墓地(プラハ)、浜松町の世界貿易センタービルからの夜景、ブルックリン橋)。

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繋ぐ写真の間に大きな露出の差があっても、頑張って補完してくれているさまが、この横浜のパノラマ写真からは伺えます(写真左にあたる西の方が、日没の太陽があるので明るいはずだが、それなりに自然につなげてくれている)。凄い。

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また、勝手に写真を選んで、「芸術的な」フィルタをかけて加工してくれる機能も面白い。どうやってフィルタを選択しているのかよくわからないけど、もしかしたらユーザが気に入って「保存する」かどうかの選択も記録して、「こういう写真にはこういうフィルタが受けがいい」、とかいう傾向も機械学習しているのかもしれないなぁ、と思うと空恐ろしくなります。

たとえばクリスマスのNYSE前の写真がこんな感じに勝手に加工されていました。

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新宿で撮影した赤外線写真はこんな感じに。自分で撮った写真に対していうのも何だけど、美しすぎる。

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「四月は君の嘘」の土陵橋(本物)がこんな「四月は君の嘘」っぽいカラフル加工されていたのに至っては、本当は中に人がいるんじゃないの? しかも結構なヲタが…www とまで思ってしまいます。正直、俺が適当にレタッチした写真よりもはるかに君嘘っぽい。

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さらに、適当に写真を選んで、こんな感じでカッコいいアルバムを作ってくれたりします。

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アルバム中身のページはこんな感じです。動画なども適宜コンテンツに入ってきます。

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ただし、アルバムは旅行先などに応じて作ってくれるのですが、この際に一番の障害になるのは、(Wifiとネットを組み合わせたスマホ風の位置情報取得機能がないが故に)GPSの電波が入らないと、何日前の位置情報でも何食わぬ顔でEXIFに突っ込んでしまっていたような初期のGPS対応デジカメで撮った写真たちです。むしろ何も位置情報が入っていない時代の写真のほうが機械学習で適切に振り分けられたりします。特に室内だったりすると、東京の写真が普通に(数日前に行っていた)大阪と判定されていたりで、困ったものではあります。

あと、EXIF上の上下左右が間違った情報が入っている写真、せっかくだから正しく直してくれたらいいのに、と思わないでもありませんが、そのうち勝手に直されたりするかもしれませんね。

一方、ムービー機能もなかなか衝撃的でした。動画ファイルを集めてきて、そのあたりの静止画なども含めながらBGMも適当につけて、さらに手ブレを除去して全体的な画像エフェクトまでかけてくれます。

どうも、大きく人物が写っている静止画を含める癖があるようで、ちょっと私や嫁の恥ずかしいアップ写真が強調される動画が多すぎて、なかなか公開できるものが少ないのだけれども、どうやらこれは大丈夫かな?(ドレスデン。最後にまどマギの杏さや決闘シーンの聖地がチラリと映りますw)

あとはこの京都の動画とか。

こんなクオリティの動画が勝手にできてくるんだから、機械学習恐るべしとしか言いようがありません。

さらに、数日前にまた新しい機能が出ていました。ほぼ同じ場所を写した露出の異なる写真があった時に、それらをまとめて勝手にHDR写真にしてしまうという恐るべき機能です。勝手に作られたにしては見事すぎる横浜大さん橋HDR写真。

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沖縄、末吉宮HDR写真。自分の撮った写真とは思えないくらい美しすぎて、ため息しか出ない。

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タリン旧市街(エストニア)のHDR写真。他にもたくさん素晴らしいHDR写真を勝手に作ってくれています。

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さらに、既に自分がHDRで撮影していた写真と、オリジナルの写真をまとめてさらに強力なHDR写真にまとめてくれてしまった例もあります。なんかイラストみたいな写真になってしまっていますが、とても綺麗です。嘉手納の「海が見えるそば家」。

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まあ、このサービス、良くも悪しくもとてもGoogleっぽいとしか言いようのないサービスですので、こういうのが嫌な人にとっては本当に嫌なサービスかも知れません。

このサービスには人工知能のまさに最先端が詰まっていてワクワクさせられる一方で、生理的にとても怖い部分もあるけれども、そのアンビバレントな直感こそが、AIというものが数年先、我々の前に顕在化する姿の予兆なのではないかな、という感想を持ちました。嫌であっても、確実に訪れる未来の姿の片鱗、というものなのかな。

たとえば、画像をキーワード検索すると、なかなか面白い判定ミスを行ってくれたりします。次の写真は、「飛行機」で検索して出てきた写真の一枚です。

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…ああ、なるほど。これが飛行機か…飛行機だな、たしかに(福岡、シーサイドももち海浜公園)。

こういう判定ミスを色々見てから、先日話題になった「GoogleのAIが見る夢」の記事を読むと、なかなか趣深いものがあります。

www.gizmodo.jp

写真の中から特定のパターンを意図を持って抽出して、その姿を見てしまうというのは、「夢」というより「幻覚」に近いかと思います。若いころに受験勉強で徹夜続きだった時に、朦朧とした意識の中で、問題集の数式の上を機関車が走り始めて、慌てて寝た事を思い出すのですが、Googleフォトの中の人であるAIは、既に「幻覚」を見る能力を持っているのだと考えることもできるのかも知れません。

夢は記憶のガベージコレクションのプロセス、という説もあるようですが、GoogleのAIの見る夢はどんな夢なんでしょうね? それともガベージコレクションはしないのかな?