xckb的雑記帳

身の回りにあったことを雑多に語ります。

2019年版 カフェイン過敏・カフェイン不耐の生活ガイド アップデート

はじめに

さて、約5年前に書いたこの記事、未だに結構読まれているのではありますが、さすがに5年も経つといろいろ内容が古くなるので、そろそろアップデートをしておきたいと思います。

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なお、妊婦さんはカフェインを控えた方が良いらしいという点では一緒ですが、それ以外にも色々考えるべきことが多いので、この記事では対象外です。すみません。

この5年で、デカフェ製品に関する日本の事情は大きく変化しました。例のエナジードリンク関係の諸々の話の影響か、世間にデカフェ製品に関する需要が増してきている関係で、状況はだいぶ良くなりました。

一方で、例の騒ぎは本当にエナジードリンクがあれほど一方的に悪者にされるべきものだったのか、疑問を持っています。ドリンクのメーカーが言っていたとおり、エナジードリンクは他の飲料に比べ、さほど突出してカフェインの含有量が高いわけではありません。むしろ安易なカフェインの大量摂取の危険に関しては、緑茶のペットボトルのほうがずっと可能性が高いと考えています。

まあこういうことを言うと、緑茶は健康に良い部分はあるのでそこまで言うのはおかしい的な反応を貰うこともよくあるのですが、常識的に、アルコールに弱い人に、ポリフェノールが健康に良いからと赤ワインを勧めませんよね。「アルコール中毒の危険性があるから酒の飲み過ぎに注意しましょう」的なことを言う人に、蒸留酒はプリン体が入っていないからたくさん飲んでも大丈夫、とか言いませんよね。それとこれとは別の話です。

ということで、エナジードリンクの件が本当にエナジードリンクだけが悪いのかは謎ですし、エナジードリンクのみの危険を強調しすぎることは事の本質を見誤る可能性もあると思うのですが、カフェインを含む飲食物には危険性もある、ということを世間に知らしめる結果にはなってくれたようで、先述のように5年前と比較して、圧倒的にデカフェ製品の入手は容易となりました。

そもそもの経緯も再掲しておくと、12年ほど前(記事を書いたのが5年前+その時点から7年前)に自律神経失調状態になった自分は、結局長期間の試行錯誤と実験の末にカフェインが原因であるらしいことを発見し、デカフェ生活に移行することで症状を改善した…ということをまとめて書いたのがこちらの記事から始まる一連のレポートです。

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その最後におまけとしてつけたのが最初に紹介した記事でした。まあ、概ね今でも大筋は異なっていなかったりするのだけれども、最近の事情で(概ね好ましい方向で)変わった部分を更新しておきたい、というわけです。

コーヒー

まずはコーヒーについて。コーヒーに関しては、先の記事では次のように書いたのですが…。

コーヒーはデカフェを飲めばいいのでは、と思われるかもしれませんが、デカフェは100%カフェインを除くものではなく、多少ながら残ります。また、コーヒーはその他の成分もいろいろな効果を持っているのではと疑っているため、デカフェでも安心できません。残念ながらコーヒーとは距離を置かざるを得ません。

最近はデカフェの技術もいろいろと改善されているようで、カフェイン残留率0.1%以下の製品も広く売られるようになっています。以前のように3%〜5%もカフェインが残っていると言われると、それはちょっとなぁ、と思うのですが、0.1%となれば流石に量の問題、1000分の1以下なら大丈夫なのでは、という認識になってきます。そうなってくると、やはりもともとコーヒーが好きだった人間としては、試してみたいわけです。

(ちなみに写真のカヌレは大丈夫ですが、カヌレも時々チョコレートや抹茶が入ったものがあるので注意だったりします)

そんなわけではありますが、以前デカフェ生活に移行した際に、コーヒー関係の色々なグッズを全部処分してしまったため、ある程度美味しいコーヒーを手軽に飲むには、個別のドリップパックになったコーヒーがお手軽です。ということで、今飲んでいるのはこちらの商品。だいたいコストは1杯50円程度。

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7年前の自律神経失調的な日々(付録):カフェイン過敏・カフェイン不耐の生活ガイド

(2019年1月13日追記)こちらの内容、そろそろ書いてから5年が経ち、現状に合わなくなっているので、アップデート版を用意しました。古い記事も記録として残しておきますが、今後はこちらの方をご参照ください。

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以下は2014年2月の記事の内容です。



さて、カフェイン由来と思われる私の自律神経失調症的な体験談を長々と書いてきたわけですが、ここで現在の私がどのようにカフェインレス生活をしているかについてちょっと解説していきましょう。

そもそもカフェイン過敏・カフェイン不耐体質とは

文中で紹介した通り、Wikipediaではカフェイン中毒という項目がありましたが、俗にカフェイン中毒というとカフェインが好きで好きでたまらない中毒、という感じに使われることが多いようなので、カフェイン過敏やカフェイン不耐の方が適切に伝わりやすい用語だと思います。

まあ、そもそも私の場合はカフェインを飲み過ぎて閾値を越えたのではないかと勝手に思っていたりするのですが、欧米人にはカフェインに弱い体質の人は比較的多いようです。だからアメリカとかだとデカフェのコーヒーとか多いのかと納得しました。アルコールに弱いのがアジア人に多いのと逆で面白いですね。

もともと、コーヒーの起源の一節として、ヤギ飼いのカルディ少年(KALDIの名前って多分ここから来ているのですね)が、コーヒーの実を食った山羊が老若男女ぴょんぴょん飛び跳ねて興奮しているのを見つけたところからきた、という説もあることからわかるように、カフェイン自体が一種の向精神薬なわけで、それに過敏な反応を示す人がいるというのも、それほど想像が難しいことではないと思います。

私はアルコールとカフェインのどちらかを我慢しろと言われれば何のためらいもなくカフェインを捨てること間違いなしの人間だったので、話はそれほど難しいものではありませんでした。外食をしたり、旅をしたりしても、お茶やコーヒーを飲まなくても、酒飲んでいれば大丈夫な場所は多いですからね。

そんな私の現在のカフェインレスとの付き合い方を紹介していきましょう。なお、カフェインレスは妊婦さんとも共通かもしれませんが、妊婦さんの場合はカフェイン以前に色々と気にしなければならない事が多いので、以下の記述はあまり参考にしないでください。

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7年前の自律神経失調的な日々(10):カフェイン断ち後の経過

7年前に体調を崩していた時の話、第10回です。

6月に始まった体調不良は、8月には2週間ベッドに寝こむほど悪化していました。その後、生活改善を行うことでかなり復活したものの、相変わらず根本原因はわからず、微妙な体調不良が続く日々を重ねていましたが、12月に偶然にカフェインが原因であるらしいという推測ができる事件があり、カフェイン断ちをすることに決めました。その続きです。

カフェイン断ちの日々

高知の事件でほぼカフェインが私の自律神経失調症的な状況の原因であるらしいという推測ができました。そこで、その日からカフェイン断ちの日々が始まりました。

とは言っても、カフェインはコーヒーなどだけではなく生活のそこかしこに潜んでいます。代表的なものとしては次のようなものが有ります。

  • コーヒー、紅茶、緑茶、烏龍茶などのお茶系(缶、ペットボトルを含む)
  • ココアなどのカカオ入り飲料
  • 総合感冒薬などの医薬品(タイレノールなど、頭痛薬はOKのものが多い)
  • コーラ、ドクターペッパー、ガラナ、7upなどの清涼飲料水(意外なことにルートビアはOK)
  • チョコレート、抹茶スイーツなどのお菓子
  • 眠気覚まし効果をうたったお菓子
  • カレーの隠し味にチョコレートやインスタントコーヒーを入れる…ような隠し味系

このあたりを避けながら生活するのですが、最後のような隠し味系は外食をしていると避けるのは難しかったりします。まあ、そのあたりは妥協しつつ、可能な限りカフェインを追放する生活を続けることにしました。カフェイン断ちでネットを検索すると、結構効果が出るのには時間がかかるという話が多かったので、体の中からカフェインの痕跡が抜けて、自律神経の異常が落ち着くのを長い時間かけて気長に待つ、ということにしました。

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7年前の自律神経失調的な日々(9):ついに原因判明?

7年前に体調を崩していた時の話、第9回です。

6月に始まった体調不良は、8月には2週間ベッドに寝こむほど悪化していました。その後、生活改善を行うことでかなり復活したものの、相変わらず根本原因はわからず、微妙な体調不良が続く日々を重ねてついに冬になりました。そんな続きです。

それにしても…

この体調不良最悪の時期は、まだ某誌のライターもやっていた時期で、しかも9月半ば締め切りの特集号まで抱えてしまっていたという中で、よく頑張ったよなぁ、と自分でも思います。

体調不良の状況をまとめてみるとこんな感じです。

  • 基本的にはいわゆる自律神経失調症と呼ばれる状態と思われる。しかし、自律神経失調症というのは病名ではなく、症状であり、その背後に何らかの原因があり、不定愁訴と呼ばれる主観的で検証の難しい症状が出る。
  • 具体的には、倦怠感、疲労感、めまい、ふらつき、脱力、立ち上がれない、歩くと地面が沈む感、続く微熱、などなど多様な症状。
  • おそらくこの症状により抑鬱状態が一時期強かったが、継続的ではなかったので鬱病ではない。
  • 何度も問題の起こった電車内での不調により、パニック障害的な予期不安とそれに伴うフラッシュバック的な軽い症状の発生がたまに出ていたが、これも不定愁訴による二次的なものと思われる。

これが6月の発生以来、8月をピークとして、それでも9月以降も地味に続いている状態でした。8月がピークだったのは単に暑かったから(この手の症状は暑い時や冷房がきつい時に悪化するらしい)か、それとも生活改善を行って症状が緩和されたのかわからないまま、ずるずると12月がやってきたのです。

そして、ついに原因が判明する事件が起きました。それも、最初の症状が発覚した高知で!

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7年前の自律神経失調的な日々(8):秋の気分転換

7年前に体調を崩していた時の話、第8回です。

6月に始まった体調不良は夏になるとともに悪化し、ついに8月には2週間ベッドから立ち上がることも困難に。ここでネットでの検索で分析した生活改善を行ったことで、本当にそれが効果を奏したかわからないものの、なんとか仕事に行ける程度には回復した、その続きです。

一体、原因は何だったのか?

仕事に行ける程度には復活したものの、一体原因が何だったかは不明です。この手の症状は気温が高くなったり冷房がきつかったりすると悪化することもあるようなので、もしかしたら生活習慣改善ではなく、多少涼しくなったが故に改善したのかもしれません。もしそうであれば、また来年夏には同じことになるかもしれませんし、今年よりさらにひどいことになるかもしれません。

また、もし生活習慣改善が効いたのだとしても、全てを一気に行ったので、どれが効いたのだか未だにわかりません。生活習慣改善の内容を再録すると、

  • 不規則な生活は自律神経によくないらしいので、早寝早起きの習慣をつけることにしました。それまで勤務体系がフレックスだったので、この体調が悪い中、満員電車に乗らずにすんで助かっていたのですが、それは症状改善には役立っていたか疑問です。まずはこの休暇期間から早寝早起きを徹底することにしました。
  • 風邪薬を漢方に変えることにしました。今まで飲んでいたイブプロフェンを基本とした総合感冒薬は、微熱が続くような症状には効果ないようなので、こういう不調に効くという意見もネットにあった、漢方薬柴胡桂枝湯に変えました。
  • MacBookの下に断熱シートを敷いて使うことにしました。症状の現れる5月頃まで使ってたThinkPadに比べ、MacBookは下の面がかなり熱くなっていて、これがベッドやソファで使う際に、太もものあたりをかなり温めていました。関係ないかもしれないけれども、もしかすると体の一部だけを異様に温めるのは自律神経に何らかの影響があるかもしれません。下にAmazonで買った断熱シートを敷いたところ、温度はだいぶ改善されたので、これを使うことに。
  • ペットボトルのお茶を大量に飲んだり、コーヒーを飲むことをやめました。これも関係ないかもしれないけれども、ごく一部で思い当たる節のあったパニック障害の症状は、カフェインによって悪化するそうです。水分は水や白湯を飲むことにしました。
  • 酒は体調が特に悪化した8月の中旬から飲んでいなかったので、関係ないかもしれないけれどもそれを継続することにしました。

のような感じです(実際にはあと何項目かあった気がします)。

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7年前の自律神経失調的な日々(7):生活改善は効果があった?

7年前に体調を崩していた時の話、第7回です。

6月に最初に感じた体の不調は、夏に入ると次第に悪化8月にはついにベッドから起き上がれなくなりました。ネットの情報などを精査していくつかの生活改善方針を決めました。その続きです。

生活改善の結果

旅行が潰れたために2週間ほど空いた休暇はまだ半分以上残っています。私はとりあえず、前回の記事で触れた生活改善計画をテストする期間として、これを充てることにしました。

とは言っても、とても不安です。もし休暇が終わってもこのままの状況が続けば、まず正常な仕事はできません。休み前も、フレックスだったのをいいことに、なんとか体調の悪い日に短く勤務して、体調の良い日にその分を充当するというようなことをしていたのですが、明らかに仕事の能率は最低でした。こんな状況がしばらく続けば、そのうち色々問題となることは明らかと思っていたのですが、今の状況ではそもそも職場に行くこと自体が困難です。

そのような状態に陥った場合の例もたくさんネットで見ました。この生活改善が効果なければ、おそらく私も同じ道をたどる可能性があると思いましたが、逆に言えば一分一秒を争う急病なわけでもなく、他に有望な選択肢があるわけでもないので、ダメ元でやってみた、というのが正直なところかもしれません。

この後の数日の記憶は私の中からすっぽり抜けています。記録もほとんど何もありません。多分、ベッドの上でひたすらネットを徘徊して落ち込んだり、不安で妄想したりと、ろくでもない日々を送ったのではないかと思います。そんな毎日を続けて1週間ほど経った後、なんか、少し体が軽くなってきた気がしました。

休暇の最終日である日曜日。朝目覚めてみると…体が軽くて外に出られるかもしれない。そんな気がしました。嫁に話して、多摩川の河川敷まで一緒に歩いてみることにしました。途中でコンビニに寄って、おにぎりを買って、河川敷で二人で食べました。

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7年前の自律神経失調的な日々(6):悪夢を乗り越えるために

7年前に体調を崩していた時の話、第6回です。

6月に初めて感じた軽い体調不良は、夏が来るにしたがって次第に重い症状へと変化し、原因のわからないままメンタル状態も悪化、ついに一日中ベッドから起き上がることが難しくなるまでになりました。そんな中、ネガティブな情報に押しつぶされそうになりながらもネットを徘徊し、次のように自分の状態を分析しました

  • 今の自分の状況に一番マッチしているようにみえるのは自律神経失調症と呼ばれるものだ。
  • しかし、自律神経失調症という名前の病気は存在しない。それは症状の状態であり、たとえば心臓が止まることを心臓麻痺と呼ぶようなものだ。背後には何らかの原因があり、その結果として自律神経のバランスが崩れ、不定愁訴と呼ばれる、外部からは検証の難しい主観的で多様な症状を発生させる
  • 一部の症状はパニック障害とも似た部分もあるようだ。しかし完全に一致するわけではない。
  • 抑鬱状態は他の症状よりも後から出てきた。したがって、おそらくこの不定愁訴を原因として発生しているものであり、逆ではないと思う。よって鬱病とは思えない。

そんな続きです。

それは悪夢なのか?

前回書いた内容を読むと、休暇の序盤だけがネットの情報に混乱し、後は冷静に考察を進めたようにも読めてしまいますが、もちろんそんなことはありません。ネットに遍在するネガティブ情報はメンタル面を強く揺さぶります。

そんな中で見た、今でも覚えている夢があります。

不思議なお店?のような場所に私はいました。そこのショーケースには、人体のぶつ切りみたいなものが並んでました。しかし、血が滴るような感じではなく、例のプラスティネーションみたいな感じで、ガラスのショーケースの中に無造作に置いてあるのです。

店員さん?が、「試しますか?」と言ったので、試させてもらうことにしました。そのぶつ切りの中の頭みたいなものの皮をジッパーのようにベリベリ開いて、そこに私の脳みそを突っ込んでくれたのです。

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7年前の自律神経失調的な日々(5):ネット検索という沼には宝も埋もれている

7年前に体調を崩していた時の話、第5回です。

6月頭に初めて感じた体調の異常は、7月から8月にかけて徐々に悪化していき、それにともなってメンタル面も悪化していきました。そしてついにベッドから起き上がることすら難しくなった私は、体調不良による休暇と、もともと旅行に行く予定だった休暇を合わせた約2週間の休暇で途方に暮れていました。その続きです。

ネットの呪詛に心が折れる前に

起き上がることも困難で、ただひたすらベッドに寝ているだけの生活では、いつも以上にノートPCでネットを徘徊することが日常そのものとなりました。とにかく自分の体調についてひたすら謎な状態が続いている状況では、そういう情報を検索して探し始めるわけです。

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そうするとわかることは、私のような症状になった人は一生治ることはなく、仕事も失い家庭も失い、悲惨な運命が待っているということです。いや、冗談じゃなくてそういう体験談が、ネットには山ほど載っているわけです。まあ、メンタル的に落ち込んでいるから余計ネガティブな話が印象に残るだけかもしれないのですが…。とにかく、悲惨な運命はたくさん載っているものの、完治した…とまではいかなくてもいいけど、せめて人並に暮らせるようになった、みたいな具体的な話はあまり載っていない、もしくは目立たないのです。

私がこういう文章を、体験から7年も経ってから今更したためているのも、あの頃のことを思い出して、一つでもポジティブな体験談をネットの上に増やしたいという思うからです。紆余曲折は有りましたが、私は問題発生から10ヶ月ほどでほぼ治りました。もちろん、私と全く同じ方法で治る人は少ないと思いますが、それでも「治らないんだ」と簡単に諦める前に、ネットの呪詛に心が折れる前に、もっとポジティブに色々試してみようよ、ということを言いたいのです。

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